【研究中毒】休日も大学の研究室へ行って研究するメリットとデメリット

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (M2)です。研究室配属後、研究の面白さに開眼し、平日に加えて土日&祝日も研究室で作業しています。ウチの研究室がブラックだからというわけではなく、休日も気が付いたら研究室へ行ってしまうのです。まさに『研究中毒』。まるで薬物かの如く、研究室を求めてやまないのであります。

この記事では、休日も大学の研究室へ行って研究を行うメリットデメリットを解説します。

  • 私と同じく土日も研究室へ行っちゃう研究中毒の学生さん
  • そんな研究中毒者の気持ちを理解したい学生さん/学生のパートナーさん
  • 配属された学生を研究中毒にしたい大学教員様

こうした方々にピッタリな内容なので、是非最後までご覧いただければと思います。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

メリット

休日も研究室で研究するメリットは以下の2点です⇩

  1. 静かな空間で作業に没頭できる
  2. 先生に滅茶苦茶気に入ってもらえる

以下で一つずつ解説します。

静かな居室で作業に没頭できる

平日は研究室内を人の出入りの音や話し声が飛び交っています。作業に集中しようと思っていても不可抗力により集中を乱されてしまい、思い通りに研究を進められない人が多いのではないでしょうか?その点、休日は研究室へ行く人がほんの僅かしかいないため、雑音がほぼ存在しない状態です。もし他に人がいても、休日に研究室へ来るのは研究熱心な人が多いですから、平日のように居室が急にパーティーの如くうるさくならないわけであります。平日と休日とでは研究室内での過ごしやすさがケタ違い。私のように静けさを好む人にとっては休日の研究室がピッタリです👍

私の場合、平日よりも休日の方が作業の進捗が速いです。感覚的には平日よりも1.3~1.5倍速で仕事を処理できています。平日は雑音に煩わされないよう膨大なエネルギーを要する一方、休日は雑音がないため全エネルギーを作業へ振り分けられるのです。休日の方が作業が早く進むのに、休日の方が疲労度合いも少ないようにも感じられます。あまりに休日に作業が進むから、(毎日休日だったらいいのに…)と思ってしまうほど。春・夏の長期休暇は毎日静かで天国なのです^ ^♪

先生にめちゃくちゃ気に入ってもらえる

休日にも研究室へ行くと分かりますが、大学教員は休日にも出勤してデスクワークをしています。論文を書いたり大学の雑務を片付けたりするには平日だけでは到底終わらず、休日も研究室へ行って仕事をする必要があるのです。休日に学生が大学へ顔を出すと、先生が学生を研究熱心な『同志』と見なしてめちゃくちゃ気に入ってくれます。「お~、頑張ってるねぇ^ ^」と口に出して言って貰えたり、口には出さずとも心の中で(アイツは頑張り屋さんだ)とポジティヴな評価をしてもらえたりします。先生からの評価を上げておくと、平日の研究室内やゼミ発表時に先生からの当たりが柔らかくなるのです。不真面目な学生には厳しめな口調で指摘をするも、休日も研究室へ来る研究中毒な学生には優しく諭すような口調となります。

”先生に気に入ってもらえる”と書くと

後輩のAさん

先生のお気に入りになるためだけに休日を潰すのは嫌だなぁ…

と感じる方が一定数いらっしゃることと存じます。正直、ブログを書いている私自身も(先生からの評判を気にして大学へ行くのは嫌だ)と考えています。しかし、それでも敢えて休日に顔を出していると、何か良い成果を出した際に先生から嫉まれることが少なくなるのです。(あれだけ頑張っていたらすごい成果を出せて当たり前だよな)と、成果を”運”ではなく”努力の賜物”と見なしてもらえるわけであります。

教員の嫉妬ってすごく怖い。ヘタに仲を拗らせたら研究の足を引っ張られて学位を取れなくなる可能性がありますから。研究室サバイバル生活を生き抜くにあたり、このような嫌味のない形で普段から教員へ媚を売っておくことはすんごく重要となってきます。実力主義の世の中ですが、実力以外の『可愛げ』など人間的な要素も高め忘れないようにしてください♪

次に、休日にも研究室へ行って作業するデメリット(副作用)を解説します。

デメリット

休日に研究室へ行って作業すると以下の3つのデメリットを被ります⇩

  1. 「行かなきゃ」と強迫観念に駆られ、休まなきゃいけない時に休めなくなる
  2. 娯楽に疎い世捨て人になる
  3. 研究をやり過ぎた結果、一周回って研究嫌いになる

以下で一つずつ解説します。

「行かなきゃ」と強迫観念に駆られ、休むべき時に休めなくなる

”休”む”日”と書いて「きゅうじつ」と読む。本来は平日にためた疲れやストレスを解消するための時間なはず。そうした貴重な憩いの時間も研究すれば間違いなく研究が進みます。休日に休んでいる人とは週2日以上稼働時間が違うわけだし、休日に少々ゆったり研究をやっても平日のみコースの方々とは一週間毎に差をつけられるのです。一方で、休日も休まず働いていると、少しずつ心が疲れてきます。それでも無理して研究室へ行けるうちはまだマシな方なのですが、研究中毒が重症化すると(研究をしたい!でもやる気が出ない…)とガス欠のような状態になります。もっと重症化したのがいわゆる『燃え尽き症候群』です。心を虚無感が占めて何もできなくなって研究の進捗がピタリと止まります。

休日出勤で速い研究ペースを維持していると、周囲からは”その速いペース”がデフォルトと勘違いされます。頑張っている側が「いやいや、無理して飛ばしているだけだよ💦」と反論すると、(休日にまで研究室へ行く人は生粋の研究好きだなのから、研究で”無理する”なんて感覚はないはずだ)と輪をかけて誤解されがちです。周囲からの”頑張り屋さん”との評判を傷つけたくない場合、たとえ(もう無理だ、休みたい…)と気持ちが苦しくなっていても、(いや、ココで行かなきゃダメでしょ!)と強迫観念に駆られます。休まなきゃいけない時に休めなくなり、燃え尽き症候群へまっしぐらというわけです…

燃え尽きそうなのを察し、頑張って(?)一日休んだとします。すると週明け、誰かから「昨日はどうしたの?」と休日に来なかったことを心配されてしまうんです笑。研究中毒者さんが燃え尽きを回避するには、周囲の声を気にしない力や強迫観念を追い払う力が本当に大切になってきます。『二週間に一日は絶対休む』など休日を設ける努力が必要です。

娯楽に疎い世捨て人になる

土日も研究室へ通っていると、間違いなく世間のトレンドに鈍感になります。研究室メンバー同士の会話にはついて行けなくなりますし、それがつまらないから益々殻の中へ引きこもって世情に疎くなるのです。ドラマや芸能人なんて知りません。昨日のニュースなんて分かりません。流行りの食べ物なんて知る由もない。自分にとって必要な最低限の情報だけ備えた大学版・世捨て人が完成します。

世捨て人になった当人は実はあまり困っていません。困るのはその周りの人で、周囲は(何を話題に話しかければ食いついてもらえるのだろう…?)と途方に暮れてしまいます世捨て人サイドとしては自身の研究を肴に話しかけてもらえると大変嬉しく思うんです。しかし、いかんせん”世捨て人”ですから『話しかけるなオーラ』が全開であり、大好物の研究話をエサに釣り上げたくともエサを投げ込む事すら尻込みされてしまいます。

世捨て人は娯楽が苦手、いや”嫌い”と言っても過言ではない。たとえ研究中毒者のあなたが今は遊びが得意でも、研究へ純粋な心で没頭すればするほど遊ぶのが煩わしくなってきます。遊びって『刺激』が強いんです。サイエンスと比べて脳がヒリヒリしてしまい、遊んでいるうちに気持ち悪くなって遊びたくなくなってしまいます。休日に研究室へ行けばこうした副作用に見舞われます。くれぐれもご利用は計画的に。何度も週末へ登校すると私の如く、社会不適合者になり果てますよ。

研究をやりすぎて一周回って研究嫌いになる

一つの研究テーマを極めていくと、自分の研究テーマを嫌いになっちゃう瞬間がある時ふと訪れるのです。それまでは研究が大好きだったにもかかわらず、次第に自身や装置の限界が見えてきて(やれることが限られているな…)と壁に直面します。研究をする動機自体が揺らぐケースも。私自身、次世代型の蓄電池を実現すべく日々材料研究に勤しんでいるものの、(電池ってエコなのか?核融合で無限に電気を作れるようになったら電池なんていらなくない…?)と研究のモチベーションにヒビが入りかけました。

こんな悩みって、研究とがっぷり四つを組まなきゃ浮かび上がってこないはずなんです。休日まで研究室に行く真面目な人ほど研究嫌いになりやすいので、嫌いになるほど追い込まないよう十分注意してください。

最後に

休日にも研究室へ行って作業するメリットとデメリットは以上となります。この記事を参考に、本当に休日も研究室へ行くべきか否かしっかり検討してください。

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