もし学振DC1に落ちていたらどうやってお金をかき集めて博士進学していたか?

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。日本学術振興会特別研究員DC1として国からお給料をいただいています。学振DC1に内定したおかげで健康で文化的な最低限度の生活を営めている。しかし仮に不採用だったら…と考えると身の毛のよだつ思いがしました。

そこでこの記事では、もし学振DC1に落ちていたらどうやってお金をかき集めていたか?と想像してみたいと思います。博士進学を検討中の学部生・大学院修士課程の学生さんにピッタリな内容なのでぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

「学振DCって何じゃらほい?」という方は先に以下の記事をご覧ください⇩

目次

もし学振DC1に落ちていたらどうやってお金をかき集めていたか?

もしDC1に落ちていたら以下の5つの方法で何とかお金をかき集めるつもりでした⇩

  1. JST発・月15万円のフェローシップ
  2. JASSO第一種奨学金を満額借りて全額返還免除を狙う
  3. M1の3月に内定をいただいた企業へ入社前提でご支援いただく
  4. 指導教員に土下座しリサーチ・アシスタント (RA)雇用してもらう
  5. 両親に土下座し家賃を負担してもらう

それぞれについて以下で詳述します。

月15万円のフェローシップで生死を彷徨う極貧生活

私が幸運だったのは、M1のクリスマスイブにJST発のフェローシップ(以下『FS』と略す)の内定を頂いていたことです。ちょうど私が本格的にD進を志向し出したタイミングでJSTが博士進学者対象のFSを創設し、その第一期生として採用されて金銭の問題を少し解消できました。本FSに内定すれば給料として月15万円の研究奨励金を得られます。学振DCの給料は給与所得なので税金が源泉徴収される (雇用関係はない…怒)のに対し、FSの給料は雑所得なので確定申告により納税額を減額可能授業料支払いは全額免除。加えて年間40万円の研究費をいただける。大東亜戦争末期の日本の如く、”ぜいたくは敵だ!”の精神でもって最低限の生活ぐらいは何とか営むことができる。しかし私の場合、博士課程修了までに大学受験浪人期間中[関連記事]に親に使わせてしまった学費や生活費・計100万円を返してあげたいと目論んでいた。自分の生活よりも返済が優先。ですから、もしFSだけでD進するなら生死を彷徨う極貧生活が容易に推定されました。

JASSO第一種奨学金を満額借りて全額返還免除を狙った

FSだけでは生活不可能。どこかから借金をしなくちゃ生活を成り立たせられません。そこで次善の策として日本学生支援機構 (JASSO)から月12万円借りるつもりでした。JASSOから借りられるお金は”奨学金”とは名ばかりの『学生ローン』。つまり借りたら返さなくちゃならない。月12万円を3年間借り続けたら432万円もの借金となるけど、博士課程で研究するには借りざるを得ない状況でした。このJASSOの学生ローンに関しては、修士課程と同様、返還免除規定が設けられています。返還減免申請者のうち45%が全額 or 半額の減免となるみたい。もしDC1に落ちたら返還全額免除を狙ってがむしゃらに研究していたと思われます。なお博士課程では『学振DC2の内定』も返還減免申請時の業績証明に使えるようです[関連記事]。DC2に通れば極貧生活から抜け出せるし、学生ローンの返還免除も近づくし、一石二鳥というワケですね♪

M1の3月に内定をいただいた企業へ入社前提でご支援いただく

お金は”なかったら困る”けれども、”ありすぎて困る”というものでもない。少しでも金銭的に余裕のあった方がより心を落ち着けじっくり研究できるでしょう。実は私、M1の3月に就活を行い、関西の某・中小企業から1社から内定を頂いております。その企業 (A社とします)、私の博士課程修了まで入社を待って下さるようで、「もし博士修了後にA社へ入ってくれるなら在学中の生活を支援してあげます」と部長から直々に言って貰えた。もしどーしても生活に困ったら「A社へ行きます」と早々に入社宣言してA社から支援を受けていたはず。博士修了後の進路が固定されるのは少々心苦しいものの、背に腹は代えられないということでA社からの支援を仰いだでしょう。

指導教員に土下座しRA雇用していただく&親に土下座し家賃を負担していただく

指導教員や親への土下座もお金確保の手段でした。

まず指導教員へ土下座をし、自身をリサーチ・アシスタント (RA)に雇用してもらいます。「論文いっぱい出すので助けて下さい…」と抱きつく泣きつく心積もりでした。RAへ雇用されると指導教員の研究費から私へ給料を渡せるように。『指導教員の雇われ従業員』として研究室で研究するという形。また親へ土下座し”家賃を負担してもらえないか”と交渉していたと思います。私の住処は共益費込みで月5.5万円の家賃がかかり、限られた収入から毎月5万円以上支払うのは大変困難なのであります。ひょっとすると月1.5万円で暮らせる学生寮へ引っ越ししていた可能性も。この場合にかかる引っ越し代は親に借り、後に返済する計画でした。

『博士進学辞退』という選択はしなかったと思う

ここまでDC1不採用時のお金のかき集め方について解説してきましたが、DC1に落ちても博士進学を止める決断はおそらくしなかったでしょう。

修士課程に入り研究の楽しさに開眼して以来、(楽しい、もっとやりたい!)と毎日のように研究室に通い詰めた。そんな幸せな日々がこのような形で終わるのは絶対に嫌だと思ったはず。どうしても研究を続けたい。お金が無かったらかき集める。研究者にどケチな財務省に文句を言っても物事は何も解決しない。だからカッコつけず、如何なる手段を行使してでも進学に要するお金を集めるつもりだった。DC1へ落ちてしまっていたら在学中の海外留学はおそらく難しかったでしょう。”海外を経験する”という自分の夢はまず間違いなく叶わなかった。でもそれならそれで”日本国内でやれることを探そう”と気持ちを切り替え頑張っていたはず (きっとめちゃくちゃ悔しいだろうけれども)。己だけの新しい境地を開拓していたのではないでしょうか?

最後に

『もし学振DC1に落ちた場合、お金をどうやってかき集めていたか?』はコレで以上となります。D進希望者の参考になる情報を届けられていたら幸いです。

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