北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2)です。大学受験浪人期間の一年を河合塾広島校にお世話になりました。浪人期間の途中で燃え尽きても北大に引っかかったのは河合塾のおかげ。私の次席合格を手厚くサポートしていただいたのです。最初は自宅浪人を考えていました。結果的に予備校へ通っておいて大正解だった形。
この記事では、河合塾で一年間浪人した感想を記します。
- 塾や予備校選びでお悩み中の方
- 河合塾の雰囲気を知りたい方
こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
それでは早速始めましょう!
自らの自由意志に基づく選択を尊重・サポートしてもらえた
河合塾では何かを強制的にやらされたり叱られたりといったことは一度もありませんでした。模試や講習の強制受講は無し。『受けたいものを受けたらいいよ』とのスタンスで支援していただいたのです。
ネットで他塾の事情を調べてみました。中にはチューターさんの営業成績アップのため、『○○講習を絶対受けなくちゃダメ!』と生徒に受講を強制する予備校もあるみたい。学生からしたらチューターの営業成績なんて「知らんがな」でおしまいの話。しかし、もう後がない浪人生の身分でチューターから『○○講習を受けなかったら落ちるかもよ…?』と脅されるとつい怖くなってしまうでしょう。相手の言葉や姿勢に圧倒されて渋々「受講します…」と言ってしまいがちに。予備校の財政面の潤いと反比例する形で浪人生が消耗していきます。
河合塾にはチューターから学生へ何かを強制する文化はありません。自分に対しては一切何も強制されなかったし、友人からも何らかの強制に遭ったという話を耳にしたことがない。自らの自由意志に基づく選択を尊重して貰えました。勉強のペースも講習の受講頻度も全て受験生の裁量に委ねられていたのです。塾側は、学生側から持ち掛けられた相談には積極的に応じてくれます。勉強方針が定まった後のきめ細やかなサポートも嬉しかったです。
別校舎の夏期講習を受講できるよう手配してもらえた
チューターさんから『○○講習を受けなきゃダメ!』との強制はありませんでした。逆に自分の方から「○○講習を受けてみたいです!」と言ったら『イイねっ!』と快諾してくれました。そりゃそうです。学生が講習を受けてくれればくれるほどチューターさんの営業成績が上がるのですから笑。売上の何%かでもインセンティヴとして懐に入るのではないでしょうか。
私の場合、講習は夏に2コマだけ履修しました。広島校の講習ではありません。”札幌校”の講習です。
浪人生活の夏の時点で北大を第一志望にしようかなと考えていました。入学後に所属学部を選べる総合理系制度に魅力を感じたからです。浪人生活は辛くて仕方がない。もう後がない背水の陣を敷いて戦い抜かねばなりません。将来の進路について思いを馳せる時間的・精神的余裕が皆無。受験勉強以外のことで頭を使って考える暇がないのです。その点、総合理系なら大丈夫。北大に入って落ち着いてから進路を熟考できます。進路選択のミスが激減するでしょう。学びたい内容を学べるかどうか内部生に気軽に聞けるのもメリット。
北大を志望するにあたって一つだけ大きな問題が。人生でまだ一度も北大へ見学に行ったことがありませんでした。このままでは大学受験時に始めて北大を訪れることになりそう。言ったこともない大学を受験しても、入ってから(なんか違うかも)と違和感に気付いて辛くなるかもしれません。受験前にこの目で北大を見、雰囲気を味わいたかった。志望校にしても大丈夫かどうか入念に確かめておきたかったのです。
浪人時代の7月下旬、広島から札幌に飛びました。メインは夏期講習の受講。ついでに北大見学も行いました。講習の受講手続きは全て広島校のチューターさんにして頂きました。チューターさん曰く、受講手続きは少々ややこしかったようです。他校舎へ、まして広島から札幌まで講習を受けに行く学生は極めて稀。面倒な手続きをして下さったチューターさんには感謝してもしきれません。なお、河合塾札幌校から北大正門までは徒歩4分。講習を終えてから宿に戻るその足で毎日北大の中を歩きました。
ココで北大の雰囲気を確かめられたおかげで北大への入学意欲が高まりました。志望校へまだ一度も足を運んだことのない方は是非一度行ってみるのをオススメします
一コマ90分の講義は長い
良い事ばかり書いたら河合塾によるステルス・マーケティングを疑われてしまいます。河合塾の良くない所も幾らか記しておきましょうか。
河合塾は一コマ90分制。代ゼミと同じ。駿台(50分)の倍近い講義時間。同じ人から90分も同じような話をされたら途中でダレてしまいます。体力や集中力が続かなくなるのです。いくら講師の話が面白いといってもさすがに90分は長すぎる。せめて60分、長くても70分ぐらいの講義時間なら最後までダレずに聴き続けられるのですが。ちなみに【90分】の授業時間は、国公立大学の一コマあたりの講義時間と同じ。広島校の場合、一限目の始まる時刻や休み時間の長さまで北大とほぼ同様でした。
河合塾で90分授業に慣れていれば大学の長い講義も聴き続けられる。理論上は至極まっとうな話。実際の所、講義を聴き続けられません。加齢に伴い体力が加速度的に落ちていき、90分も椅子に座って話を聴くのが辛くなっていくのです。また、大学の先生は予備校の講師と違って物事を教えるプロではありません。授業が本っっっ当に下手クソなのです。教科書を読み上げるだけの先生もいます。小さな声量でぼそぼそと喋ってちょっと何を言っているのか分からない講師もいる。つまらない講義を90分聴いていたら眠気に誘われます。ぐっすりと眠りに落ち、気付いたら講義が終わっていたことも。
河合塾を始め、国公立大学も、講義時間を短くしていただけませんか?90分は長すぎます。駿台と同じぐらい短くしていただけると大助かりです。
束縛が緩すぎて止めどなく堕落していった人も…
河合塾は駿台と比較したら全体的に緩めの雰囲気。学生もチューターさんもふんわりとして落ち着いた感じ。チューターや講師の側から学生へ何かを強制的にやらせるという場面がありません。そう、束縛が緩いのです。コレがプラスに働く人もいるし、逆にマイナスへ働く人もいるでしょう。
自主的に勉強へ取り組める人間にとってこの緩さは本当にありがたい。自分で勉強を進めたいとき、誰からも邪魔されず驀進できますから。勉強内容を自分で決められる人間に細かい指示は不要。河合塾の場合、ちゃんと勉強して良い成績を取っている人間を放任してくれる文化が根付いています。一方で、この緩さが仇となり、止めどなく堕落していってしまった同級生も。誰かから『コレをやらなきゃダメよ!』と強制されない限り勉強せぬタイプは別の予備校がオススメ。河合塾には学生へ【勉強強制力】を発揮する仕組みがありません。自分を律して勉強できる人にとってはまるで天国のような環境。自らに甘く、簡単に怠けてしまう人間は成績を伸ばせず、逆にガクンと落としてしまうでしょう。
勉強強制力をお求めであれば、北九州予備校のような監獄的予備校へ通うのが宜しいかと。間違っても河合塾に通ってはいけません。もしどうしても河合塾へ通うのであれば、チューターさんに「オレがちゃんと勉強しているか見張っておいてください」と入念にお願いしておくと良いでしょう。
まとめ
コレ河合塾での1年間を振り返って、心から思うことがあります。「自由」って、実は両刃の剣なんですよね。
誰かに「これやれ!」って言われなくても自分で考えて勉強できる人には、河合塾の自由な雰囲気は本当に心地よいはず。「今日はこれを勉強しよう」って自分で決めて、マイペースに進められるんですから。逆に、その自由な環境に慣れすぎて溺れてしまう人もいる。誰かに背中を押してもらわないと前に進めない性格の人は、もしかしたら別の予備校の方が合っているのかもしれません。
結局のところ、どのような予備校を選ぼうが、受かるか落ちるかは自分の努力次第。河合塾の「緩さ」を武器に変えられるか、それとも足かせになってしまうかは己の頑張りにかかっています。これから予備校選びに悩む皆さん。ぜひ自分の性格とよく相談してみてください。私の経験が、その判断の参考になれば嬉しいです。
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