
後輩が入ってきた

4月、私たちの専攻に新しい風が吹き込んだ。今年は4名の新4年生が研究室の仲間となった。昨年、M1として後輩を迎えた時は接し方に戸惑いを覚えたが、今年はその経験を活かせるようになっていた。
私たちの研究室には2名の社会人博士課程の方がいるが、専業の博士課程の学生は不在だ。そのため、M2の私たちが実質的な最上級生となる。研究室の雰囲気は最上級生次第で決まってくる。私たちがだらけては、研究室全体が緩んでしまう。後輩の手本となれるよう、気を引き締め直した4月だった。
学振DC1への挑戦

北大では、学振DC1の申請書提出が5月16日と定められていた。ゴールデンウィーク明けすぐの締切に向け、春休みから研究計画を丹念に練り上げてきた。自分なりの完成形に達し、指導教員の添削も受けた。
しかし、研究室には学振DC取得者の前例がない。指導教員自身も、DC取得の経験がなかった。不安が募り、じっとしていられなくなった私は、同じ専攻で博士進学予定の同期、Sくんに相談を持ちかけた。Sくんの研究室は、毎年のようにDC内定者を出している。
二人で申請書を見せ合い、意見を交換することにした。Sくんの申請書からは、確かな説得力が滲み出ていた。巧みな技法を駆使し、研究構想も夢に満ちていた。そんなSくんから「面白い申請書だね」と評価され、自信が湧いてきた。互いの健闘を祈り、情報交換の時を終えた。

論文への期待と不安
3月中旬、Cell Pressへの査読対応を期限ぎりぎりに提出した。通常ならこの段階でアクセプトの判断が下りるはずだが、1ヶ月近く何の連絡も届かない。この沈黙に、少しずつ不安が募っていく。アクセプトでもリジェクトでも、はっきりした返事が欲しかった。
特に学振DC1の申請書には、研究成果として論文の状況を記す必要がある。「査読中」と「アクセプト済み」では、評価が大きく異なってくる。しかもIF40以上の論文のアクセプトは、DC1内定にも直結するインパクトを持つ。DC1申請までにアクセプトされるのか。その結末は次月に持ち越されることとなった。

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