こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2)です。先日、修士課程進学時に内部進学した理由について記事にまとめ、当サイトへ投稿しました↓
この記事ではその続編として、大学院博士課程進学 (D進)時に内部進学を選んだ理由を3つご紹介します。内部進学か・外部進学かでお悩みの方にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
それでは早速始めましょう!
D進時に内部進学を選んだ理由
私が博士課程進学 (D進) 時に内部進学を選んだのは以下3つの理由から⇩
- 今の環境がこれ以上望めないほど研究に最適だったから
- 3年で修了できなさそうな気がしたから
- 札幌や北大が好きすぎて離れたくなかったから
以下で一つずつ解説します。
今の環境がこれ以上望めないほど研究に最適だったから
私は北大生ながら、筑波の某・国研で研究させてもらっています。年に3~4回、1~2か月間ほど筑波へ行ってデータを集める形。国研には北大にはない世界最高峰の巨大顕微鏡や高性能分析機器が大量にある。たった数か月の滞在で学術論文2~3報分ものデータを得られます (最も、実験スケジュールは滅茶苦茶ハードですが…)。私一人だけが使わせてもらっている装置も2,000万円近くするらしい。最高の研究環境に身を置けている現状、「わざわざ外部進学する必要あるの…?」と外部進学に疑問符が付いてしまったのです。
もしも外部進学すれば、現在のように国研へは入り浸れなくなります。指導者の格や学生の質ではランクアップを果たせたとしても、肝心の研究環境が整っていなければ満足に実験を行えません。D進する自分に外部進学は果たしてプラスに作用するのだろうか?私にとって答えは「否」。マイナスだろうと考えました。恵まれた環境を脱し、ハングリー精神を養う考えもある。しかし、(わざわざ博士課程で過酷な環境に身を置き、途中でドロップアウトする可能性を高めずとも良いだろう) との判断に至りました。
それに、私のやりたい研究を指導可能な先生が日本に1人しか居ませんでした。国研でお世話になっている研究者さんしか分野に精通していなさそうなのです。外部進学すればその先生のもとを離れることに。他大学の院で的確な指導を受けられなさそうな予感がしました。人と環境の両方とも揃った今の場所から移る理由がない。見つけようと考えてみても見つけられなかったのです。
外部進学したら3年で修了できなさそうな気がしたから
私の性格上、物事を快調に進めるまでにかなりの時間を要します。理解が遅い。全体像や対象の詳細を理解するまで1年近く要する傾向が。大学から始めたランニングでは最初の1年はケガと伸び悩みの時期でした。研究でもB4の頃、自分がいま何をやっているのかサッパリ見当を付けられなかったもの。両方ともやり始めて1年が経過した頃から少しずつ力が上がっていきました。ランニングでは初マラソンで3時間10分、研究では初の海外雑誌へのアクセプトや実験の順調な進行などが挙げられます。
『エンジンがかかるまで1年を要する』法則を博士課程に適用してみます。すると、博士課程在籍中、2年で規定本数分の論文を出版せねばなりません。外部進学し、異なる分野にて2年で論文を数本出すのは極めて難しいと考えました。別に2年で出さなくても構わないけれども、留年し、オーバードクターとなるのだけは是が非でも回避したい所。年数をかければかけるほど背にのしかかるプレッシャーが大きくなり、修了の道が狭まってきます。私がそんな重圧に打ち勝てるかどうか… “おそらく無理だ”との判断に至りました。せめて博士課程だけは順調に研究を進め、研究の楽しさを味わってから旅立ちたかったのです。苦労した思い出しか残らないのは後の人生にとってマイナスなのではないかなぁ、と。
札幌や北大が好きすぎて離れたくなかったから
D進を決めたのはM1の9月。札幌に5年以上住み続け、この街がいつしか大好きになっていました。美味しい野菜。豊かな自然。爽やかな夏にコンパクトな街。ドカ雪の降る冬だけは嫌いですが笑、それ以外の要素は申し分ないほど大変気に入っております。あまりに住みやすくて困る。物価も安いし、花粉も飛ばないし、まるで天国なのかと見紛うほどです。「この街にもう少しだけ住み続けていたい」と思いました。外部進学して関東や関西の喧騒に身を置くより、のんびりとした札幌の風土を味わっていたいと感じました。
札幌と同様、北大も大好きになりました。キャンパスがあまりに美しすぎて毎日癒されっぱなしなのです。緑の生い茂るメインストリートと中央ローンが特にお気に入り。夏は芝生の上で横になってゴロゴロしながら本を読み耽ります。大都会のど真ん中にこんな癒しの場所があるのは奇跡。離れがたいほどの魅力に溢れる北大に居たくて内部進学を選びました^ ^
最後に
大学院博士課程進学時に内部進学を選んだ理由は以上。内部進学か・外部進学かでお悩み中の方へ参考になれば幸いです。
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