こんにちは。札幌と筑波で蓄電池材料研究を行う工学系大学院生のかめ (M2)です。
研究室生活春夏秋冬M2・8月編では、論文投稿と大学院試験に関するお話です。
それでは早速始めましょう
下旬:大学院試験当日朝に3回目のリジェクト。しかし…?
3回目の論文投稿はエディターの壁を無事突破し、論文が査読者の手に廻され査読が行われました。
論文投稿から約40日後、ACSより査読結果が届きました。
結果はまたもやリジェクトです。今回もまたダメでした。
このお知らせを受け取ったのがちょうど大学院試験の当日朝で、
試験を前に神様は私に何という試練を与えるのか…
と思い切り絶望させられました。
6月にRSCへ投稿した時と違い、今回は3人の査読者の中で2人がアクセプト前提の好意的なレビューをしてくれておりました。
ですが、残り1名がかなり意地悪な穿った見方でもって”アクセプトに相応しくない”との評価を下しており、コレが決定打となってリジェクトされたみたいです。
超一流ジャーナルの場合、査読者による最初のレビューで全員から『アクセプト相当』と認められなくては査読者とのやり取りにすら進ませてもらえません。
だからこそ”一流雑誌に論文が載る”というのはもの凄い価値があるわけで、IF50とか60のNatureやScienceに論文が載ったら研究者は大騒ぎするのです。
またリジェクトかよ。コレで僕のハイグレードジャーナルへの挑戦は終わったな…
肩を落としながらリジェクト通知メールを最後まで読むと、そこには目を疑うような文章が記されてありました。
なんと、
リジェクトされて今えらい残念な気持ちやろうけど、もういっぺんこの雑誌に論文を出してみいひん?再投稿ちゅう形で処理しますえ!(意訳)
といった風に、ACS側から再投稿の提案がなされたのです。
こんなこと、普通はあり得ません。一般的に、論文がリジェクトとなると、その雑誌のよりグレードの低い雑誌へ掲載しないかと誘われるか、そうした誘いもなしにあっけなくバイバイされるのが慣例となっているからです。
「なんでこんな提案してきたんでしょうね?」と指導教員に聞いてみると、
きっと雑誌のエディターがこの論文を気に入っているんだよ。だから(リジェクトするのは勿体ないなぁ)って思ったんじゃないかな?
と仰っていただき合点する事となりました。
指導教員と共同研究者さんとの打ち合わせの結果、ACS側からの再投稿の誘いに乗る決断を下しました。
こうして誘ってきたのだから、少なくとももう一度査読ぐらいはしてもらえるはず。今回とは違う査読者に論文が回るはずだし、(もしかしたらアクセプトされるんじゃないか?)と半年ぶりぐらいに希望を抱きました。
下旬:沈み切ったメンタルで院試を受ける
リジェクトの通知を受け取った1時間後から大学院試験が始まりました。
午前中は自身の研究内容について英語で記す試験(2h)があり、午後は研究計画のプレゼンなど口頭試問(40min)が行われました。
どちらもほとんど頭を使わず、過去最高に楽な入学試験でした。
そりゃ、専攻的にも日本人博士学生に一人でも多く入学して欲しいでしょうから、よっぽどヘタな事をしなけりゃ落ちるわけがないんですもの。
あまりに試験が楽すぎて、
こんな楽でいいのかな、もうちょっとちゃんと審査した方がいいんじゃないかな…?
とコチラ側が不安になるほどでした。
ピリピリムードを予想していた口頭試問は終始和やかなやり取りで進んでいき、いくつか今後の研究の糧となる貴重なアドバイスまでいただけました。
翌月9日に合格発表があり、ちゃんと問題なく合格しておりました。
入学手続きはM2の2月にあるとのことで、ひとまず試験を無事乗り越えられて肩の力が抜けました。
次回予告
研究室生活春夏秋冬M2・8月編はコレで以上となります。
次回、M2・9月編では
- 四度目の論文投稿。今度こそ…!
- 学振DC1に内定した!
以上2つのハッピーな話について書いていきます。
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