- 【64日目・リア幸50】12/4 (月):バスよ、頼むから置いて行かないでくれ!!
- 【65日目・リア幸45】12/5 (火):なんてこった。全身筋肉痛じゃないか…
- 【66日目・リア幸30】12/6 (水):なんでワシがポスドクへ実験の基礎知識を教えとるんじゃ…
- 【67日目・リア幸30】12/7 (木):懸案事項が全て解決。ココでまさかの実験開始、かと思ったが
- 【68日目・リア幸0】12/8 (金):ラボが全面水浸しに…
- 【69日目・リア幸-50】12/9 (土):26回目の誕生日、か
- 【70日目・リア幸-100】12/10 (日):「」
【70日目・リア幸-100】12/10 (日):「」
自分の目の前にはもはや、選択肢が一つしか残されていないように思う。この先待ち受けている苦痛を思えば、唯一の選択肢について微塵も思いを巡らしたくはない。書きたくもない。吐き気が止まらなくなるから。でも逃げてはダメだ。遅かれ早かれ向かい合わねばならないもの。
放浪するお金を有さない私には、どうやら【オックスフォード生活を6か月間続ける】以外に道が無いようだ。帰りたい。逃げ出したい。早く止めてしまいたい。こんな所に6か月居たって日本の1/100も研究が進まないもの。力の伸び盛りな博士課程の間にわざわざやるべきことじゃない。少し余裕の生まれた40~50代に道楽で適当にやるならいいけど。時間の無駄。お金の無駄。気力と体力と寿命の浪費。30代になれるどうかさえ分からぬ人間がやったら絶対に駄目だろう。
しかし、留学を途中で切り上げるにあたって (役所的に) 正当な理由が無い。
- 時間と体力の無駄だから
- 居続けたってほとんど研究が進まないから
- 放浪に行きたいから (行けないけれども)
これらは全て主観的、いわば『わがまま』とも捉えられかねぬ戯言にすぎない。懸案事項が解決し、ひょっとしたら実験を始められるかもしれない態勢が徐々に整い始めた。今の状態でイギリスを完全に去るのは自分の正義にそぐわない。週刊オックスフォードシリーズでは『武士道』をネタでぶんぶん振り回している。そんな私にも”恥”の精神はある。「ここで逃げるのは一生の恥だぞ!!」と誰かが耳元で叫ぶ声がする。
体調はさらに悪くなるだろう。ただでさえ既に悪いのだ。来年3月末まで正気を保っていられる自信がほとんどない。一線どころか死線を越えそう。放浪計画が頓挫し、未来への望みが断たれてしまったもの。”生きたい”と何ら思っていないのにあと4か月も戦い続けねばならぬのか。何のための戦いなんだよ… 考えたって仕方がないな。
あーあ。トルコに行きたかったなぁ… 放浪生活一か国目の渡航先は実はトルコだったのだ。イスタンブールで年を越す。アンカラを経、カッパドキアに行き、気球に乗ってこの世の絶景を眼に焼き付けるつもりだった。次はギリシャ。アテネのパルテノン神殿に行きたかった。バスで北マケドニア、そしてセルビアへ。グルグル東欧諸国を見て周ったのち、電車でイタリア。フェリーでスペインへ。高速鉄道で華麗にフランスをスルー。スイスやオーストリア、チェコやハンガリーに渡る。ポーランドとドイツにはそれぞれ1週間程度の滞在予定だった。クラシック音楽好きな身としてワルシャワ・ショパン博物館へ足を運びたかった。オランダ、ベルギー、ルクセンブルグを経、最後にフランス・パリからユーロスターでロンドンへ。3か月間の放浪の余韻に浸ってヒースローから日本航空で羽田へ……
いま書き連ねてきた計画が全て”おじゃん”だなんて本当に信じられない。あぁ、終わった。全てが終わった。一体何を楽しみに掲げてあと110日もイギリスで過ごせばいいのだろうか。「ラスト3週間だ^ ^!!」とスパートを始めた途端に期間が倍になった。ハーフマラソンが走行中にフルマラソンへ変わったような感じ。”勘弁してくれよ”とさえ思えない。思おうにも思う気力がないから。おそらくここからが本当の地獄。そのうちブログさえ書けなくなる。
でもなぁ。放浪には絶対行きたいんだよなぁ。実験なんて博士修了後、やろうと思えば幾らでも出来るだろうけども、放浪は時間のある今だけしかどうしてもできない営みなんだ。感受性の豊かな20代に放浪生活を送るのと、何もかもが枯れ果てた50〜60代に欧州旅行へ出かけるのとでは意味合いが違う。若ければ若いほど得られるものは多いのだから若いうちに行きたい。留学を途中で投げ出すことなく放浪にも行ける方法はないだろうか?幽体離脱して体だけオックスフォードに置いて行くのもアリかもしれない。空からお金が降ってこないかな… 虎の子の奨学金に手を付けてしまうのも一案かな…
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