日本学術振興会特別研究員DC1のかめです。
学振DC申請書のテンプレート、もう開きましたか。開いた方はおそらく絶望しているでしょう。私も2年前、テンプレートを初めて開いたとき、分量に正直ひきました。研究計画を数ページ書かなければならず、自己分析欄もあり、おまけに評価書まで用意しなければいけない。ひとつひとつが2,000〜3,000字あるので、全部合わせると卒論を優に超える文字数になります。
分量も恐ろしいのですが、もっと困ったのはどこから手をつければいいのかわからないことでした。科学大・大上先生のスライドは申請書の書き方を丁寧に教えてくれますが、ただ、書く順番までは載っていません。内容がわかっても、白紙のテンプレートをどこから埋めていけばいいのか。順番が分からず、手が止まってしまう方は多いはずです。
私はDC1に採用されました。 申請書の作成は完全に手探りでしたが、振り返ると自分なりに効率のよい順番で書き進められたと思っています。当時の私と同じように順番で悩んでいる方の助けになればと思い、実際にどんな順序で申請書を仕上げていったかをこの記事にまとめました。
- 何から手をつければいいかサッパリわからない方
- 少しでも効率よく申請書を仕上げたい方
こうした方々は、ぜひ最後までお付き合いください。
かめそれでは早速始めましょう!
書きやすいパートから着手してリズムを掴む


学振DC申請書には大きく分けて三つのパートがあります。
- 研究計画(研究の位置づけや研究目的、内容等)
- 自己分析(研究遂行力、目指す研究者像)
- 申請者の評価書(*本当は指導教員が書くはずなんだけれども…笑)
全部書かなければいけませんが、いつまでも手をこまねいていても始まりません。とにかく仕上げて出さなければ内定は100%取れない。 動かしようのない事実です。
おすすめは、三つの中で一番書きやすそうなパートから手をつけること。私の場合は自己分析から取りかかりました。業績を並べれば1/3ほどスペースが埋まりますし、寡黙で内省ばかりする性分だったおかげで自分の長所や短所はすでに整理できていました。草稿は3日ほどで完成しています。
一番取っつきやすいパートは人それぞれでしょう。研究計画かもしれませんし、「評価書なら2時間で書けそう」と感じる方もいるかもしれない。どれでもいいんです。最初に苦しむより、サラッと書けるパートで助走をつけてください。 一度リズムを掴んでしまえば、身も心も「申請者」になりきれます。残りのパートも意外とスムーズに進むものです。
【研究計画】書きたい内容を全部書き、あとから削って3枚に収める


学振DCに申請するような方は、やりたい研究が多すぎて困っているはずです。研究計画欄はA4でたったの3枚。正直、足りません。私もD進前のM1の2〜3月ごろは目を輝かせて研究の妄想ばかりしていました。あれもやりたい、これもやりたい。せめて5枚は欲しい。
私が採った方法は、まず書きたい内容を全部書き殴り、あとから削ってA4・3枚に収まるまで校正するやり方です。いきなり規定枚数ぴったりの文章を書くのはプロ中のプロにしかできません。陶芸家がろくろで粘土を回しながら少しずつ形を整えるように、申請書もまず大まかな塊を作り、あとから削って仕上げればいい。最初から完成品を目指す必要はないんですよ。
私が申請した2022年5月には、まだChatGPTは存在しませんでした。今なら、書き殴った文章をGPTに放り込んで、「A4・2枚に収まるよう要約して」と指示を出せばかなり楽になるでしょう。
ただし、校正させる素材となる文章は自分で書かなければいけません。 AIは優秀な編集者ですが、あなたの研究のことはあなたにしか書けない。面倒でも、最低限そこは頑張ってください。
【評価書】最後に回してOK。本編に入りきらなかった内容を盛り込む


本来は指導教員が書くことになっている評価書。ですが、いったいどれほどの申請者が先生に書いてもらえているのでしょうか。えっ、私はどうかって? そりゃもう、もちろんですよ。もちろん自分で書きましたよ。 あの忙しい先生が書いてくれるわけないじゃないですか。書いてくれるだなんてハナから思っていませんでしたよ。作るの本当に大変だったんだから…
評価書は最後に回して大丈夫です。 申請者の力量が如実に出る研究計画や自己分析に時間を注ぐほうが戦略として正しい。評価書は本編を仕上げたあと、残った時間にササっと記しましょう。
評価書の使い方はふたつあります。
- 申請書本編にスペースの都合で盛り込めなかった内容をアピールする
- 指導教員と申請者の信頼関係を暗に示す
ひとつ目について。申請書本編のスペースが足りず、書きたかったのに泣く泣く削った文章が手元に残っているはずです。それ、評価書に盛り込んじゃいましょう。研究計画のことでも、自己分析でアピールしたい特技でも、研究にまつわることなら何でも構いません。
ふたつ目について。評価書は、指導教員から審査員へ送る推薦状、もっと直接的に言えばラブレター。「コイツは研究者に向いてるから採用してあげて」と審査員に訴えかける文書ですから、指導教員が申請者のことを深く理解している必要がある。少なくとも、そう見えなければいけません。
博士課程は、指導教員との関係が壊れたら、修了が覚束なくなる世界です。審査員も博士号ホルダーですから、博士課程の人間関係がどれだけ大事かはよくわかっています。だからこそ評価書を通じて、申請者と教員の関係が良好かどうかを注意深く見ている。申請者の性格や行動原理を深く理解している”風に見える”文章を目指してください。 審査員をホッとさせてあげられる文章が理想です。
【毎年2月初旬〜】申請書テンプレートのダウンロード
申請書を書く順番がわかったら、次はフォーマットの入手です。日本学術振興会のサイトから、毎年2月初旬ごろに申請年度のテンプレートが公開されます。早めにダウンロードしておきましょう。
サイトには学振DC用と学振PD用の二つのテンプレートが置いてあります。DCに申請する方は、間違えてPD用をダウンロードしないように。 意外とやらかす人がいます。よく注意してくださいね。




















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