修士だけだと中途半端に感じるなら博士課程進学一択

私が博士課程進学を志したのはM1後期。研究をもっとやってみたい。この課題を突き詰めた先に見える景色を眺めに行きたい。海外留学へ行ってみたい。あわよくば研究者になりたい。このような願望を抱いて博士課程へ進学したのです。

博士課程進学を決めたのには他にも動機がありました。それは、「修士までだとなんだか中途半端になるんじゃないかな」といったものです。

B4から研究室で活動し始めたとしましょうか。修士課程までだと、B4~M2の三年間だけしか活動できません。たった三年間で何ができるというのでしょう。論文を一報出すのでいっぱいいっぱいかもしれませんね。三年間しか研究していない状態で、何かの分野に精通した専門家として働くのは難しいのではないか。

いま博士課程進学を悩んでいる方の中には、過去の私と同様、修士までだけだと中途半端じゃない? とお思いの方がいらっしゃるかもしれません。

そこでこの記事では、上記の疑問を解消すべく、中途半端に感じるなら博士課程へ行こうと主張させてください。博士進学を検討中の方にピッタリな内容です。修士修了後に就職を選んで働いているけれども、モヤモヤしている方にもオススメなので、ぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

修士課程は忙しすぎる。研究に集中できる時間はごく僅か

大学へ入学した方の多くは、研究したくて入学しましたよね。小学校以来ずっと受けてきた座学を終え、ようやく伸び伸びと活動できます。これまで各所から抑圧されてきた創造性を研究室配属直後から爆発させていくでしょう。GPAはイマイチだったのに、研究だけはとんでもなくできてしまう怪物が現れるかもしれませんね。

悲しいかな、創造性のカンブリア爆発はあっという間に終わります。修士課程へ進学するまではいいんですよ。でも、修士学生の大半は、修士修了後に就職してしまいます。企業就職するやいなや、上から降ってきた仕事を処理する歯車と化すでしょう。企業では独創性は求められません。指示に対してどれだけ忠実に動けるかが求められるのです。

おまけに、修士課程で研究ばかりに時間を割くのは難しい。

修士就職する方は、M1前期からインターンシップ参加準備で忙しくなります。講義やゼミ、奨学金申請など、他の用事にも追い立てられるでしょう。研究に集中できる時間はごく僅かで、就活を終えて研究に専念できるのはM2の7月あたりからになる。これでは、修了まであと半年しかありません。そこから本格的な研究を進めていくのは難しいですよ。

修士号が欲しいだけの人なら問題ないでしょう。修士課程を就職までの助走期間と位置付け、割り切っているならば問題ない。しかし、研究心に燃えている方だっていらっしゃいますよね。「オレは大学へ研究をやりに来たんだ!」という方だっているはずです。修士就職する場合、研究に専念したくても、研究する時間がなくて困ります。研究に情熱を注ぎ切れず、不完全燃焼の状態で大学を出ていくことになります。そんなの不本意でしょう。

腰を据えて研究したい方は、ぜひ博士課程へ進んでください。博士課程へ行けば、あと三年研究できます。修士課程での就活も不要で、B4からD3まで六年間、ガッツリ研究に取り組めます。

安心してください、理系博士就活はイージーですよ。真面目に研究してきた方なら、勤め先は一か月で決まります。将来の心配をしなくて構わないので、皆さんにはぜひ博士課程に進んでもらって、研究欲を満たしていただきたい。

修士が中途半端に感じるなら博士課程へ

修士号だけだと中途半端に感じる方は、修士号の立ち位置にモヤモヤを感じていらっしゃるのかもしれませんね。修士号は、学士号以上、博士号未満。修士人材は学士人材よりかは専門性が高いですが、博士人材と比較すれば月とスッポンです。

学士人材は、若さとポテンシャルを武器に企業就職できます。博士人材は、専門性や研究関連スキルを強みにできるでしょう。では、修士人材はどうでしょうか。残念なことに、属性由来の強みが無いんですよね。修士人材は、そこまで年を取っているわけでもなく、研究スキルや専門性が低すぎるわけでもない。よく言えばジェネラリストだし、悪く言ってしまえば無個性。

人材募集する企業側からすれば、修士人材は最も扱いやすい。企業のカラーへ容易に染め上げられ、自社に利益をもたらす労働者に仕立てられます。企業にとっては都合が良いかもしれません。修士人材の多くにとっても不満はないでしょう。ですが、一部の修士人材は、自身に対して底知れない無力感を抱きます。「自分って何者なんだろう…」と、強みの無さに悩み苦しむのです。

修士までだと中途半端に感じる方や、企業で自分の強みを見失って途方に暮れていらっしゃる方は、ぜひ博士課程へ進学してください。博士課程で修行して、自分オリジナルの強みを作りましょう。

博士課程を修了すれば『博士号』を得られます。博士号は最高学位で、学士や修士よりも上の、日本で最も高い学位です。また、世界で一番自分が詳しいと胸を張れる専門性が得られます。博士号まで取得してしまえば、中途半端さはだいぶ解消されますよ。

正直、博士号を取っても中途半端さは残る

ここまでご覧になった方は、以下のようにお考えになったかもしれません。

学生にゃん

博士課程へ行けばモヤモヤが解消されそう…
行ってみよう! 博士課程へ進学にゃん!

実際のところ、どうなのか。正直に言いますね。博士号を取っても中途半端さは完璧には払拭されません。修士時代に抱いていたのとは別の中途半端さが芽生えたのです。

博士課程で研究していくにつれ、自身の限界が見えてきました。自分よりはるかに凄い業績を挙げていく同世代がいたのです。自分にはない柔らかな発想で、トップジャーナルに連続掲載されている。もし私が公募へ挑むとなったら、あの人たちと椅子取りゲームしなきゃいけないんですよ。十中八九、私が負けるでしょう。

そんな自分でも、世代トップの同世代と同じ『博士』。学位の上では対等なんですよね。対等なのは結構だけれども、たいして凄くもない自分が博士を名乗っていいのかなと思ってしまいます。

結論、博士号を取っても中途半端さは残ります。「自分は博士号に値する人物だ」などと胸を張って言える博士人材はほとんどいないのではないでしょうか。ただし、修士人材の抱く中途半端さとは質的に別物なのは間違いありません。

修士人材の抱くモヤモヤは、努力では解決できないですよね。博士と学士の間に挟まれている構造的問題はどうにもなりませんから。一方で、博士人材の抱くモヤモヤは、努力次第で解消されるかもしれません。博士号に値する人物になれるよう実力を高めていくにつれ、やがて気が楽になるでしょう。私も博士を名乗るにはまだ実力不足なので、会社就職後も論文を読み続けたり、少しでも良い製品を作れるよう研究開発現場で技術リードを頑張っています。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

カテゴリー

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次