こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (M2)です。4月から大学院博士課程へ進学するほど研究が好きなのですが、学部時代や大学院修士課程時代は(こんなの何が楽しいんだよ…)と研究をするのが辛くて仕方がなくなった時期があります。
この記事では、研究を楽しめない時に試してほしい3つのことについて解説します。
- もともと研究が好きだったけど急に楽しめなくなった学生さん
- 大学院に進んだものの、”実は研究が好きじゃなかった”と進学後に気づいちゃった学生さん
これらどちらのパターンの方でも参考になる内容なので、是非最後までご覧いただければと思います。

それでは早速始めましょう!
研究が楽しくない時に試してほしい3つのこと
研究をどうしても楽しめない時、以下の3つのことを一つずつ試してみていただきたいです↓
- 専門分野にまつわる実用書を読む
- 好きなことを思いきり楽しむ
- 先輩や指導教員に相談する
以下で一つずつ解説します。
専門分野にまつわる実用書を読む


大学での研究は基礎的なものが多く、自分が取り組む研究が一体何の役に立つのか想像をつけにくいもの。現代社会と研究内容の結びつきが不明瞭なため、(自分はいったい何をやっているのだろう…)と立ち位置を見失ってしまうのです。
私自身は『次世代型蓄電池用材料研究』という一見すれば華やかな研究テーマに取り組んでいます。しかし、やっていることといえば充放電反応中の電極(正極や負極など)付近での濃度変化観察なので、元素の組み合わせを変えて電池容量向上を目指すといった王道からは完全に逸れているわけです。だから頻繁に(この研究をやることに意味はあるのか?)と研究に疑義が生じていました。
やり甲斐を見出せなくなってしまい、研究が楽しくなくなったのです。研究へやり甲斐を見出すのに困ったときは、専門分野にまつわる実用書(ビジネス書)を読むのがすごくオススメ。実用書には
- 専門技術の活用例
- 当該分野の現在/今後の市場規模 など産業にまつわる話が詰め込まれており、普段大学で研究しているだけじゃ得られない角度からたくさんの情報を仕入れられます。
専門書は難しい文句が並んでいるので少々読みにくいかと存じます。しかし、実用書なら専門分野の門外漢でも分かるように書かれているため頭ヘスッと入ってきます。実用書を何冊か読めば(自分の研究ってもしかしてこの技術に活かされるのかな…?)と少しずつ勘が働いてきます。「こんな未来を作れたらいいな^ ^」と自然にやり甲斐が沸き上がってくるでしょう。
蓄電池材料研究をする私の場合、電気自動車や資源・エネルギー関係のビジネス書を読み研究へのやる気を取り戻しました。自分の研究が2~3年先ではなく、20~30年先を見据えた研究だということも分かったのです。実用書で仕入れた数多くの知識は、就活の時など、専門分野の素人さんへ研究背景を説明する際にめちゃくちゃ重宝いたします。暇があれば図書館で借りたり書店で買ったりして読書してみてください(≧∀≦)
好きなことを思い切り楽しむ


研究をさほど楽しめない場合、研究を一生懸命やりすぎガス欠になって燃え尽きてしまった可能性があります。私自身、学振DC1の内定をGETすべく研究室配属直後(B4)からフルスロットルで研究に邁進した結果、M2の8月に喀血するほどストレスをためて研究をやる意義を見出せなくなりました[関連記事]。
そんな時に無理やりアクセルを踏んでも体は絶対動きません。酷使した心身をゆっくり休めて疲労を回復させねばならぬのです。不器用な頑張り屋さんへオススメなのが、一度研究とは距離を置き、好きなことを思い切り楽しむことです。
対象は旅行、ランニング、映画鑑賞など何でもOK。思う存分趣味に興じて気分転換してください。研究をコンスタントに進めるには【休むこと】も研究と同様に重要です。
研究室へ行かなくていいのかなぁ… 休むのって何だか罪悪感あるんだけどなぁ… 真面目な人ほど”休み恐怖症”に苛まれてこのようにお考えになるでしょうが、休むのも仕事。休んで気力をみなぎらせ新鮮な気分で研究に取り掛かった方が間違いなく良い仕事ができますよ👍
私の場合、M2の8月末に燃え尽きたのち、研究ではなく趣味のランニングの方へ己のエネルギーを注ぎこみました。最初は研究に燃え尽きてしまっていたから体の状態も全く上がってこなかったのですが、徐々に気分がフレッシュになってくると心肺機能のパフォーマンスが劇的に向上していきました。おかげでM2・12月の沖縄100Kウルトラマラソンでは100kmを9時間1分で走れました[関連記事]。この大会で上手く走れて完全に自信を取り戻し、研究に対して前向きな気持ちを作れて今に至るというわけです。
指導教員や先輩に相談する


研究を楽しめないそもそもの原因は研究テーマと皆さんの相性にあるかもしれません。いくらこちらが(研究を頑張ろう!)とポジティヴに考えていたとしても、自分の持つ特質と全く合致しなければ研究が思い通りに進まないもの。
私の例では、研究室配属当初に与えられた研究テーマと相性があまりに悪すぎて、(なんや、研究なんて全然面白くないやん…)とショックを受けてしまったほどです。その研究テーマには手先の器用さやマルチタスクが必要なのに、私は超不器用だしシングルタスクしかできなかったため研究に楽しさを見出せませんでした。
(もしかして相性の問題じゃないか?)と感じた際、ご自身の指導教員や先輩に事情を説明してみるのを強くオススメいたします。こんなの我慢したって仕方がない。無理すればするほど心を病むだけですから、心の内を吐き出し「無理です」と伝えて解決策を一緒に考えてもらいましょう。
私の場合、指導教員に相談を持ちかけ、B4の6月に研究テーマを変えてもらいました[関連記事]。こうして巡り合えたのが蓄電池に関する研究テーマ。自分の性格にピッタリな内容だったので研究が著しく進捗していきました。
弱音を吐いたり研究テーマを変えたりするのは逃げでも何でもありません。大学や大学院を途中で辞めるよりかは何倍もマシだと思います。いつでも「辛いです」とカミングアウトできるよう、日頃から周囲と適切にコミュニケーションを取っておいてください。一つの相談によりラボライフが180度変わるかもしれませんから…
最後に
研究が辛くて楽しめない時に試してもらいたいことは以上となります。まとめると、
- 専門分野にまつわる実用書を読む:研究テーマが世にどう役立つのか知れば自然とやり甲斐が湧いてくる!
- 好きなことを思いきり楽しむ:研究を頑張りすぎて燃え尽き気味かも。そんな時は羽を伸ばしてリラックスしよう
- 先輩や指導教員に相談する:研究テーマがあっていない可能性も。テーマ変更により研究が楽しくなる可能性アリ
このような形になります。
たとえ今は研究が辛くとも、些細なことがキッカケで楽しくなってくる可能性があります。上の3つのヒントを参考に皆さんのラボライフを上向かせていってください^ ^
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