海外大学院への長期私費留学に必要なお金を捻出した方法【半年で300万円弱】

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。日本学術振興会特別研究員DC1としていただいている給与と科研費をフル活用し、D1の10月から3月まで英国・オックスフォード大学に長期留学しています。

半年の留学では200万円以上もの出費が。イギリスは世界の中でも物価の高さが屈指なので余計にお金が必要。お金が無ければ留学には行けない。幾ら「オレは/私は留学に行きたいんだ!」と意志が強くても留学は不可能。

この記事では、留学に関するお金の問題を解決すべく私が行使した手段を書いていきます。

  • 留学へ行きたくてたまらない方
  • とりあえず外の世界を見てみたい方

こうした方々にピッタリな内容なので是非最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

出費:多めに見積もり半年で300万円

半年で最低でも200万円もの出費が必要。200万円じゃギリギリの生活さえ不可能。そこで留学にかかわる全ての出費を多めに見積もり300万円としました。コレだけあれば日本と同様、イギリスでも健康で文化的な最低限度の生活を過ごせるはず。出費について、固定費と変動費とに分けたものを以下に示します。なお、最近の円安相場を考慮し180円/£で計算しました。

固定費:219万円

  • 渡航費:27万円
  • オックスフォード大学への機関在籍料 (£767/month):14万円/月
  • ホームステイ先へ支払う水道光熱費&家賃 (£675/month):12万円/月
  • 札幌の下宿の家賃と光熱費:6万円/月

変動費:55±6万円

  • 食費:4±0.5万円/月
  • 衣食住予備費:1±0.5万円/月
  • 旅費:25万円

固定費219万円について

そもそも「留学」を云々するなら海外へ行かなきゃ始まりません。オンライン留学など絶対にイヤ。現地に行って現地の空気を吸って雰囲気を堪能したいんだ。日本-ロンドンの往復渡航費がおよそ27万円。出発する半年前に予約したなら20万円以下で済んだんだけれども、出発2か月前までホンマに留学へ行けるか未確定だったので買えなかった。

”機関在籍料”というのは、オックスフォード大学にVisiting Student (客員学生)として在籍するために必要な額。オックスフォード大学の学位を取得するワケではないので授業料とはまた少し違う。近年、イギリスの大学の学費がどんどん高くなっていく傾向にあるらしい。来年はきっと14万円では済まなくなっているのではないかな?

ホームステイに12万円。「めっちゃ高いやん!」と思うかもしれないけれどもオックスフォードではコレが普通。むしろ、12万円で済んでラッキーだった方。光熱費込みで月々£700や£800も払わなきゃいけない物件が多いなか、月々£675で住処を見つけられたのは僥倖としか言いようがない。

なお、留学へ行く際、札幌の下宿は引き払いません。めちゃくちゃ気に入っている物件なのでどうしても手放したくはない。家賃と光熱費の基本料金として月々6万円が消える。痛い出費だが致し方ない。帰国後、札幌での生活が待っているから払わないワケにはいかないのです。

変動費55万円について

食費は月々4万円を想定。いくらスーパーで食材を買って節約したとしてもこれぐらいにはなる。札幌の物価の1.5倍ぐらいの値段。実際に現地でスーパーを覗いても感覚的にはコレぐらいの値段。たまには外食したり服を買ったり散髪へ行ったりすることもあるはず。その費用を賄うために『衣食住予備費』として1万円を拠出。その他、イギリスやヨーロッパ各地を旅行するため旅費交通費として25万円を用意。本当はもっとお金を使いたいけれども旅行が主目的じゃないから我慢。

出費についてはこのような感じ。次に、200万円もの大金を賄う収入源について述べます。

使えるお金:350万円

280万円の出費を賄うためには早めからお金の確保に向けて行動を開始しておくべき。私の場合、M1の5月から将来の留学に向け動き始めていました。使えるお金は合計350万円。その内訳は以下の通り⇩

  • 日本学術振興会特別研究員DC1の給与と科研費 (それぞれ月20万円/残額110万円)
  • 大学院修士課程で返済半額免除になったJASSO第一種奨学金 (100万円)
  • 学部時代からの節約生活でコツコツ貯めてきたお金 (20万円)

それぞれについて以下で説明します。

メイン:日本学術振興会特別研究員DC1の給与&科研費 (それぞれ月20万円/残額110万円)

M1の5月から動き出したのは学振DC1に内定するため。DC1に通ればそこそこの給与と潤沢な研究費をいただけ渡航できるから。我が研究室における学振DC内定者は未だ一人もいない状態。博士課程修了者さえこの10年間、輩出されていない惨憺たる有様。どれだけ頑張りゃDC1に通るか分からぬから必死で研究。終わりなき努力を必死に積み重ね、血を吐くまで徹底的に追い込み内定[研究室生活春夏秋冬 M2・9月編]

DC1としていただける給与と今年度の科研費の残高は計230万円。科研費は用途が限られ渡航費と機関在籍料にしか使えないものの、それら二つを合計すればちょうど110万円程度なので両者をすべて賄えた形。ちなみに科研費、海外渡航中の出張手当てを出せるらしい。オックスフォード出張の場合、一日につき約5,700円。滞在日数に5,700円を掛けると100万円もの貯金額に。科研費は国民の血税であります。国民の皆さんの労働の成果を私の懐に入れるわけにはいかない。よって、手当は頂きません。科研費を使って留学をしておいて100万円も貯金ができるなんて卑怯だと思うから。

かめ

留学で使えるお金を増やすために『若手研究者海外挑戦プログラム』にも申し込みました。残念ながら不採択C。学振DC1との併給ということで審査員の心証を害したようです

サブ:大学院修士課程で返済半額免除になったJASSO第一種奨学金 (100万円)

D1・7月、修士時代に借りていたJASSOの奨学金が返済半額免除に。「奨学金を返済する」と言っている時点で日本語がどこか変なのですが、それはまぁさておき、免除になった分の100万円を自由に使えることになります。実は私、 (せめて半額ぐらいは免除になるだろう)と、M1・7月から毎月33,333円の奨学金をつみたてNISAに入れていたのです。D1・9月までに元手と合わせて110万円ものプチ資産に。つみたてNISAって本当は20年もの長期投資をやるのが前提。しかし背に腹は代えられぬ。将来の利益を断腸の思いでひと思いに断ち切り全額売却[研究室生活春夏秋冬 D1・9月編]

プラス:学部時代からの節約生活でコツコツ貯めてきたお金 (40万円)

私は何も節約が好きだから節約をやってきたわけじゃない。マラソン大会のエントリー代や読みたい書籍の購入のためなど、自分が本当にお金を掛けたいモノへ100%お金を注ぎたいがための節約。B4の3月、コロナのバカ騒ぎが始まり、エントリーしていたマラソン大会が次年度へ順延 (実質中止)されてしまった。ランニングへお金を注ぐのを止めて留学へ目標をシフトすることに。コロナ騒ぎが長引くにつれて留学へ行けなくなってしまう可能性が増加。それでもいい。日本で座してくたばるよりかは『いつかは留学へ必ず行ける』との一縷の望みに懸けたかった。

5年以上もの節約生活のお陰で40万円の貯金ができた。留学の為にせっせと作ってきた貯金だから留学ですべて使い果たしたい。余らせるなど論外、微塵も考えていない。ココで使わなきゃおそらく一生使わないだろうと思うから。節約しすぎて彼女にフラれた。飲み会にも顔を出すわけじゃないから交友関係が極端に狭くなった。学生生活の全てを犠牲に”留学のため”と堪えてきた。コレで留学を思う存分楽しめなければもう生きている意味がない。

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