
バスでベオグラードへ


6時に起床し身支度を整える。あまりにソフィアが面白く感じられず、二泊する予定だったのを一泊繰り上げて出立。ソフィアの日の出は朝8時ごろ。07:40の出発時はまだ少し暗い。気温は一度。白い吐息が口から漏れ出す。遠くの山の山頂が白い。昨晩、雪が積もったようだ。都市部まで降り積もらなくて良かった。喉の調子が悪いようだ。どこかで体に悪さをする菌を貰ってきてしまったのかもしれない。


指定されたバスセンターに向かう。セルビア・ベオグラード行きのバスは朝9時に出発する予定。バスセンター内は朝にもかかわらず人でごった返している。ソフィアで人口密度が最も高いのはひょっとしたらバスセンターかもしれない。食べ物を買おうか少しだけ迷う。中途半端に食べてもお腹が空くだけだし、食べずに行こうかな。

乗るべきバスは9時に出る。複雑なキリル文字が読めないが、コレ (下から3番目)がベオグラード行きのバスなのだろうか?6番乗り場でバスを待つ。出発15分前にバスがやって来た。運転手さんに「ベオグラード行き?」と聞く。「違う。お前のバスはアッチから出るぞ!」と明後日の方向を指されてしまった。急げ急げ。早くしないとバスに乗りそびれてしまう。€40が無駄になる。流石に痛すぎるから勘弁してほしい。

何とかかんとかバスに間に合った。アルファベットでベオグラードと書いてあるからコレが正解だ。


座席はガラガラ。乗車率は1割程度。隣の席を自由に広々と使えた。スペースが大きいと適宜体を動かせ、エコノミー症候群を軽く抑えることができる。足元も割と広め。これなら6時間のロングライドも乗り越えられるだろう。


何もない原野を突き進む。1時間ほど経った頃だろうか、ブルガリアとセルビアの国境に差し掛かった。バスを降りて出国審査場へ。特に何も確認されることなくガチャンとスタンプを押していただけた。いよいよセルビアへと入国する。ベオグラードは見どころ沢山の面白い街だから安心して向かえる^ ^

直後、入国審査があった。コレに関しても一瞬でクリア。入国審査場の近くにトイレがあるのだが、2人の乗客をトイレに置いたまま、バスの運転手が出発しようとした。乗客が皆で「ストップ!ストップ!」と停車させて事なきを得た。運転手さんも人数確認ぐらいすればいいのに。国境で置いて行かれる乗客の心境たるや、絶望的だろう。


トイレ休憩は二回あった。一度目は国境を越えた直後、二度目は目的地に到着する直前のパーキングエリアにて。一度目のトイレでは入場料に50RSD (セルビアディナール)取られた。私はセルビアの通貨を持っていなかったので代わりに1BGN (ブルガリアレフ)支払った。トイレの出入りを管理する事務員さんがスパスパとタバコを吸っていた。コレが臭いったりゃありゃしない。小便をしながら何度も咳き込まされるほどだった。
ベオグラード散策


40分の遅延でセルビア・ベオグラードに着いた。駅の周囲は超栄えている。ソフィアを見た後だから猶のこと大都市に見える。何分か街を歩くと、ブルガリアよりも雰囲気がヨーロッパらしいことに気付かされた。野暮ったいロシアの影響が薄く、イギリスっぽい垢ぬけた要素を強く感じた。国旗は殆どロシアと同じ。だけれど街並みはイギリスっぽい。街を歩く人の顔も街と同様にやや華やかだ。セルビア、好きかも。今後の散策が楽しみになってきた。


街がいかにも西洋っぽい。まるで10日前まで滞在していたイギリス・オックスフォードのよう。イギリスよりも建物が綺麗だな。イギリスの建物はレンガでゴツゴツとしているけれども、セルビアの建物はタイルで凹凸がキレイに均されて平面的だ。メインストリートを抜け、急な下り坂を下って本日の宿へと向かう。今日の宿はどんな宿かな。ウサギ小屋のような狭さじゃ無ければいいが…


路地の片隅に宿を見つけた。二泊三日で4,300円ほど。プライベートスペースをカーテンで仕切れる良さそうな安宿を見つけた。agodaで支払いを済ませてから行った。しかし、フロントで『宿泊費を支払ってちょうだい』と言われてしまった。電子請求書を見せて「二重請求だ。おかしいだろ」とごねる。『知らないわよ。早く払ってよ…』と呆れられた。4,300円だから払ってやろう。万単位の損失だったら衆目を気にせず暴れていた所だ。
気持ちが悪い…
朝から何も食べていなかったせいだろうか。昨日から続く喉の違和感が悪化し、額にも微熱があった。あぁ、すごーく気持ちが悪い。フラフラする。食欲さえ全く出てこない。外の空気でも吸ったら少しは体調が良くなってくれるだろうか。冷たい空気を吸ったり吐いたりして体の中を冷やす作戦に出た。

宿の近所に教会があった。無料で入れるとの事なので入ってみる。



やはり、教会の中は別世界。まるで小宇宙かと見紛うほどの奥行きと幻想感を味わえた。セルビアの教会はカラフルなのだな。昨日見たブルガリアの教会の中はもう少し色合いが穏やかだったように感じられたけれども。今にもキリストや牧師が飛び出してきそう。活き活き&溌溂とした教会に少しだけ元気をいただいて退出した。
宿まで戻る途中で再び気分が優れなくなってきた。短期間で住環境を何度も変えているのが良くないのだろう。体が落ち着きを心から欲している。あと個室が欲しい。一人で気兼ねなく静かに休める場所が必要だ。安宿生活をしている間は個室を望むべくもない。物価の安い国へ行くか、はたまた日本に帰るぐらいしか選択肢が無い。耐えられるだけ我慢してみよう。もしどうしても無理そうなら途中で切り上げて日本へ帰ればいいじゃないか。
何か食べなきゃ死んでしまうかも。少々無理やり口へバナナを二房放り込んでおいた。僅かながら元気を取り戻したようだ。欠食がいけなかったのかな。明日は昼夜欠かさずしっかりと食べることにしよう。
コメント