【研究室生活】お金も業績量も周りと比べるな!自分のやるべき課題に集中しよう

北大博士課程を一年短縮修了した技術開発エンジニアかめです。

研究室生活では数多の理不尽な出来事に遭遇しました。博士課程修了まで走り切られたのは、学位が懸かっていたからにほかなりません。何も懸かっていない状況では続けられなかったでしょう。頑張る気が失せていたはず。どうしてお金を”払って”こんな目に遭わなきゃいけないんだとバカバカしくなって。

同じ研究室の中ですら格差がありました。金銭報酬面での格差。実験環境面での格差。最後の最後には悟りました。「ああ、自分はこういう悲劇に遭う運命だったんだな」と。現状に不満をためて抗うよりも悟った方が楽でした。悟りでもしなければやっていけません。アカデミアで生き残れるのは、鈍感な人か、超強靭なメンタルの持ち主だけ。

この記事では、研究室生活で不満をためている方に「自分と他の人を比べるな」という話をします。苦しくてたまらないのは、自分の境遇を無意識に他人のものと比較してしまうから。ラボライフを苦しまず楽に乗り越えたい方。苦しみから解き放たれたい方。こうした方々にピッタリな内容です。ぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

お金の多い・少ないを比べるな

生理的欲求に直結する「お金」

研究室生活で他者と最も比べてはならないのは懐事情。自分と同期や後輩の収入を比較してはいけません。

お金は、マズローの欲求階層説における「生理的欲求」と直結します。
お金が十分ある方は容易に生理的欲求を満たせるでしょう。生理的欲求の上の「安全欲求」や「所属と愛の欲求」を満たす方へ力を使えるのです。手持ちのお金が不十分な方は生理的欲求すら得られません。ご飯を食べられない。損耗した衣類を買い換えられない。洗濯ができない。このように、お金がないと生活に支障をきたします。より高次な欲求を満たすどころではなくなるのです。

研究室生活においてお金を貰える場面はいくつかあります。代表的なのは奨学金。奨学金には、借りたら後で返す貸与型と、貰ったお金がそっくり自分のものになる給付型の二パターンがあります。

貸与型は貸与型でも、JASSO第一種奨学金には返還免除制度があります。もしも研究業績が専攻内の上位数割に入れば、貸与額の半額か全額が返済不要になるのです。全額免除なら数百万円がポケットマネーに。全額不免除なら全額を返さねばならない。ここでものすごい格差が生じます。私は修士在籍中に借りていたJASSO奨学金が返還半額免除に。全額返還免除になった知り合いとは100万円もの資産差が生じました。

給付型奨学金でも差が生まれます。
全員が応募できる制度ならまだ良いんです。応募して落ちても実力不足だったんだなと割り切られるから。奨学金にも女性枠があります。女子しか応募できない奨学金。三菱重工の女子奨学金 [リンク]なんか凄い。月12万円を二年間も支給するみたい。二年間で288万円も貰えるんですか。どうして女子だけ? いいなぁ。心底羨ましい。

比較しても辛くなるだけ

自分はお金が無さすぎて、アパートに冷蔵庫も洗濯機もない極貧生活を営んでいました。少しでもお金を多く手に入れるべく、専攻内の学生で一番業績を挙げたのです。

しかし、自分は報われませんでした。JASSO奨学金は全額免除にならず。給付型奨学金には不採用。研究室の中やラボ主催の飲み会では、指導教員や奨学金に採用された学生が投資話で盛り上がっている。一方でこちらは生理的欲求すら満たされていない。ひもじすぎて地獄みたいな心情でしたね。お金が無くて、あまりに情けなくて、涙を堪えるのでやっとの有様だった。

ラボの中で過ごしていたら、金銭面で圧倒的格差が広がっていくのが分かります。お金の多い・少ないは、人間の生存機能に直結する問題です。そんなところで差がついたらたまったものではありません。現実は非情。差は、望むと望まぬとにかかわらず、着実についていくのです。自分と他の人の金銭事情を比較していたら心が持ちませんよ。自分は自分。他人は他人。お金に恵まれないうちは自身が稼げそうなところで着実に稼げるよう集中していきましょう。

かめ

周りがお金の自慢話をし始めたときは、席を立って違う場所に行くのがいいかもしれません。不快な情報を耳に入れぬように。感情の荒波を立てぬように

業績量の多い・少ないを比べるな

研究室配属後に学生へ渡される研究テーマはそれぞれ特性が異なります。実験は簡単だが、まとまった成果にするために大量の実験が必要なテーマ。実験は難しいが、もし成功すればそれだけで学術論文を書けそうなテーマ。簡単な実験を少しやるだけでいいテーマ。難しい実験を明けても暮れてもやり続ける必要のあるテーマ。それぞれのテーマは特色が全く異なります。「研究」とひと括りにまとめられぬほど多種多様なのです。

各人の持つ研究課題の特性は異なります。よって、同じ実験量をこなして得られる成果の量に差が生じるのです。努力だけでは埋められぬ差ができてしまう。テーマが違うだけで成果量も違う。当然、論文出版数や学会発表数にも差が出てくるでしょう。業績量の差は、上記奨学金の内定確率へダイレクトに響いてきます。博士進学時に応募する学振DCの内定可能性にも影響しかねません。大学や国研の研究職応募時に業績量は不可欠。業績の優れた者から順に勝ち抜ける。業績が無ければ一生ポスドクから抜け出せない。

業績量に差がついてしまうのは仕方がありません。研究テーマの性質に基づき生じた自然現象と言わざるを得ない。どれだけ頑張って研究しても十分な業績を得られぬ可能性はあります。同じ時期に研究を始めたはずなのに、気付いたら同期に業績量で倍近く突き放されている事態だって起こりうるのです。それはね、もう、どうしようもありませんよ。テーマが違えばアウトプット量も違ってきて当たり前。

業績量の多い・少ないでお悩みの方。「仕方がない」と割り切って考えてください。あなたのせいではありません。あなたの努力不足のせいではありません。テーマのせいです。テーマの性質が悪い。テーマのせいにして楽になってください。自分と周りを比較するのではなく、自分の研究を進捗させるのに神経を使ってください。

周りと比べるな。やるべきことに集中せよ

お金にせよ、業績量にせよ、実力以外の部分で差が生じます。イチイチ思いわずらっていては神経が持ちません。持って生まれた素質も、研究テーマも、時の運も何もかもが違う。差は、生じて当たり前。こう受け入れられたら気が少し楽になります。

お金がないからといって人間的に劣っているわけではありません。研究業績が少なくても、研究の価値が低いことにはならないでしょう。皆さんの価値は他者との比較から見出されるのですか? 違いますよね。皆さんの価値は皆さん自身が決めるはず。他の人など関係ない。自分で自分の点数を付ければいいのです。

周りと比べないようにしましょう。目の前にある仕事へ徹底的に意識を集中してください。意識をひとつの対象へ埋没させるのです。他人のことなど気にならなくなりますよ。私は研究室で一番辛かったとき、「辛いからこそ研究を頑張らなきゃ」と決心して作業へ没頭しました。おかげで博士課程を一年短縮修了できるだけの業績を集められたのです。嫌だった研究室から一年早く離れられた。本当に嬉しかったです。修了式の日はガッツポーズが止まりませんでした (*≧∀≦*)

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