【理系】修士就活と博士就活の4つの違い|両方体験して分かったこと

こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2)です。D1・1月より就活を始め、およそ一か月間で某大企業へ内定しました。

実は私、M1の頃、就職と博士進学とを迷って就活していた経験があるのです。この記事ではそれらの実体験を踏まえ、修士就活と博士就活はどう違うか色々記していきます。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

選べる業界の幅&求人数:修士の方が圧倒的に広い

修士で就職しようとする場合、文字通り全業界・全業種へと就職できる可能性があります。自分の専攻していた分野へはもちろんのこと、全く違った分野(理系→事務職など)への転身だってそう難しくはありません。キャリアを築き始めるのにギリギリ間に合う『二十代半ば』という年齢の若さ。大学である程度身に着け、高められた論理性や柔軟な思考力。企業にとって修士卒は扱いやすく、重宝したい人材なのです。企業側の修士人材の受け入れ経験の豊富さも手伝ってか、割とすんなり就職先が決定する傾向が見受けられます。

博士で就職しようとする場合、就職先は自分の専門分野にある程度縛られてしまいがち。誰かに縛られているというワケではなく、(せっかくここまで大学で頑張ってきたのだから就職先は自分の知見を活かせるところにしたい)との己の願望に縛られているのです。もう少し視野を広げれば他の業界への転身も可能だとは思う。そうと分かっていてもなかなか広い視野を持てないのだから辛いんです。博士課程があまりに忙しすぎるせい。自分の将来について落ち着いて考える暇(いとま)がありません。企業の受け口も多少は狭まってしまいます。そもそも博士人材の求人を出していない企業さえある。会社側も博士人材の扱い方があまりよく分からないのです。リスクを背負って得体の知れない宇宙人を雇うぐらいなら、地球人たる修士卒を多く雇いたい企業側の気持ちもまぁ、理解できます。

専門性の求められ度:博士の方が高い

修士卒の人材に専門性は正直、あまり求められていません。研究室で過ごした時間などせいぜい3年程度だし、そこで培われる程度の専門性には企業もさほど期待していないのです。企業が修士卒に求めているのは研究で培われた総合的な戦闘力。学力然り、粘り強さ然り、体力や直観力もまた然り。労働者(兵隊)としての基礎スキルの有無が重要なのです。会社に入って業務を覚え、スキルアップするための余地や伸びしろがあるのかどうか面接で確認されます。

博士卒の人間には専門性が期待されています。修士卒より2年、ないし3年以上大学で働いて培われた知見やスキルは、企業で即戦力として活躍するに耐えうるもの。研究に関する総合的戦闘力も修士時代より段違いに高まっています。企業はソレにも期待しているのです。入社後、ひとたび業務を覚え、大学と企業との違いに慣れた後は、第一線でバリバリ活躍して欲しいなぁ…と心から願っています。逆に大学院で一生懸命研究をやってこず、専門性を身に着けられなかった博士人材は何処からも求められません。研究こそが最強の就活。怠けず、サボらず、真面目にやっておくのが吉。

適性試験:修士は必須。博士は(場合に依っては)無し

修士就活の場合、一般応募でも推薦応募でも面接の前後に適性試験(SPI・玉手箱など)を受けなきゃならない場合が大半。あれ、相当面倒臭いんです。対策だけでかなり時間を取られ、普段使わない箇所の頭を使い、終わった後は何も手につかないほど疲労困憊に。中学入試経験の有無も点数に大きく反映されてしまいます。中学受験組はあの手の問題を大量に解いた経験があるのでスラスラと解けるけども、中学受験をしたことのない善良な市民は解き方を覚える所からスタートせねばなりません。相当不公平にできています。あと、大学受験を突破してきた人間の知能を改めて試そうとするのがそもそも嫌。

博士就活の場合、所によっては適性試験の受験が義務付けられていません。修士と同じく適性試験を課す企業もあるにはあるのですが、私の受けた大企業では内定前に適性試験を一度も受けずに済みました。SPI対策をしなくて構わないのは体の負担的に大変有難い話。学生の本分たる研究活動に邁進させていただき感謝、深謝です。修士の頃と違い、博士人材の知能に疑いを差し挟む余地など無いということでしょうか?まぁ、毎日あれだけ大変な思考活動を行い、知能テストで頭を測られなきゃならない人材など生まれるわけがないのですが…

競争相手:修士は学生。博士は魑魅魍魎

修士就活で戦う相手は自分と同じ学生です。学部生は学部生と、修士は修士の人間と戦う場合が大半。同世代が競争相手なので他人との差別化が容易。普段から何かしらコツコツと努力していれば、彼らとは異なる属性(学力、資格、特技など)を獲得して面接官の目をググっと引くことができるでしょう。もちろん、真面目に大学生活を営んでいた場合は、です。面接はこれまでに積み重ねてきたもの全てを一つずつ観察される場なので、院生になってから焦ってアレコレとやり始めても既に手遅れ or 付け焼刃で役立たない可能性があります。

博士就活で戦う相手はその他の魑魅魍魎が相手。自分と同じ博士学生はもちろんのこと、どこかの会社の社員さん、国内外の大学で研究員をしたあと企業人への転身を目論む方など、様々な属性を持つ方を相手に戦い、椅子を勝ち取らねばなりません。そもそも応募してくる方が多様。有する属性自体がバラバラなのです。他者との差別化をしなくても既に差別化出来ているという点では楽。我々は実務スキルで劣るがゆえに何か他の点を面接官さんに訴求しなくては採用されません。私の場合、【溢れんばかりの活力】と【実直性】、それに【専門分野と業務のマッチング度】の三本柱でゴリ押し。どうにかなって良かったです。皆さんも各々の強みを探し、面接時にそれを前面に押し出して企業へ猛アピールして下さい。

最後に

修士就活と博士就活の違いは以上4つになります。

個人的には修士就活の方が楽に終わらせられたと感じました。しかし、”博士”という属性が就活の妨げになったとも思いませんでした。理系博士の皆さん!就活は大丈夫です。真面目に研究に取り組んでいれば、皆さんを欲してくれる企業はどこかに必ず見つかります👍

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