週刊オックスフォード§10 バスよ、ちょっと待ってくれ!ラボが全面水浸し。26回目の誕生日、か

目次
  • 【64日目・リア幸50】12/4 (月):バスよ、頼むから置いて行かないでくれ!!
  • 【65日目・リア幸45】12/5 (火):なんてこった。全身筋肉痛じゃないか…
  • 【66日目・リア幸30】12/6 (水):なんでワシがポスドクへ実験の基礎知識を教えとるんじゃ…
  • 【67日目・リア幸30】12/7 (木):懸案事項が全て解決。ココでまさかの実験開始、かと思ったが
  • 【68日目・リア幸0】12/8 (金):ラボが全面水浸しに…
  • 【69日目・リア幸-50】12/9 (土):26回目の誕生日、か
  • 【70日目・リア幸-100】12/10 (日):「」

【69日目・リア幸-50】12/9 (土):26回目の誕生日、か

放浪計画を立ててみた。ロンドンから第一渡航先、そして大陸側で巡る国の順番や観光地についてリサーチ。すごく楽しそうな旅だ。こんなに愉快な周遊を3か月もやれたら本当に楽しいだろうな。心がどんどんワクワクしてくる。一刻も早くオックスフォードを飛び出したくて堪らない。朝から晩まで一日費やし基本的なプランを組み上げた。あとはお金の問題だけ。(まぁ、大丈夫だろう…)と思いつつも、念のため残高を確認しておいた。

・・・・・・・・・・

…どう考えても不足する。不足どころか、そもそもお金がほぼ無いじゃないか。自由に使えるお金が手元にたった10万円しかない。10万円では3か月はおろか、1週間でさえどこかへ遊びに行くのも厳しい。我が北海道銀行の口座には現在、210万円入っている。うち100万円は親へ返す分。大学受験浪人したせいで親へ支払わせた予備校代と食費を返済するのに必要。100万円はJASSOの奨学金。帰国後、一括返済しようと思っているのでびた一文も手を出せない。210[万円]ー100[万円]×2=10[万円]という計算式。計算間違えのしようがない。私は10万円しか持っていない。

まさか、10万円しか使えるお金が無いとは全く予想だにしていなかった。”せめて50万円ぐらいは持っているだろう”と甘い見通しを抱いていたもの。学振から20万円の給与が毎月口座に振り込まれはする。だが、オックスフォード大学への在籍料で月14.5万円取られてしまう。もう一点。オックスフォード大学へ”行かない”間も毎月14.5万円の支払いが必要。つまり、学振からもらえるお金をほとんど放浪に充てられないワケだ。20ー14=6[万円]。月6万円の自由資金じゃ本当に何も身動きが取れない。そもそも、だ。電車が乗り放題になるユーレイルパスさえ未だ購入できていない。3か月乗り放題券は$789 (11万円)と、コイツを買ったら自由資金が一撃で吹き飛ばされてしまう。

放浪しようにもお金がない。時間はあれどもお金がない。ブログで収入を稼ごうにも、まだマネタイズがうまく行っていないから雀の涙さえのお金も得られていない。現状、ブログはただの慈善事業。まぁ、別にいいけどさ。私はあと10年も20年も生きていられない身体だから。皆さん。私がまだ生きているうちに搾り取れるだけ搾り取ってくれ。ミイラのような搾りカスになって倒れる私の棺にハナクソ花束を入れてくれたら結構。

(生きているうちに少しでも楽しい思いをしたい) と思って放浪を志した。持病がさらに悪化する前に、外に出られなくなるほど音が怖くなっていない今のうちに旅行しておきたかった。放浪中も音に悩まされるだろう。それでも、どうしても見て周りたい場所があったので、音によるダメージを承知の上で放浪する計画を立てていた。どうやら最後の希望を叶えられぬまま人生をフィニッシュしてしまいそう。肝心かなめのお金が無ければどうやったって旅行できないもの。歳を一つとるごとに病気が倍ほど悪くなっていく。今年に入り、不快音を聴いた時、心臓を突き刺されるような鋭い痛みが走り始めた。不整脈も生じている。起立時、眩暈で立っていられなくなるほどの吐き気を時々もよおすことも。ランニング中、意識が頻繁に0.5秒ほど失われる。まずい。このままじゃ何もできなくなってしまう。

時間が無い。やりたいことをやり尽しておかなくちゃ早晩動けなくなる。大学の指導教員からは「生き急ぎ過ぎ」と何度も何度も指摘を受けた。病状を何度説明したって”過敏すぎだよ”と笑うだけ。こっちは”生き急がねばならない理由があるから”毎日突っ走っている。むやみやたらに走っているわけじゃない。早くしないとこの世に何も残せず死ぬから色々と我武者羅にやっているんだ。

なのに…… どうしてこんな時までお金に困らせられてしまうのか。これほど酷い円安じゃなければ少しはお金の消耗を抑えられただろうに。そういえば今日、26回目の誕生日を迎えた。これで来年はまた一段と酷い症状に悩まされるだろう。音の病気を患って以来、誕生日が訪れても嬉しさを全く感じなくなってしまった。「生まれて来なけりゃよかった」と呟き、将来を悲嘆する日に変わった。

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