研究室にコアタイムがあるメリットとデメリットを3つずつ解説

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大化学系大学院生のかめ (D1)です。日本学術振興会特別研究員DC1として国からお給料を頂いています。

この記事では『コアタイム』のメリットとデメリットを解説します。今後研究室配属を迎える方にピッタリな内容なのでぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

当方、コアタイムの”ない”研究室に所属しています。(コアタイムがあった方が良いなぁ)とは一度も思ったことがなく、以下ではその点を承知いただき読んでもらえれば幸いです。

目次

コアタイムがあるメリット

研究室にコアタイムを設けるメリットは以下の3点になります⇩

  1. 規則正しい日々を過ごせる
  2. 困ったとき相談できる相手が必ずいる
  3. 外出強制力が働くので精神を病みにくい

以下で一つずつ解説します。

規則正しい日々を過ごせる

研究室にコアタイムが設けられている場合、当然ながらその時間帯は必ず研究室に居なくてはなりません。よほど特別な事情がある日を除き、毎日 or 決まった曜日の定められた時間にデスクや実験室での作業が必須。研究室配属前は大学の講義スケジュールを軸に毎日が動いていたでしょう。それが研究室配属後、今度はコアタイムを軸に毎日活動していくことに。コアタイムの恩恵により毎日が規則正しくなりがちです。寝る時間、起きる時間、食事を摂る時間など、ありとあらゆる様々な営みの秩序が保たれてきます。学生生活は乱れがち。飲み会や夜更かしをして体調を崩す事態もまま発生。その点、コアタイムのある研究室に配属されれば否が応でも生活リズムを正せます。会社員生活の練習にもなるし、生活リズムを整えたい方にコアタイム有り研究室はオススメです。

困ったとき相談できる相手が必ずいる

そもそも何故コアタイムがあるかといったら、研究活動をより効率的に進めていくためなんですよね。周囲の人間とのディスカッションにより研究は一層深まっていきますが、コアタイムがあればその時間帯に皆が居るのでディスカッション相手に困りません。研究者的には大きなメリット。その他、研究を頑張りたい学生さんにもメリットが。実験のこと、論文執筆のことなどで困って誰かに頼りたい時、周りを見渡せば相談相手が必ず一人は居てくれるのです。困りごとはなるべく早く解決できた方が嬉しいですよね?コアタイムが設けられていれば問題をすぐさま誰かに相談できる。研究を円滑に進められて誰にとっても好都合。

外出強制力が働くので精神を病みにくい

前述の通り、コアタイムは『研究室に居なくてはならない時間帯』の意。研究室に住み込んでいる人を除けば、家を出て研究室へ通学するプロセスが求められています。コアタイムが設けられていない場合、研究室へ行くのが面倒になると「行かなくてもいいかな」とついついサボってしまいがちに。通学するの、面倒ですもんね。家に居て良いのであれば家に居るほうが心地が良いし。

コアタイムの有る研究室の場合、自分の気持ちが今どうであろうと研究室へ行かねばなりません。快適で過ごしやすい我が家を飛び出しサバンナへと向かう必要があります。この『外出強制力』が見逃せません。定期的に外へ出て人と会話せねばならぬおかげで精神が病みにくくなっています。人間が心を病んでしまうのは、人との関わりが薄れて/断たれてしまった時が多いです。私自身、つくばへの2か月長期出張中に3週間ほど誰とも話さず精神をズタボロにした経験があります。強制的に研究室へ通わされれば最低限の人との関わり合いが保たれるでしょう。挨拶をし、ディスカッションをし、時々他愛もない雑談をするだけで心が随分と癒されるのです。

次の章ではコアタイムのあるデメリットを解説します。

コアタイムがあるデメリット

正直言って、私はコアタイム反対派。以下の3つの理由からコアタイムが嫌い⇩

  1. 生活の自由度が圧倒的に小さいから
  2. 心身を休めたくても休められないから
  3. 研究をせず”居るだけ”になる連中が必ず現れるから

以下で一つずつ解説します。

生活の自由度が圧倒的に小さい。もっと自由に暮らさせて!

コアタイムが設けられている場合、生活が研究室生活にがんじがらめにされちゃいます。自分が他にやりたい活動を我慢してでも研究室へ行かねばなりません。生活の自由度が小さすぎます。もっと自由に暮らさせて欲しい。我々学生は教員と違って研究の為だけに生きている訳じゃない。しかも給与を貰うどころか学費を”払って”研究室に居るのだから、いつ研究室へ行っていつ帰るかぐらい決める権利はあるはずです。

私の場合、B3で研究室を選ぶ際、第一志望の研究室はいま所属しているのとは実は別の研究室でした。第一志望の研究室をなぜ避けたかと申しますと、サラリーマン並みに長いコアタイムが毎日定められていたからです。そんな研究室へ配属されたら確かに研究は捗るでしょう。でも私生活ではストレスがたまり、満足な学生生活を送れなくなるに違いない。せめて”午後だけ”とか”月・水・金だけ”とか限定的な適用ならまだ我慢できたはず。毎日フルタイム労働をさせられる研究室のスタイルが嫌で今の研究室に。我が研究室の指導教員からは、研究室へいつ行っていつ帰っても何ら文句を言われません。”ちゃんとした研究を行うためにはリフレッシュも必要”というスタイルだから♪

心身を休めたくても休ませられない。常時戦闘状態でいつも苦しい

人間は負荷をかけ続けると心身ともに疲弊します。ヒトは決してロボットではないから体力・気力ともに消耗していく。限界へ達しそうになったら達する前に休むのが肝要。心は壊れたら元には戻らないし、壊れないよう適宜保全することが求められます。もしコアタイムが設けられていたら、 (今日研究やったらメンタルに堪えそうだな…)という状態でも研究をやらねばなりません。するとどうなるか?必ずぶっ壊れる。メンタルが不可逆的な塑性変形を起こして二度と元通りに治らなくなる。壊れても誰も治してはくれない。「自己責任でしょ」と突き放されておしまい。休みたい時に気軽に休めないからコアタイムは良くありません。非・研究者志望の学生が多い昨今、研究を最優先する研究室のスタイルでは畢竟、限界に至るでしょう。

コアタイムがあると心が”常時戦闘状態”となり危機に備える姿勢になります。いつも苦しい。めちゃくちゃ辛い。自分で自分にコアライムを課した経験があるから感覚としてよく分かるのです。とはいえ、サラリーマンは週5・9時~17時にて平気で (??) 働いていらっしゃいます。研究室学生に同じマネができないのは給与の有無の問題が大半。労働にお金が発生するのだったら学生だって頑張りますよ。無給で働き、無給労働をするための資金をアルバイトで稼がねばならぬ実状、「研究を頑張れ!」といくら言っても耳には虚しく響くだけ。コアタイムで学生を縛るのならばせめて給与を払ってあげて欲しい。お金で学生を支援出来ぬなら縛る資格は無いと思います。

研究をせず”居るだけ”になる連中が必ず現れる。雑談ばかりで周囲に無意識に迷惑をかける

個人的に一番大きな理由がコレ、”居るだけ”になるヤツが現れるから。『居ればいいんでしょ?』と席に座って研究をしない人が出現します。研究をするため研究室に行くのにゲームや雑談ばかりしているのだから面白い。研究の気晴らしにちょこっと遊ぶのなら全然構わないんだけれども、研究をせず遊んでばかりいるからコチラの士気がダダ下がりする。遊びたいならおうちでどうぞ。真面目にやりたい自分や他の人までどうして我慢せねばならぬのか。

ウチの研究室、我が指導教員のチームにはコアタイムがありません。しかしもう一方の教員のチームの方は実質、コアタイムが設けられている。もう一方のチームの学生さんも黙って座っているだけならまだ無害。学生部屋の中で突然、大きな声で雑談を開始するから迷惑極まりありません。あまりにうるさくて、院試勉強をしたいB4の子が大学図書館へ避難したほど。私自身、学生部屋がうるさすぎて別フロアの実験室へ避難し論文を書いている次第。

雑談をするなとは言いません。雑談の最中で研究に関する閃きが降りてくる幸運なケースもあるし、雑談自体がメンタルのヘルスケアに一役買っているからです。でもね、喋ってばかりじゃダメでしょう?口を動かさず手を動かさなきゃ成果は何も生まれません。コアタイムはその構造的に”居るだけ”の連中を生み出します。コアタイムが無い場合、研究をしたい人しか研究室へ来ないので皆が幸せになれるのです。

最後に

研究室にコアタイムがあるメリットとデメリットの解説は以上。皆さんの研究室選びの参考にしていただければ幸いです。

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