学振DCの「科研費」の仕組みを知ろう【年間100万円の活用法】

北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2) です。日本学術振興会特別研究員DC1 (学振DC1) として国から給与と研究費をいただきながら研究しております。

学振DC1に採用されて得られる恩恵の一つが科研費の存在。科研費を貰えるおかげで博士課程での活動自由度が大きく向上するのです。私自身、科研費のおかげで学会へ行けたり実験試料を買えたりしました。JSTフェローシップでも科研費を貰えるけれども、フェローシップ以上の潤沢な研究費をいただけるのは嬉しいですね。

科研費、科研費と連呼しておりますが、学部生や修士学生の方には「科研費」と言われてもピンとこない方が多いかも。そこでこの記事では、学振特別研究員がもらえる「科研費」の仕組みについて解説します。

  • 科研費について知りたい博士進学前の学生さん
  • 学振DCやフェローシップに採用され、これから科研費を使う予定のある方

こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

学振特別研究員になると年間100万円程度の科研費がもらえる

学振DCに採用されれば科研費を受給できます。科研費の支給額は人によってまちまち。科研費の支給額は、所属分野と特別研究員採用時の審査結果によって決まるらしい。文系分野や実験を行わない自然科学系研究員は支給額が少なく、実験系の特別研究員は他の人よりも多く支給される傾向が。特別研究員の科研費支給額は最高で年額150万円。特別研究員全体で見た場合、およそ年額100万円程度もらっているようです。150万円満額もらえる人は特別研究員全体でも両手で数えらえるほど。私の場合の支給額は年額140万円でした。

研究関連なら使途は自由!備品や書籍、旅費交通費にも使える

科研費の使用可能な用途は様々。研究関連の支出であれば基本的に何でも使えます。たとえば備品。椅子や机、PCにモニターなどを科研費で調達可能。もちろん実験試料だって買える。100万円もあれば実験関係の消耗品で困ることはまずありません。学振DCの科研費は基金。次年度分の科研費を年度が替わる前に手を付けられます。100万円以上する高額な機器を科研費の枠内で手に入れられるのです。その他、専門書や学会の参加登録費、旅費交通費にも使用可能。私の場合、D1後期のイギリス留学時に科研費をフル活用しました。

かめ

科研費で購入した10万円以上の品々は「備品」扱いとなり、大学から支給される納品シールを貼ることに。備品は大学の所有物という扱い。研究室を離れる際、一緒に持って行けないので十分ご注意ください

科研費は立て替え払い方式。使った分だけ後から振り込まれる

科研費をゲットできたからといって銀行へ大金が振り込まれるわけではありません。科研費は科研費「枠」と言った方が正確。あくまでも使用枠にすぎないのです。研究のために年間100万円程度の使用枠を与えられる形。科研費は立て替え払い方式。使った分だけ後からお金が振り込まれます。科研費枠を使うには、一度、身銭を切らねばなりません。大きな支出があったときが辛い。口座残高がクレジットカード引き落とし分に足りるか結構ビクビクします。

科研費枠からお金を受け取るには、大学の外部資金担当へ振込申請を行わねばなりません。使途を報告し、領収書やクレジットカード明細を提出し、事務によるチェックを経てようやくお金が返ってきます。申請してから立て替え分のお金が振り込まれるまでに1~2か月程度。もう少し早くお金を返してくれないかなぁ… 金欠の時は返金までのタイムラグが本当にキツいんですよね。なお、明らかに変な用途だと返金が認められないことも。痛い思いを味わうのは自分。決して変なお金の使い方はしないように。

かめ

どうしても研究関連で私物を買いたければ、特別研究員の「研究遂行経費枠」で買うのが最善。経費枠で買ったものは大学院修了後も自分のモノとして使えますから

まとめ

学振特別研究員DCに採用されると受給できる科研費は、研究者としての活動の幅を大きく広げる重要な支援制度。支給額は分野や審査結果によって異なります。年間約100万円程度が一般的。最高で150万円まで支給される可能性も。

科研費は研究に関連する備品購入から学会参加費、旅費まで幅広い用途に使用できます。10万円以上の備品は大学の所有物となる点には留意しなければなりません。科研費は立て替え払い方式。支出から返金までに1-2ヶ月程度かかります。研究遂行に必要な私物を購入する場合は、別途設けられている研究遂行経費枠の活用を検討するのが賢明でしょう。

かめ

研究遂行経費について気になる方は以下の記事をご覧ください⇩

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