こんにちは!札幌と筑波でリチウムデンドライト析出の問題解決に挑む北大工学系大学院生のかめ (D1)です。昨年(2022年)8月に大学院博士後期課程入試を受験し合格を掴み取り、今年(2023年)の4月に博士課程へ進学しました。
この記事では、D進時に受けた大学院試の形式や気を付けた事を中心に、院試にまつわる様々な情報を記していこうと思います。
- 博士課程への進学を考えていらっしゃる方
- D進に備えて前もって何か準備をしてきたい方
こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
それでは早速始めましょう!
D進時の院試は筆記試験&面接試験
これまで学士→修士→博士と全て内部進学してきましたが、修士課程の入学試験は10分間の面接のみ[関連記事]。所属コース内で成績が上の方だったため、筆記試験の受験を免除されて面接のみで合格をいただきました。ただ私の受験した専攻の場合、博士課程入学試験は筆記試験免除制度がそもそも存在しなかったのです。
- 筆記試験
- 面接試験
この2つを乗り越えることでPh.D.コース入学の資格が与えられる仕組みでした。
以下では上記①と②の詳細について記せる範囲で書いていきます。
各試験の詳細
筆記試験と面接試験は同日に実施されました。午前に筆記・午後に面接と一日で合否が決まるシステムです。
筆記試験:2時間。これまで&博士進学後の研究内容を英語で記す形式
まずは朝9時から筆記試験。ネット上に過去問が公開されておらず(何が出題されるのだろうか…)とビクビクしていたのですが、フタを開けるとそのような心配は全く杞憂に終わりました。B4→M1の院試のように難解な問題が出たわけじゃありません。自身のこれまで&博士進学後の研究内容を英語でA4用紙の表面に1枚ずつ記すだけの問題でした。受験前、”英語の問題が出される”とだけ聞いていたため、自身の専攻の英語の専門書を読みまくって読解問題に備えていました。ところが読解問題じゃなかったし、知識を問われるわけでもなかったし、(こんな簡単な問題でいいのか…?)とコッチが心配になるほどイージーな出題形式だったのです。
一応は記述問題のため、デカデカと模式図だけ書いて済ませるわけにもいきません。『自分には最低限の英語力があります』と証明できなきゃ入学させてもらえない可能性がある。(何を書こうかなぁ…)と脳内で10分ほど構想を練り、学振DC1の申請書に書いた内容を思い出して英語化することに。申請書に載せた模式図を真似して書けばスペースを要領よく埋められますし、解答用紙へ支離滅裂な内容を書き散らさずに済むわけです。与えられた長大な試験時間を活用し、申請書の内容を写真記憶から呼び起こして一文ずつ落ち着いて英語に翻訳。なるべくミスの少ない中学レベルの表現で用紙をびっしりと埋め尽くしました。最終的には30分ほど時間が余り、スペルミスをチェックしたのち目を瞑り入眠。M2の8月は不運な出来事続きで睡眠時間が足りておらず、こうした細切れ時間にでも寝ておかなくちゃ命の危険があったのです[関連記事]。
面接試験:発表15分&質疑応答30分。これまで/博士進学後の研究内容を日本語でプレゼンする形式
13時から面接試験がスタートしました。試験のトップバッターだったので12:50頃から用意を開始。一応フォーマルな場なので上下ともスーツで臨みました。オンライン面接だったから下半身はジャージでも良かったものの(履いていなくてもOK笑)、”受験者側も最低限の誠意を示すべきだろう”と考えズボンにもスーツを着用することに。
試験はまず15分ほどで『これまで&博士進学後の研究内容』をプレゼンしました。コレについては事前によくよく練習していたので滞りなく終了します。問題は次の質疑応答。例年、なんと30分程度行われるようです!今まで学会での質疑応答は最長5分程度のものしか経験がない。30分間のディスカッションなど想像もつかない未知の世界。ゼミや指導教員とのディスカッションなら30分でも1時間でもやった経験があるのです。しかし、人生のかかった緊迫感のある場でこれだけ長く人と話した経験が少ないため、(果たして30分も攻撃に耐えられるだろうか…)と心配でなりませんでした。しかし、コチラについても心配は杞憂に終わります。ビクビクしながら質疑応答セッションへ入ったにもかかわらず、面接官の先生方がみな非常に優しい口調で研究に関するアドバイスをして下さったのです。研究の質問が終わったのち、博士在学中の留学の話や博士修了後の進路の話など雑談っぽい話題で時が流れました。ほぼ予定通り30分が経過したあたりで面接試験が終わりました。
総括:今まで受けてきた中で一番イージーな入学試験だった
M2→D1の院試についてまとめると、人生で最も簡単に乗り越えられた入学試験だったなと思いました。B4→M1の院試では試験3週間前まで筆記試験が免除されるか否かが不明だったからそれなりに対策をしていたものの、今回受験した大学院試は普段の研究活動で培った能力のみで問題なく突破できたのです。個人的にはもう少し厳しく選抜してもいいのではないかと感じます。流石にヌルすぎる笑。もうちょっと歯ごたえがなくては試験を受けた気になりません。まぁ、日本はそもそもD進応募者が少ないので、選抜しようにも母数が不足していて選び”抜く”のが困難ですね。文科省や財務省が院生へ今の5倍ぐらい予算を投じてくれたら応募者も殺到するでしょうが、そんな未来は到底見えないので応募者は減り続ける一方でしょう。
博士進学希望者にとって、日本におけるD進入試の簡単さはすごく嬉しいことと存じます。受験者側としてはコレを有効活用しない手はない。心身の消耗を抑えて博士進学の権利を得、修士課程の残りの時間で博士課程へ向け少しずつ助走を開始してください👍
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