研究室生活春夏秋冬vol.25 M1・3月 査読でポジティブレビューが返ってきた!最終面接で内定GET!学会発表で会心の出来

こんにちは。札幌と筑波で蓄電池材料研究を行う工学系大学院生のかめ (M2)です。

研究室生活春夏秋冬M1シリーズ最終回の3月編では、先月に引き続き、論文と就活に関するアレコレについて書いていきます。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

初旬:ESを送った企業の方と札幌でランチディスカッション

”博士在籍中の練習”と銘打ってためしに就活をやってみると、コレが予想以上に面白く、ある企業(”A社”とします)へESを送って面接を受けてみようと思い立ちました。

最近のデジタル化に逆行するような手書きのフォーマットとあって少々戸惑いはしたものの、思っていることややりたいことを正直に書いてA社へお送りいたしました。

すると、3月の初旬、A社の人事の方から”A社の技術部の部長が「かめさんに会いたい」って言ってるんだけど会ってくれないか?”と書かれたメールが届きました。

どうもA社の技術部部長が北大OBであるらしく、(北大の後輩が受けに来てくれるなら内定を出す前に一度ざっくばらんに話したい)とお考えになったそうです。

まさかこんな所に北大関係者がいるとは全く知らず、驚いたと同時に嬉しくも感じました。

A社と強いご縁を感じ、お誘いに秒速でYes!!と返しました。

会食は札幌市北区の『クラーク亭』というレストランで行われました。

“会社の経費で払うから何を食べてもいい”とのことで、有難く、おいしそうなハンバーグを注文させてもらいました。

A社の部長は非常に気さくな方で、私の履歴書やESを隅々まで読んで下さり、「ウチに応募してくれてありがとうね^^」と何度も感謝の言葉をおっしゃいました。

部長から説明があった会社の業務内容も頭に思い描いていたものと一致しており、お互いにミスマッチがない点を確認できてひと安心といった所でした。

なお、部長へ「もしかしたら博士課程へ行くかもしれないのですが、そんな私でも面接を受けに行ってよろしいですか?」とおそるおそる聞いてみると、

部長

ぜひ博士課程へ行ってください。面接も来てくれてまったく問題ありません。卒業時にもし興味があればウチの会社に入社してね^^

と一瞬耳を疑うほど融通を利かせて下さりました。

部長も北大で博士号を取得なさったから博士号の重みをよくご存じで、私のD進を止めるどころか猛プッシュして下さりました。

そういうことで、私は春休み中の3月下旬にA社の面接を受けに行くことになりました。

事前にA社の説明会に参加していたため、その特典としていきなり最終面接となりました。

上旬:驚愕。査読でポジティブビューが返ってきた!

2月初旬に論文が査読へとまわり、それから1か月後の3月上旬に査読結果が返ってきました。

査読は合計3名もの査読者によって行われ、3人中2人がポジティブレビュー(微修正すればアクセプト)、残り1名がポジティブ寄りのやや厳しめなレビューといった形でした。

前の記事にも書きましたが、我々の研究チームはまさかIF42の学術雑誌の査読にまわされるなどとは考えてもいなかったわけであります。

それがヌルっと査読にまわされ、しかも今月に好意的なコメントが返ってきたのですから、発狂に大興奮など、てんやわんやの大騒ぎを演じていました。

査読返信期限は3週間後。この程度の短さというのは、雑誌側が暗に発する”アクセプト前提だよ”というサインなのです。

私も指導教員も、そしてつくばの共同研究者さんも、”これアクセプトされやつやん笑”とノリノリで査読対応に入りました。

なお、この査読の結果を受け取ったのが、前述したA社の最終面接を受けに関西へ行くため、札幌駅から新千歳空港へとJRで向かっている真っ最中のことでした。

ということで、まずは目の前の最終面接を無事突破し、査読対応はそれから行う運びとなりました。

中旬:最終面接で内定GET!博士修了後の入社もOK

面接2日前の土曜日に新千歳から飛行機で伊丹まで飛び、モノレールやら阪急やらを乗り継きA社の最寄り駅に向かいました。

そこからA社へと歩いて向かい、部長と合流して工場見学をさせていただきました。

その後、部長の計らいで私と同世代の社員さんとおしゃべりをし、入社前に解決しておきたい不安や疑問点などを洗いざらい解決しておきました。

A社って本当に温かくて優しい人ばかりで、論文執筆で疲れた私は社員さんのキャラクターに癒されっぱなしな一日でした(まぁ、工場見学で裏の顔なんて見せるわけがないでしょうが笑)。

工場見学の夜は繁華街のレストランでしゃぶしゃぶをご馳走になりました。

就活生相手にこんなお金をじゃぶじゃぶ使える企業って絶対儲かっていますよね?しかもA社は中小企業ですから、その儲かりようは尋常じゃないなと直感しました。

翌日の日曜日は終日フリー。関西に行く機会なんてあまりないので、どこか遠出して旅行に行くことに決めました。

(どこがいいかな??)と考えていると、遺跡好きの指導教員が「京都に”元伊勢”っていう神社があるんだよね~♪」と言っていたのを不意に思い出しました。

元伊勢とは、伊勢神宮の神様が永住先を定める前に仮住まいしておられた場所のこと。

指導教員曰く『行けばものすごい大きなパワーが得られる』とのことで、面接前にパワーを欲していた私にとってはピッタリな休日の旅先でした。

今滞在で向かったのは京都の元伊勢外宮と内宮の二か所です。

京都の福知山にある元伊勢までJRや京都丹後鉄道を乗り継ぎ向かいました。

やはり元伊勢とあってか境内には長い歴史を感じ、外宮・内宮とも鳥肌が立つほど底知れぬ大きなパワーを感じられました。

特に元伊勢の内宮はすごかった。本殿と正対した瞬間、本殿へ吸い込まれてしまいそうな気がして、つい足に力を入れて踏ん張ってしまうほど強い霊力がありました。

元伊勢外宮
元伊勢内宮

そして迎えた月曜日。13時半からの面接に備え、志望動機や社訓をスラスラ言えるように朝から何度も練習しました。

ホテル近辺でご飯を食べ、遅刻せぬよう早めにホテルを出てA社の工場へと向かいました。

A社へ着いたのは面接開始の50分前。さすがに到着が早すぎたので、近くの公園で『カラマーゾフの兄弟』を読み時間つぶしをしておきました。

面接開始15分前にA社正面のドアを通過し、人事の方に面接会場へ案内していただいた後は開始までじっと待っておりました。

面接は大変和やかな雰囲気の下でゆったりと進んでいきました。

人生初の対外面接とあってものすごく緊張したものの、私のヘンテコエピソードで面接官の社長さんを爆笑させた後は緊張がほぐれてリラックスできました。

逆質問で「もしかしたら博士進学することになるかもしれないのですが、博士修了後の入社でも構いませんか?」と伝えると、

社長さん

いいよいいよ!研究を思う存分楽しんでください!

と快諾して下さりました。

後に漏れ聞いた話では、技術部の部長が私のD進の意志を面接前に社長さんへ伝えて下さっていたみたいです。札幌ご来訪の件といい、部長には本当に感謝せねばなりません。

下旬:国内の電気化学系全国大会に参加

最終面接から2週間後に電気化学系の国内学会へと参加しました。

学振DC1内定のため、(この大会では必ず学会賞を受賞しよう)と固く決意して臨みました。

発表にあたり使用するスライドを発表予定日の一か月前に作成し、それから毎日自分で発表練習をしてブラッシュアップを重ねました。

3月上旬に行われた研究室内での発表練習にて”内容が多すぎてついて行けない”というツッコミを貰ったため、発表内容を幾分削ってプレゼン資料を大幅に作り直しました。

そして迎えた学会本番。私の学会発表史上最高にうまく講演できました。

12分間の発表時間でも3分間の質疑応答時間でも終始よどみなくハキハキと喋られました。

講演終了後、指導教員の下へ行って「コレ賞とりましたわ笑!」と勝利宣言するほどの出来でした。

実際、講演から3週間後、参加者の10人に1人しか与えられない【優秀学生講演賞】を学会から授与されました。

次回シリーズ予告

研究室生活春夏秋冬M1シリーズはこれにて完結となります。

B4、M1シリーズと同様、今後はM2シリーズも順次書いていくつもりです。

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