広島生活春夏秋冬vol.20 二年目・6月|人生秤量計を活用した泥酔英検一級受験と不確定性原理に基づく井戸型ポテンシャル開発

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轟沈…?

試験はまずエッセイから解いた。水資源へのアクセスは人類の基本的権利であるべきか? という問いだった。そりゃそうだろ、とは思うものの、じゃあなんで? と問われたら言葉に詰まる。

こういう時は、視座を高くしてみる。
そういえば、かつて水資源をめぐって多くの紛争が起きた。グローバルサウスでは現在進行形で水をめぐる戦争が起きている。つまり、水は社会の結束に不可欠な資源なのだ。また、倫理的な観点からも考えられる。水じゃなくてお好みソースで我慢しろと言われたら、私ならまんざらでもないけれども、他の人なら嫌な顔をするだろう。文明的な生活に水は欠かせないのだ。さらに、長期的影響も考えられる…

なんだ、3つ理由を思いついたじゃないか。上等だ。予定通り15分でクリアし、語彙問題に移った。

一級最大の難関として知られる語彙セクションだが、今回の問題は難易度が抑え目だった。うわっ、進研ゼミで習ったやつだ!単語帳で見たヤツだ! と興奮しながらサクサク解き進めていく。熟語は紛らわしいものが多く、どっちだったっけなぁ… と頭をひねった。ひねりすぎて首筋が痛くなり、”迷ったら3”の精神でマークした。

ニッカウィスキーが足らなかったのか、長文読解で内容が頭に入ってこない。視線が文字の上をなめらかに滑って、文章の意味を捉えられない。4つある長文のうち、一問目が抽象的な芸術論で、ちょっと何を言っているか分からず、10分使ってひとつもマークできなかった。

焦って次の問題に移ったら、アリの生態系に関する科学的なテーマで、こっちはすんなり5分で解けた。その次はデジャブに関する英文。このあたりでようやく落ち着きが戻ってきて、この文章、面白いなぁ… と笑みを浮かべる余裕が出てきた。なんか、この文章、どっかで読んだことある気がする。それこそデジャブなのか? いや、読んだことあるよな。いや、ないか。

最後の長文はアテネの民主主義について。数か月前に一級の予想問題集で読んだテーマで、「マジか! 全然分からん!」と声が出そうになった(いや、分かれよ)。三段組の長い文章を二度通読し、概要を掴んでアタマから解いていく。こういう問題は、先入観に頼ったらダメ。文中に書いてあるもの以上に想像を膨らませるとドツボにハマる。じっくり時間を使って、一問ずつ根拠とセットでマークした。

残り時間が40分。いったん飛ばした芸術の長文に戻り、やっぱ全然分からんなと苦笑いし、”迷ったら3”の精神で塗り絵した。

時間を35分残して、鬼門の要約パートに着手した。私が受ける前の回のテストで要約パート0点者が続出したこともあり、「語数と内容には特に注意して臨もう」と、頭の中で四股を踏んだ。

冒頭から読み進めていくなか、どうにも内容がまとまらない。理解はできる。何を言っているかも分かる。でも、それを綺麗な論理構造で説明する糸口を掴めない。どうやら問題の傾向が変わったらしく、事前演習どおりにまとめられなかった。ヤバいな、全然書けないじゃん。いったいどこが要点なんだよ…

頭を抱えているうちに残り7分になり、迷っていても仕方がないと、一気に書き上げた。サラッと見直しし、語数を数えて問題ないことを確認すると、「筆記用具を置いてください」の掛け声があった。

・・・・・・・

リーディングとライティングの手ごたえは至極微妙。できたと言えるのはエッセイぐらいで、長文と要約の不出来が悪印象だった。大丈夫かな。

2分の休憩を挟んでリスニング試験。正直、集中力は切れかかっていたけれども、勝負を投げたら後悔すると思い、耳の穴を鉛筆でかっぽじって、あまりの激痛にうめき声をあげ、その勢いで一問目を迎えた。

リスニング試験は大問が4つある。一問一答のPart1はまぁまぁだった。問題は、長文を聴いて2問ずつ解くPart2で、全ての選択肢に自信を持てなかった。今回の試験、全体的に根拠が微妙すぎないか? リーディングといい、リスニングといい、パッと素直に正解を選べる問題が少なくて困っちゃうわ。

隣の小学生は大丈夫なのか。泣いてないのか? それとも余裕なのか? 幽体離脱して観察すると、ウンウン頷きながら解いていた。すげぇな、余裕なのか。さすがはコナンくん。自分も天才児に産まれたかったな。

Part3は、特定の場面を想定したナレーションに対して一問一答する形式。過去問とは情報の出し方が大きく変わっていて、来るか来るかと待ち受けていたのに、「ざんね~ん、もう喋っちゃったよぉ~笑」と言わんばかりに、カギとなる情報を聞き逃す仕組みになっていた。5問のうち1問しか確信がない。してやられた。英語協会がここまで意地悪だとは思わなかった。

最後のPart4は、建築家のインタビュー音源。4分ほど喋りっぱなしの音源に耳を澄ませ、必要な情報を抽出していく。リーディングとライティングで100分戦い、リスニングもこれまで35分受けてきた。もう、おじさんは疲れてしまいました。まだあるのかよと顔をしかめ、惰性で最後まで解き切った。この問題に限ってはまぁまぁ自信がある。問題文が放送される前にマークを終え、静かに問題冊子を閉じた。

手応え的に、おそらく落ちるだろう。10月の第二回試験に向けて気持ちを切り替えよう。おそらく受けることのない二次試験は、希望受験地に札幌をマークしておいた。

・・・・・・・

試験翌日の昼、英語協会から解答が出た。採点してみると案の定ひどく、8割取る戦略だったリーディングは26/35(74%)、課題のリスニングは15/27(55.5%)と轟沈し、ここで5の羅列を再見するとは思わなかった。

だが、勝負はまだ分からない。エッセイをAIに見せたら満点だった。全肯定するGeminiはもちろん、Claudeもチャッピーも満点をつけた。ネットに転がっている採点AIに見せても満点だという。満点って、何点よ。一番何もやってない教科で満点って、どういうことだよ。

要約問題は、答案に回答をメモする時間がなく自己採点は出来なかった。問題冊子に残した日本語メモと記憶を頼りに日本語で答案を作り、DeepLにかけて英文に直し、採点AIに見せたら、内容と構成点は満点だという。もちろん、答案では多少は文法ミスを犯しているだろうし、語彙の点数も引かれているだろう。それでも7割は固いのではないか。採点が厳しくても6割はあるぞ。

ネットの感想を見ると、リーディングはやや簡単、リスニングは激ムズ、ライティングはエッセイも要約もチンプンカンプンという声が多かった。私はリーディングで若干点数を落としたものの、リスニングの下振れ分はCSEスコアで補正されるだろう。ライティングに至っては、上振れするのではないか。

これは、もしかすると、もしかするぞ。合否は五分五分なのではないか。大学一年次の冬に受けた準一級も、一次・二次ともに最低点プラス2~3点での合格だった。今回は、学生時代に受けた準一級と非常によく似た手応えがある。ギリギリの勝負になるんだろうな。最近、辛いことばかりだから、ここらへんでひとつ、いいことが起こって欲しい。

ああ、なんで二次試験に札幌を指定したんだろう。もし一次試験に受かったら、札幌までどうやって行くつもりなんだ。

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