研究室生活春夏秋冬vol.57 D2・11月|高校時代の記憶がよみがえる。八年の時を経て過去と決別し、学会翌日にマラソン2時間42分

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6日:54回目の献血 (血小板献血)

9月末以来、1.5か月ぶりの献血。公金で全人教育を施された北大院生の血が騒ぎ、やむにやまれぬ大和魂でもって札幌駅前の献血ルームへと足を運ぶ。すぐには役に立たぬ基礎研究をやっている身として、目に見える形で役立てる献血は自身へ存在意義を付与してくれる。こんな役立たずでも世間の役に立てる。献血で心を宥められれば何の心置きもなく研究へと打ち込める。献血はアフリカへ学校を建てに行くよりも確実な社会貢献。今回で54回目。目指せ、100回!といった所。

今回の献血に備えて身体のコンディションを完璧に整えてきた。腕は腹筋ローラーと懸垂で強化。体幹は日々のランニングで鍛えた。今回はさらにふくらはぎまで鍛えた。ふくらはぎは第二の心臓。脚へ降りてきた血液を心臓へ送り返す役割を担う。ふくらはぎの強化は血流の促進に、さらには献血時間の短縮へと繋がる。献血時間のタイムアタックに挑戦だ。及第点は55分カット。目指すは50分切り、いや、45分切りかな。

献血イスに座っている間、備え付けのタブレットでYouTubeを開いて飼育ネコの動画を眺めた。ガッキーの動画を観ようか逡巡した。看護師さんに覗き込まれて赤面する可能性を鑑みてネッコーで妥協。愛くるしいネコを眺めてニヤニヤ笑う限界男子博士大学院生はさぞかし気持ちが悪かっただろう。看護師さんには申し訳ない。決していかがわしい動画を見ていたわけではない。笑顔は血流を促進してくれる。献血タイムアタックの一環としてネコを観た。そのおかげか、今回の献血ではサードベストの52分でフィニッシュ。献血後のダメージも極小。ふらつかず、足取り確かに家まで帰投できた。

献血へ行くと何かしら景品を頂ける。今回は鍋の元と歯磨き粉を頂いた。鍋の元はまぁ分かる。これからどんどん気温が下がるから鍋でも作って温まってくれ、との意図だろう。歯磨き粉の方はサッパリ分からない。なんで献血者へ歯磨き粉なんかを配るんだい?自分はそんなに口が臭かったのだろうか?家に七年半、冷蔵庫がなかった私でも、さすがに歯磨きぐらいはちゃんとやっているぞ。毎日はやっていない。週3回ぐらいはやる。一応書いておくと、歯磨き粉は使っていない。塩を口に含み、電動歯ブラシでゴリゴリ磨き、それで虫歯も歯槽膿漏も何も起こっていないから問題はない。歯磨き粉はクスリ臭くて嫌い。有害な高濃度のフッ素が含まれた流体を口に含むなど正気ではない。自分は小学生の頃から歯磨き粉を使っていない。虫歯など一度もできたことがない。虫歯の虫の方こそ、わざわざ限界理系男子博士大学院生の口内へ住みつくのはお断りだろう。

7日:積雪

前日夜からパラパラと雨が降っていた。夜中にそれが雪に変わったのか、今朝起きて外を見たら一面が銀世界。5cmぐらい積もっていた。気温が4 ℃と高く、やや解けた状態で歩道に積もったせいで靴の中がビシャビシャに。靴下が濡れてすごく気持ち悪い。指先がキンキンに冷えてかじかみ、感覚がなくなりかけた所で研究室へと到着。

紅葉が残る木の下へどっしりと雪が積もる。「秋さん、もう終わりですよ。はやくどいてください」と言わんばかりに問答無用で無慈悲な仕打ち。もう少し秋の時間が長くても良さそうなのに。コレでは春夏秋冬どころか春夏冬冬。冬ばっかりな一年間になってしまう。豊かな情緒を育むにはこれじゃダメ。適切な時期に適切な長さの季節が訪れてくれなければならない。たった2週間で秋が終わるだなんて辛い。せめて11月末までは落葉を見ながら秋を感じさせてもらいたかった。秋よ、どうか冬将軍に殴り倒されてくれるな。もう少しだけ頑張ってくれ。あと2週間でいいから耐えろ。

8日:わちゅごなダンス

ファイターズの変なダンスにまたもや引きずり込まれてしまった。

昨年は5月にきつねダンスへどハマりした。今年はわちゅごなダンスの虜になった。きつねもわちゅごなも中毒性が高すぎる。観て聴く麻薬とはこのことかもしれない。メロディーは一度聴くだけで耳にこびりつくほど印象的。ダンサーのファイターズガールが可愛くってつい何度も再生してしまう。ファイターズ公式YouTubeには、360度カメラで撮影されたわちゅごなダンス動画がアップロードされていた [動画]。周囲を美女に取り囲まれ、わちゅごなされる妄想をしたら素晴らしすぎて思わず鼻で笑ってしまった (←気持ち悪っ)

キツネダンスの意図はまだ分かる。ファイターズガールに耳としっぽを生やし、コンコンコンコンコンココンッと踊る様からはキタキツネを想起できる。ちなみに本物のキタキツネはそれほど可愛らしい存在ではない。アイツらに噛まれたらエキノコックスで死んでしまう。もしもキタキツネがこちらの方へ近寄ってきたら、その瞬間に全力で逃げねばならない。北大の北20条以北には野生のキタキツネが複数生息している。早朝ランニング中によく追い駆け回される。接近してきたら噛まれるのが怖すぎて、「コンコンコンコンコンココンッ!」と威嚇しながら全力で逃げるよう心掛けている。

わちゅごなダンスの意図はまるで分らない。いったい彼女らは観客へ何を伝えようとしているのか?だいたい「わちゅごな」って何なんだろうか。Whatcha gonnaをDeepLで調べてみたら、「どうするつもり?」という意味だそう。我々は果たして何の選択を迫られているのだろうか。ファイターズファンになるか、ならぬかの決断を迫られているのか。ファイターズファンにでもならない限り、エスコンフィールドから帰してもらえないのだろう。とんでもない話だ。エスコンってそんな場所だったのか。

私は生誕以来のカープファン。カープを愛し、カープにはさほど愛されていない男。マツダスタジアムへ観戦に行くと必ず負ける。3月に中日とのオープン戦を観に行った時はヒット2本の完封負けを喫した。それでもカープ以外の球団を応援するなど考えられない。選手を応援するときはスクワット。得点が入ると「宮島さんの神主が~」と歌う。七回裏が訪れる前に顔を上気させてジェット風船を膨らませる。カープが例の如くボロ負けしたときは「全部新井のせいだー!」とベンチへ野次を飛ばす。27歳目前の今になってファイターズを応援しろと言われても無理な話。ファイターズのファンにならなきゃ外へ出してもらえないエスコンへは決して行かれない。でも、こんな可愛い人たちがわちゅごなしている様子を眺められるなら一度ぐらいは行ってみれば良かったな。残念ながら今シーズンは終わった。来シーズンが開幕する頃にはもう広島で新生活が始まっている。

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