週刊オックスフォード§7 バター大戦争に終止符。安全講習のお知らせキタ━(゚∀゚)━!!『1ポンド192円』の衝撃

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【44日目・リア幸75】11/14 (火):グローブボックスの修理作業

アルゴンを始めとする希ガスを詰め込み、大気に暴露せず実験を行える装置を『グローブボックス』と呼ぶ。水分に触れると酸化するリチウム、また酸素や水分を溶かしたくない有機系電解液を扱う時に用いる。私は普段、つくばの国研で実験する際よく用いている。手先の不自由さにイライラしながらも”仕方がないな”と割り切って使う。オックスフォード大学への留学中もグローブボックスを使用する予定。実験にリチウムを使用するからグローブボックスを使わねば始まらない。

実験を始めるにあたっていくつか重大な問題がある。未だ安全講習を受けられていないのも問題なのだが、肝心のグローブボックスがぶっ壊れているためこのままでは実験に取り掛かれないのだ。一体どこが壊れているのか?グローブボックスからアルゴンガスを出し入れするエンジンが故障しているのだ。コイツが壊れてしまっているとボックス内へ大気が混じってしまう。実験途中に箱の中へ空気が入ってリチウムが酸化、もしくは燃えてしまうワケである。

ラボの中国人女性ポスドクの方と2人でエンジンの取り換え作業。30kg以上もある重たいエンジンを持ち上げてはパーツを取ったり付け替えたりした。日本ではこうした作業を全てメーカーの方がやってくれる。イギリスのラボでは基本的に学生やポスドクが組み立て作業をするらしい。日本がどれだけ恵まれているか… 恵まれているのに一体どうしてあんな貧弱な研究成果しか出てこないのか。あまりに色々とやってもらいすぎてハングリー精神を欠いているためだろう。イギリスのように何から何まで自分でやったら”ここまでやったんだ、絶対に成果を出してやるぞ!”と心が燃え上がってくるはずだもの。中日ドラゴンズの某・監督ではないが、日本人には覚悟が足らない。「戦う顔をしていない」のだ。現状にもっと危機感を募らせ我武者羅に働いていかなければ。

残念なことに、とあるパーツの外し方が分からず2人だけでは作業を完結させられなかった。後日、別のラボの方かメーカーの方に付け替えていただく運びとなった。そろそろ実験に取り掛かりたい。もうすぐ留学の1/4が終わってしまうもの…

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