週刊オックスフォード§10 バスよ、ちょっと待ってくれ!ラボが全面水浸し。26回目の誕生日、か

  • 【64日目・リア幸50】12/4 (月):バスよ、頼むから置いて行かないでくれ!!
  • 【65日目・リア幸45】12/5 (火):なんてこった。全身筋肉痛じゃないか…
  • 【66日目・リア幸30】12/6 (水):なんでワシがポスドクへ実験の基礎知識を教えとるんじゃ…
  • 【67日目・リア幸30】12/7 (木):懸案事項が全て解決。ココでまさかの実験開始、かと思ったが
  • 【68日目・リア幸0】12/8 (金):ラボが全面水浸しに…
  • 【69日目・リア幸-50】12/9 (土):26回目の誕生日、か
  • 【70日目・リア幸-100】12/10 (日):「」
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【64日目・リア幸50】12/4 (月):バスよ、頼むから置いて行かないでくれ!!

一昨日の話だ。

ラボで17時まで作業していた。17:22発のCity Centre行きバスに乗るにはそろそろ帰らねばならない。静寂に包まれたラボへ名残惜しくも「また明日な」と別れを告げて出る。-3℃の漆黒の夜道を凍えながら歌を謡って歩む。最近よく口ずさんでいるのが『僕らの永遠~何度生まれ変わっても~ [YouTube]』である。10年以上前、川口春奈さんが出演したauのCMで流れているのを聴いて以来、大変気に入っている。歌詞が良い。リズムが取りやすい。音調が穏やかでかつ低く、音痴な私もあっという間に歌い方を覚えてしまった。感情移入のできる曲だ。曲のクライマックスが近づくにつれて胸の奥からこみ上げてくるものがある。「何度生まれ変わっても 手をつなぎたいだけの愛だから~!」と、日本からはるか1万km離れたイギリスのど真ん中にて愛を叫ぶ。…もはや完全に変質者。イギリスに頭をやられてしまって如何ともしがたい状態である。

イギリスのバス停にはご丁寧にも「次のバスが来るまであと○○分」と電光掲示板で教えてくれる。17:15ごろバス停に着いた。17:22発のバスが来るまで本来、あと7分程度のはず。しかし、掲示板には「あと35分」と表示されている。は?ちょっと待ってくれよ、と。5分や10分の遅れなら分かるが35分っていったいどういうことだ?-3℃の外界、しかも強風に吹き曝しとなったバス停で30分も待つの?死んじゃうよ。ホンマに勘弁してくれや。ひょっとしたら電光掲示板が狂っているだけなのかもしれない。さすがに35分も待たないよね?…ね?「待たないでいいよ♪」って言ってくれない笑?

バスが来るはずの17:22まで待ってみたが、やはりバスは来ない。それから8分待って17:30になっても一向に姿が見えぬ。さては本当に、本当に30分も待たなきゃいけない可能性がある。じっとしていたら凍えちゃうな。少し周囲を歩き回って体を温めてみるか。バス停の前を右往左往。抜き足・差し足・忍び足、全て試したがやはり寒い。次のバス停まで歩こうかな。流石にあと20分以上も立ちっぱなしじゃ待てないわ。

…とバス停に背を向けた瞬間、待っていたバスが私の後ろを猛スピードで通過。えぇぇ~~~!!!ウソでしょ笑。そんなことある?さっきまで待ってたやん。たった1秒気を緩めただけで今までの努力がパーになったんか。……だいたいさ、「バス到着まであと20分です」と書いてあるのになんでいま来るの笑?バス、半端ないって。あいつマジ半端ないって。普通20分前に来るか?来えへんやろ、そんなもん。来てもせめて時間まで待つやろ。待ちもせんのか。ホンマ半端ないわぁ。

…まだだ、まだあのバスに乗れる可能性がある。というのもあのバス、City Centreへと向かう道を一直線に進むわけじゃないからだ。周辺をぐるっと迂回して乗客を回収しながら中心街まで行く。ヤツが迂回している間にその先のバス停まで追いつけばいいって話。私を誰だと思っている?吾輩は模範的北大生、もとい、フルマラソンランナーである。自己ベストは2時間47分。キロ4分で42km走り続けられる。その気になったらCity Centreまでバスを追いかけられるんだぞ?ワシの武士道をなめてもらったら困る。こっちはハエとの日英代理戦争を勝ち抜きまた一段、パワーアップしたのだから。

一人でブツブツ喋っているヒマがあるならバスを追いかけ始めねばならん。正直、あのバスに乗れなかったら寒くて凍死してしまいそう。全力でバスを追い抜きにかかる。豆粒大まで小さくなったバスの姿を尻目に眺めつつ疾走。久々に走った。札幌で9月末にトレーニングして以来、実に2か月ぶりのランニング。準備運動もなしに走って体の動きが実に悪い。膝を痛めたり肉離れしたりしないかだけが少し気がかりだ。ペースをグングン上げて行く。やがて喉に血の味がし始めた。あぁ。懐かしいな、この感覚は。昔、陸上トラックでインターバル走をしていて追い込みをかけたときによく血の味がしたっけ。

大きな交差点に差し掛かった。車の通過を待つ間にスマホで次のバス停までの距離を確かめる。よし、あと400mだ。バスの姿は、って….あぁぁぁぁ!!!無情にも右手をバスが通過した。走って追いつこうにもバスはそれを断固拒んで急加速。私がバス停に着いた頃にはバスの姿はもう見えなくなっていた。置いて行かないでくれよなぁ… ぴえん。めっちゃ寒いやん、どうしてくれんの?走って少し温まったはずなのに心があまりに冷えすぎ全く温かくない。結局乗れずじまいなら大人しく前のバス停でじっと待っていた方が良かったじゃないか。走って息が上がって無情感まで味わって、まるで絵に描いたような大々々々々損失。一日に2回もバスに置いて行かれて至極、大変遺憾である。次に同じ時間帯のバスへ乗るときは乗務員へ遺憾砲を連射してやる。

着いたバス停でさらに20分待ってようやく帰りのバスに乗られた。温かいわぁ^ ^ 幸せだなぁ^ ^ 座っているだけで目的地まで運んでくれるとはなんと便利な世の中なのか。

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