学振DCの申請書!どこから手を付け書き始めればいいか?

こんにちは!日本学術振興会特別研究員DC1のかめ (北大D1) です。学振DC1・DC2に申請する方は申請書作成に着手した頃合いでしょうか?申請書のテンプレートを見て「こんなに書かなきゃいけないのか…」と絶望された方も多いかと存じます。2年前、私がDC1の申請書を記した時も同じような感想を抱きました。そもそもどこから手を付ければ良いのかさえもちょっと不明瞭ですよね。東工大 (科学大)・大上尊師のスライドを見ても書く順番までは記してくれていないし…

この記事では学振DC申請へ挑む方向けに、私が申請書をどんな順番で仕上げていったかについて解説していきます。

  • 何からやり始めれば良いかがサッパリ…な方
  • 少しでも効率良く申請書を仕上げてしまいたい方

こうした方々にピッタリな内容なのでぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

まずは自己分析欄を記そう!申請書作成のリズムに乗ろう

© Japan Society for the Promotion of Science

学振DC申請書のテンプレートに目を通してみると、多岐に渡る内容を記さねばならぬことに思い至ります。

  1. 研究計画(研究の位置づけや研究目的、内容等)
  2. 自己分析(研究遂行力、目指す研究者像)
  3. 申請者の評価書(*本当は指導教員が書くはずなんだけれども…笑)

とにかくたくさん書かねばなりません。一つ一つのボリュームは2,000~3,000字。合計したら卒論を優に上回る文字数になってしまうでしょう。とはいえ、いつまでも手をこまねいている訳にも参りません。とにかく仕上げて出さなきゃ内定は100%取れませんから。

学振DCの申請書執筆に取り掛かる際、上記①~③の中で最も書きやすそうに思える項目から書き始めて下さい。私の場合は②自己分析から。業績を記すだけで一気に1/3程度のスペースを埋められました。加えて、寡黙で内省ばかりする性分だったためか、自分の長所や短所について既に十分な分析ができていました。容易に言語化が可能だったのです。スムーズに文章を作れ、自己分析欄の草稿を3日程度で完成させられました。

皆さんが取っ掛かり易いパートはもしかしたら①研究計画かもしれません。「③評価書なら2時間ぐらいで書けそうだな!」という方もいらっしゃるかも。いずれにしても、皆さんが初めに手を付けるべき箇所は【最も容易に言語化できそうなパート】。最初に苦労して文章を作るより、ひと通りサラっと作れてしまいそうな箇所から順番に取り掛かって下さい。ひとたび申請書作成のリズムを掴んでしまえば後は意外とスムーズに書けます。身も心も『申請者』になり切り、申請書作成のリズムに乗って軽やかに全部書き上げてしまいましょう♪

研究計画は書きたい内容を全て記し、あとで削って規定枚数に収めよう

© Japan Society for the Promotion of Science

学振DCに申請しようとする方は、「やりたいことが多すぎて申請書のスペースに書き切られない!」とお困りの方が多いのではないでしょうか?やりたい研究があまりに多すぎ、どれから手を付けようか迷っちゃう…ぐらいの勢いなはず。私自身、D進して博士課程の辛さを体感する前(M1の2~3月ごろ)までは目を輝かせて日々研究の妄想をしていました。研究の夢もよく見ていたなぁ。夕焼けの空や葉を落とした木々でさえ、実験データに映りました。研究計画欄にたった3枚…?せめて用紙は5枚は欲しい。そこをどうにか3枚に収めなきゃいけないのが申請書作成の厄介な所。

私が採った計画欄作成法は、【とりあえず書きたい内容を全て記し、後から削って削りまくってA4・3枚に収まるよう校正する】というモノ。いきなり規定条件にピッタリ収まる文章を作るのはプロ中のプロにしかできぬ所業。職人は陶器を作る際、ろくろで粘土を回転させながら少しずつ整形して器にしていきます。申請書も先に大まかな形だけを作り、後でエッセンスだけを抜き取り、最終的にそれなりの形にすれば良いのです。私が申請した2022年5月はChatGPTのような生成AIはまだ存在しませんでした。今なら書き殴った文章をGPTに放り込み、「A4・2枚に収まるよう要約・校正して」と指示を出せば簡単に計画欄が出来上がってしまいます。最も、AIに文章を校正させるためには、校正させる元となる文章を人間があらかじめ作っておかねばなりません。面倒臭いかと存じますが、最低限、それぐらいは横着せずやって頂きたいものです。

評価書作成は最後でOK!研究計画や自己分析欄でアピールできなかった業績や特技を記す

本来は申請者の受入研究者たる指導教員が評価書を作る事になっています。ですが、果たしていったい如何ほどの申請者さんが指導教員に評価書を作って貰えているでしょうか?えっ、”貴方はどうなの”って?そりゃ~、、、ねぇ笑。もちろんですよ。もちろん、自分で作りましたよあのクッソ忙しい先生が作ってくれるわけないじゃないですか作ってくれるだなんてハナから思っていませんでしたよ作るの本当に大変だったんだから、ねぇ、先生!!

申請書の作成は最終盤でOKです。申請者の力量が顕れない”はず (笑)”の評価書よりも、力量が如実に顕れる申請書に注力する方が理に適っています。評価書は申請書本編と割と似たような感じ。”申請者の強み”、”今後研究者として更なる発展のために必要と考えている要素”、それに”申請者の研究者としての将来性”について記す欄があります。

評価書の使い方としては、

  • スペースの都合で申請書本編にて記し切れなかった内容をアピールする
  • 指導教員-申請者間の深くて良好な信頼関係を暗に示唆する

この2つが挙げられます。

先述のように、申請書はまるでバチカン市国の国土の如く狭い。書きたい内容を書き殴っていたら瞬時に規定文字数を超過してしまいます。『本当は書きたかったけれども盛り込めなかった』文章が皆さんの中にもあるでしょう。ソレを評価書に記してください。大学に入るまでの勉強、学会に向けた努力、研究室で後輩の面倒を見てきた…などなど内容は何でも構いません。勉強とは関係ない内容を記しても大丈夫!私の場合、小4から高3、そして一浪時代の10年間やっていた乗馬のことを書きました。ウケを狙ったり羽目を外しに行ったりするギャンブルは止めておくのが無難。真面目な審査員が目を通し、「何じゃコイツは…」と呆れられる内容は極力避けて下さい。

評価書とは推薦書。推薦書とは、すなわち恋文評価書は指導教員から審査員に送られる「コイツは研究者に向いてるで。せやから採用してあげて!」とのラブレター。博士課程は指導教員との関係を損ねたが最後、修了が覚束なくなってしまいます。学生のことを深く理解し、適切な指導方針でもって学位取得までアシストするのが教員の仕事。審査員も博士号ホルダー。博士課程の大変さをよく分かっています。だからこそ、評価書にて「コイツ(申請者)と教員との間の関係性は大丈夫そうだろうか」と注意深く見ているのです。大丈夫そうなら応援してあげたくなるし、大丈夫そうじゃなければ(違う道/研究室へ進んだ方が良いんじゃないの…?)と採択を見送る可能性も。申請者自身の性格や行動原理を深く理解している”風に見える”文章を書いて下さい。審査員をホッとさせてあげられる文章を目指して作り込みましょう。

【毎年2月初旬以降】申請書のテンプレートをダウンロードしよう!

申請書を記す順番が分かったら、次は学振DC申請書のフォーマットをダウンロードしましょう。以下のページから学術振興会のサイトへアクセスできるので、2月初旬ごろから公開されている申請年度のフォーマットをダウンロードし、入手しておいてください⇩

かめ

上のページからは学振DC用と学振PD用の2つのテンプレートを入手できます。学振DCに申請する方は間違えて学振PD用の申請書を書かないように!

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