- 【78日目・リア幸20】12/18(月):激高
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【78日目・リア幸20】12/18(月):激高
昨日の話だ。
オックスフォード大学のラボへ私を紹介して下さったとある先生とWEB面談した。実験が始められていない現状や今後どうしていくかの報告を行った。私自身、オックスフォードに対する気持ちが既に離れてしまっている。「このままココに居ても仕方が無いので旅行へ行ってくるつもりです」と申し上げた。すると先生、『もうちょっと頑張りなさい』と返してきた。『簡単に投げ出してどうするんだ。もう少し待ちなさい。諦めるのはまだ早い』とのこと。
この先生から”待て”と言われて2か月半も待ち続けた。状況はほとんど変わっていない。今さら何を”待て”と仰るのか。待てども待てども事態が動かないから「もう待てません」と言っているのに… オックスフォードから給与を貰って待たされているなら喜んで待つ。働かずともお金を得られるのであれば半年でも一年でも喜んで待つよ。お金を【払って】待たされているのだ。月収の7割に相当する月14万円もの大金を払っているにも関わらず。いったい世界中の誰がお金を【払って】待たされる状況を好むだろうか?搾取、いや、もはや詐欺の部類だろう。
私の状況が呑み込めていない先生に比喩で事態をご説明した。
たとえば私がレストラン(ラボ)へ行ったとする。席代 (在籍料)として14万円取るそうだ。まぁ、それもいいだろう。高級レストラン (世界No.1大学)らしいし、最初の14万円ぐらいは甘受しようかなぁ、と。ウエイトレス (教授)へとオーダー (実験計画のプレゼン)をした。注文してから一週間経った。前菜はおろか、ドリンクさえも運ばれてこない。ウエイトレスに現状を確認したい。立ち上がり、レストランの中を歩き回るが、肝心のウエイトレスの姿が見当たらない。
一か月が経過。席代としてコンシェルジュ (大学事務部) に14万円むしり取られた。一か月半が経過した。ようやくお通しの水 (安全講習)が運ばれてきた。二か月が経過。紙切れひとつ運ばれてこない。喉が渇いた。せめて何か飲み物 (実験)が欲しい。三度目の14万円を徴収された。「どうなっているんだ?」と疑念に駆られる。”ココはホンマにレストランなのか?”と。レストランの椅子に座り、何も食えないまま懐が素寒貧になってしまったぞ。
このまま座り続けていたらジリ貧だ。声を枯らして「ウエイトレスさん、いらっしゃいますか~!?」と何度も何度も叫んでみた。…返事がない。果たしてこのレストランで何が起こっているのだろうか。再び立ち上がり、キッチン(実験室)の様子を確認しに行く。料理人 (学生やポスドク)が茫然と立ちつくしていた。調理器具 (実験道具)が軒並み壊れているらしい。そりゃ道理でいつまで経っても料理が運ばれてこないわけだ笑。客へ”修理を手伝え”と言ってくる。仕方なしに手袋をはめ、一緒に修理を手伝ってやる。横目で料理人の数を確認。たった2人しか見当たらない。レストランの前に掲げている料理人リスト(研究室ホームページ)には10人の顔写真が掲げられている。どうやらあの料理人リストは3年間未更新のままだったらしい。修理を終えたと思ったのもつかの間、料理人が手を滑らせ、替えの利かない調理器具を粉々に破壊してしまった。時は既に12月下旬。あと数日後にはコンシェルジュが席代として14万円をむしり取りにやって来る…
こんなレストランへ一体誰が喜んでお金を払うだろうか?お金をドブに捨てているようなものだろう。どこから見たって詐欺だろうが笑。詐欺じゃなかったら何だって言うんだ。なのに先生は『もうあと3か月、計42万円払えば料理が出てくるかもしれないじゃないか』と言う。『キミには気長さが足りていないんだよ。もう少し待ってみたら?』と真顔でくどくどと説教をなさる。…正気か?えっ、私の感覚がおかしいの?こんなレストラン、こっちから退出するのが当然だと思うんだけれども。向こうは席代をしこたま取るくせに料理を提供する気が一切無いんだよ。出て行くべきでしょ。なんで”居続ける”という選択肢があるの…?
高校時代以来、10年ぶりぐらいに誰かへ対して激高した。誰も居ないラボの中で「おかしいでしょ!」と先生へ大絶叫した。理不尽だよ。さすがにもう耐えられないよ。やっとの思いでためたお金をこっちはドブに捨てられちゃったんだよ。なのにまだラボに居続け、傷口を拡大しようっていうのかい…?これまで払った42万円は”サンクコスト”ってことにしようじゃないか。「もったいないから続けよう」って?…そりゃもったいないよ。もったいないけど、まだあと42万円払ってそれらを無駄にしてしまうより遥かにマシでしょ。貴方は自分のお金をドブに捨てられたことが無いから『待ったら?』と言えるんだよ。月収の7割を捨てられたこっちの立場に立ってみろよ。地獄なんだからな…?
コレだけ言ってようやく先生も『確かにそうやな』と納得してくれた。私の苦しみの1/100でも理解してくれたなら幸いだ。はぁ、疲れた。怒るって結構疲れるんだな。滅多なことでは怒るもんじゃない。言いたいことを全部言わせてもらってかなりスッキリとした心持ちだけれども笑。ラボ滞在もあと一日だな。もう二度と来ることはないだろうから、私にお金を空費させた憎き研究所の姿を目に焼き付けておこう。
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