調子が悪い…
昨日から症状が現れた熱があまり下がっていない。何だか喉がイガイガする。鼻が詰まって呼吸が困難。身体全体が火照っているようだ。日本に居るなら絶対に休むが、”せっかくセルビアへ来ているのだから”と無理をして動こうとする。昼食を抜いた昨日の反省を踏まえ、今日は昼食を食べてから動き始めることに。パンに目玉焼きとベーコンを挟んで平らげる作戦だった。しかし、ゲストハウスのIH加熱器があまりに弱々しい働き。白身を白くすることさえ諦め、液状のままの食事を決意した。
ベオグラード観光へ
まずは観光名所の一つ、【ベオグラード要塞】へ行ってみた。ベオグラード要塞は古代ローマ帝国やハンガリー帝国など、様々な列強が統治した歴史を持つ城。戦火の絶えないセルビアを象徴する血塗られた歴史遺産。スコットランド・エディンバラ城と歴史背景も雰囲気も似たような感じ。城の濠にはセルビア陸軍の大砲やミサイルの模造品が。カッコいいなぁ。日本まで一個、失敬しちゃダメかな…?
要塞の頂上からは、ドナウ川とサヴァ川の合流している様子が見られた。夜に見に行ったら綺麗だろうな。流石に体力が残っていなそうなので夜景観賞は遠慮しておくけれども。
お次は国立博物館へ。入場は有料。イギリスは大英博物館を始め、全ての博物館や美術館へ無料で入られる。どうもヨーロッパ全てに展示館無料の原則は適用されないようだ。セルビアの通貨を持っていなかった。ブルガリアレフやユーロでの支払い、クレジットカードでの支払いも不可だった。入りたかったがやむを得ない。見所をスルーするとしよう。
現代電気システムの生みの親、ニコラ・テスラの記念館があった。セルビアはニコラ・テスラが生まれた国。アメリカでの活躍が目立っているからアメリカ生まれかと思われがち。実はセルビア生まれらしいから後学のため、よく覚えておかねばならぬ。Google mapsでは”無料で入れる”と書いてあったので列に並んでみた。建物に入れる2人前の所で入場料 (セルビア通貨) を要求されていたのを見て、あえなく退散した。
セルビア最大の名所、【聖サワ大聖堂】に足を運んだ。正面玄関と思われる所が工事で封鎖されてあったので (空いていないのかなぁ…)とがっくり肩を落とした。何だか別の方向が賑わっているようだ。方角を変えて大聖堂への入場を目論む。あっ!なんだ、空いているじゃん♪”これ幸い”と中に入ってみた…
この世のものとは思えぬ金世界。眩いばかりの絵画と照明へ目が慣れるまでに10秒かかった。両目に飛び込んできたのはキリストを取り囲む聖人たちの大群像。こういう場所を天国と呼ぶのだろうな。前方や上方の絢爛な風景に思わず心が和んでくるのを感じられた。私はクリスチャンではない。地元の神社にはほとんど毎日、年に一度は伊勢神宮に足を運ぶ生粋の神道信者。教会や聖堂は異教徒の聖地。キリスト教の神様は異教徒の私に対してさえも影響力を及ぼすようだ。案外、どこの宗派の神様もひょっとしたら同じなのかもしれない。キリスト教やイスラム教、ユダヤ教それぞれで『神様』を呼ぶ名は異なるけれども、実はたった一つの同じ対象を指してそれぞれ別称を付けているだけなのかも…
セルビアの一部のバスは、電線へパンタグラフを付けて走っている。電線から供給された電気を使って静かにスーッと進んでいるみたい。電気自動車の新しい形を見た。技術革新が進めば、最終的に電気を車へワイヤレス供給しながら走れるようになるだろう。我々蓄電池材料研究者の更なる奮闘が不可欠。頑張らなくちゃな。日本に帰った後は爆速で研究を勧めよう。
Google先生にオススメされたセルビア料理屋の【Zavičaj】に行った (読み方は分からん)。セルビアはお肉料理で有名。とにかくケバブが美味いらしい。お店の前に掲示されたメニューを見ると、300gで1,500円強とまぁまぁの値段がする。値段はまだ良い。店員に「何肉を使っているのか?」と聞き、『羊肉だ』と返されて「分かった、ありがとう^ ^」と出て行った。私は羊の肉を食べられない。どうしても羊のあの匂いを体が受け付けないのである。トルコで行ったケバブ屋さんでも棒状の羊肉が提供された。アレは量が少なかったおかげで無事に完食できただけだ。300gは食べられない。食べている最中に吐き気を催し、最悪、残すという大惨事を招きかねない。
がっくりと肩を落として宿に戻る。今日もバナナ一本で勘弁するか… いや、流石に何か食べておきたいよな。バルカン半島での思い出がひもじいモノだけになるのはあまりに悲しすぎるだろう。ネットでレストランを調べると、ホテルのすぐ裏手に日本食料理屋があるのを発見して思わず”やった~!”と小躍り。すぐに身支度を整え、和食屋【MARUKOSHI】に入店した。
注文したのはtendon [1,650RSD, 2,100円]だ。甘エビやシイタケ、カボチャを油で揚げ、上から甘いソースがかけられていた。下には白米が輝きを放っている。久々の白米。それもジャポニカ米だ。いただきまーす!うん、美味しいわ、やっぱり^ ^
食べながら左手を見上げたら【禁煙】という見慣れた漢字があった。右手には塩・コショウ、しょうゆなど、コチラも日本らしい神聖な調味料が並ぶ。久方ぶりの日本を味わえた。今後、長期旅行中には日本食屋さんへ足を運んでみようかな。日本食、特に米を食べると元気の出方がまるで異なる。日本人の体にはパンより米の方が合っているのではないかと思った。
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