週刊オックスフォード§7 バター大戦争に終止符。安全講習のお知らせキタ━(゚∀゚)━!!『1ポンド192円』の衝撃

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【45日目・リア幸60】11/15 (水):あの防御をかいくぐってまでバターを食べるだなんて…

エディンバラ城の如く張り巡らした防備を易々とかいくぐられてしまった…

バター戦争に終止符が打たれた。結論、私の大敗北である。

バターにはできるだけの防備を施した。バターの容器にガムテープを巻き、さらにその上から3枚ものビニール袋で十二単の如くグルグル巻きに。でもって袋にマジックペンで『Kame’s butter. DO NOT EAT IT!!』と黒々と記しておいたのだ。流石にこれだけ分厚い城壁に阻まれたら侵略者も諦めるに違いない…と。もしも私が侵略者なら、注意書きのあるビニール袋を見た時点で「あっ、コレ近付いちゃいけないヤツや…」と危機を察知し撤退を図る。この先どんな罠に見舞われるか分からないから侵略をためらう。

元来、少しでも良識のある人なら人の食べ物を食べないはずだ。人のものを勝手に食う奴は古今東西「盗人 (ぬすっと)」と呼ばれて蔑まれてきた。名前が書かれていないならまだしも、名前が書かれた食品を食う奴一に良識があるとは思えない。どう考えてもまともではない。騎士道の欠片も残されていないのだ。誰でも簡単に名前を読めるよう漢字ではなくアルファベットで記しておいた。私はなんて親切なんだ。桜の如く柔らかで艶やかな我が武士道精神に胸を張るばかり。そんな私の親切心を踏みにじる奴などいないと思っていた。昼、バターのケースを開けてみるまでは…

ビニール袋もバターケースを包むガムテープにも何の異常さえ見られなかった。「さすがに侵略を諦めたか。ざまぁ見ろ笑!」と高笑いしてバターを食べるべくケースを開封。いやはや、驚いた。ヤツがナイフを巧妙に扱いバターを削り取った痕跡が残されている… しかも超広範に!おそらく軽く20gぐらいはえぐり取って行ったんじゃないか。ヤツはプロだ。プロの盗人。怪盗ルパンにでも弟子入りしたか?ヤツの盗みの腕前たるや、剛腕、凄まじいモノがある。シャーロック・ホームズの出番はない。犯人が誰かは自明だからだ。銭形警部の出番である。「ヤツは大変なものを盗んでいきました!!」と声を枯らして叫んでもらわねば。

難攻不落のエディンバラ城をも上回るほどの防備を突破。ヤツはどうやら只者ではないらしい。さすが、名門・オックスフォード大学の学部生というだけはある。だが舐めてはいけない。こっちは我らがホッカイドー大学のPh.D. candidateなのだから。吾輩は現役北大生である。名前は”かめ”だ。亀の甲も年の劫もある。つまり無敵、ヤツが敵う相手ではないということだ。鼻くそフォードだかめちゃクソフォードだか知らんがお前はもう死んでいる。ははっ、諦めろ。お前に食わせるバターはない…

散々わめき散らしているが、とどのつまり、私は負けたのである。完膚なきまでに打ちのめされた。関東六芒星の如く厳重に張り巡らした結界をバリバリに破られた。おそるべき騎士道のパワーによりバターを盗まれたのだ。ココまでされたら諦めるしかない。いくら守っても防備を上回られるだけである。仮に金庫へ入れたとしても、金庫をいとも簡単に開錠されて直ちに無力化されるだろう。逃げるが勝ちだ。留学がまだ1/4しか終わっていない以上、できるだけ戦闘力の温存に努めなければならない。もう、バターはヤツにあげてしまおう。ヤツの好きなように使わせてやり、私はこれから金輪際ヤツのバターに手を付けないでおこうじゃないか。”盗られたら困るモノは冷蔵庫へ入れてはダメだ”ってこと。人生における重要な教訓を与えてくれたオックスフォード大生に深謝。

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