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今月号のアブストラクト
近年、民主主義国家において選挙の高頻度化が有権者の意思決定能力を著しく低下させることが報告されている。しかし、選挙疲労と自己研鑽意欲および賃金交渉心理の相互作用については、十分な知見が蓄積されていない。
本研究では、丙午元年度において28歳独身会社員を被験者とし、衆議院選挙・TOEIC受験・春季労使交渉の三事象に対する心理的応答を追跡調査した。被験者は自身を実験台とし、健康で文化的なカツカレーを常食した。なお、実験温度は室温である。
被験者は年間6回の選挙的イベントへの曝露により慢性的な選択疲労を呈し、スターバックスを壇ノ浦に沈めたいとする怪奇的な衝動を発露した。TOEIC広島冬の陣では音響設備の不備に起因する聴覚障害が確認されたが、博士号取得者としての矜持により戦線を維持した。自覚症状は900点である。春季労使交渉では、ベースアップ要求に対する歓喜と賞与減額に対する落胆が同時に観測され、被験者の行動パターンは宋代のサル群と99%以上の類似性を示した。
本研究は、現代の独身会社員にとって給与よりも社員食堂のカツカレーが勤労意欲の主要因子であること、すなわちトンカツはいかなる経済理論をも超越する(カツ>>>>>r>g)との仮説を提唱するものである。なお、本稿における『ぽんぽこりん』の定義は、前報に準ずる。
衆議院選挙

先月下旬、高市さんが「もう働きたくありません!」と衆議院を解散した。就任当初の勤労意欲は高かったが、働いて×5、疲れ切って、少し休みたくなったようだ。そりゃあね、働いたら疲れますよね。たまには休みたくなりますよね。ゆっくり休んだらいいと思います。休んで休んで休んで休んで休んでください。私も一緒に会社を休みます。
長期休暇に入るのかと思ったら、急に選挙をやるとおっしゃった。また選挙ですか。なんだかいつも選挙をやっている気がする。これで広島に帰ってきて何度目の選挙だろうか。参議院選挙に広島県知事選、乃木坂の選抜総選挙、お好み焼きNo.1決定戦、AKB一期生の復刻年越しライブがあって、このたびの衆議院選挙ときた。一年で六回も選挙をやっている。ちょっとやりすぎではないだろうか。
いくら選挙が国民の権利だとはいえ、ここまで頻繁に権利行使の場を設けてくれなくてもいい。意思表示は一度だけで十分である。お好み焼きはね、麺が入っているものしか認めませんよ。麺の入っていない関西『風』お好み焼きとやらは小麦爆弾です。お願いだからお好み焼きを名乗らないでください。アレと一緒にされたくありませんから。
にしても、選挙が多すぎる。これだけ多いと選択疲れしてしまう。縦型洗濯機も限界だろうか。そろそろドラム型に換えた方がいいのか。一年前に洗濯機を買ったばかりなのに、もう買い替えさせようとしてくるのか。資本主義社会はどんだけ強欲なのだろうか。購入したものを大切に使うもったいない精神はどこに行ったんだ。
そもそも、ドラム型って、意外と大したことないらしい。ドラえもんは洗濯物の乾燥までしてくれる。だが、外で干した方がよく乾くだろうし、衣類の傷みも電気代も抑えられる。第一、ドラえもんは重すぎる。重たいものだと成人男性ぐらいある。そんなに重たいものをアパートに置いたら底が抜けかねない。ただでさえ広島は中州で埋立地が多いのに、地盤の緩い場所にドラえもんなんか置いたら沈んでいってしまう。ドラえもんは縦型で十分。
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神社でも選挙でも何でもそうだが、善良たる市民は国益を考えて行動すべきではないだろうか。個人の利益みたいなちっぽけなモノより、国の趨勢に鑑みて何ができるかを意識した方がいい。我々の命は100年しかない。しかし、我が国は2600年以上続いてきた。おそらく今後も続いていくだろう。日本には素晴らしい伝統がある。豊かな自然も価値観もある。これをどう守り、後世に受け継いでいくか。自分に何ができるか、自分の意志を誰に託すか。
個人の利益第一で投票先を選ぶ人が多いかもしれない。その気持ちは痛いほどよく分かるけれども、自身の国家観とか、世界観とかのような、もっと大きなものを考えて選んでほしい。市議会選挙とか県議会選挙ならともかく、国政選挙なら国家レベルで物事を捉えていただきたい。
そのような観点で投票先を選べば、入れる先は自ずと固まってくる。スターバックスから国民を守る党に決まっている。
スターバックスの悪影響は底知れない。日本国民へ無慈悲に数多のカロリー爆弾を投下し、生活習慣病を引き起こした。一番人気の『ぽりぽり・ぷくぷく・ウルトラ・ぽんぽこりんスプラッシュ・フラペチーノ』を始め、悪魔的な魅力で味覚を崩壊させにかかる。スタバのあのロゴは”スタバにあらざれば人にあらず”といった高慢ちきな顔をしている。このあいだなんか、SNSで「この世をば わが巣とぞ思ふ ラテの泡 欠けたることも なしと思へば」とまで詠んでいた。いったいどこまで傲慢なのだろうか。平家物語を読んで聞かせて、そのまま壇ノ浦に沈めてやりたい。
私も遠い昔、昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんじゃなくて彼女と付き合っていたとき、旅先で彼女から「スタバに行こ?」と言われたことがある。嫌だ、嫌だと駄々をこねた。あんなもの、人間が飲むものではない。飲んだらお尻からしっぽが生えてくる。結局、彼女の握力と腕力にねじ伏せられ、お店の中まで引きずり込まれた。まだカフェにすら行ったことがないのに、ましてスタバで何を頼めばいいというのか。
彼女が何やら店員さんへ長々と注文していた。「ベンティ・アドショット・ヘーゼルナッツ・バニラ・ホワイト・モカ・ウィズ・ホイップ……」ちょっとよく分からない。二郎のコールにしか聞こえなかった。心の中で「女版二郎や…」とつぶやき、一人で悦に入っていた。私も何も頼まないのはマズいと思い、「あっ、ココアで」と注文した。確かにココアは旨かった。まごうことなきココアの味がした。彼女は私の前でぽんぽこりんスプラッシュスノーを、口の周りに白ひげを生やしながら満足そうに飲んでいた。
正直、スタバには良い思い出がない。スタバなんかあるせいでみんな太るんだよ。彼女もスタバのせいで、いや何でもない。そんなことはどうでもいいんだけれども、スターバックスは一刻も早くスクランブル放送にすべきだ。ついでにスクランブルエッグにしてしまえ。お好み焼きの上に載せて食べちゃえ。スタ国党があれば喜んで投じるのだが、広島選挙区では立候補していないらしい。
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どこに入れるか悩ましい。スタ国党がないのならば、ビットコインの暴落から国民を守る党にしようと思ったが、そのような団体も立候補していない。ならば検討使の岸田さんに投じようか。ダメだ、選挙区違いで投じられない。
うちの選挙区は自民党から候補者が出ている。立候補者は広島学院中高出身。私は学院に中学入試で落とされた。不合格発表日に母親から猛烈な左ストレートを食らい、おかげでいまも右耳が聞こえづらい。だから学院出身者に投じるのはなんか嫌なんだよな。でも、他に入れたい人もないしなぁ。
投票所で用紙を受け取り、記入台の前で逡巡した。検討に検討を重ね、検討を加速し、国家の行く末と自分の人生を天秤にかけ、深く息を吸い、覚悟を決めた。投票箱は一つしかない。だから私は、投票箱に入れた。我が一票に国運が懸かっている。「日本を頼むぞ」と気持ちをこめて投票箱に入れた。
政治家さん、マジで頼むぞ。皆で、日本を、世界の一等国にしよう。二位じゃダメなんだよ、一位じゃなくちゃね。


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