北大博士課程を一年短縮修了した技術開発エンジニアかめです。
北大学部一年次から博士二年次まで八年間、魚の缶詰をほぼ毎日食べてきました。サバ、イワシ、サケなど様々な魚の缶詰を少なくとも毎日一個は食べてきたのです。私は一日二食生活。二食ともメインディッシュが缶詰だった日も多々あります。
缶詰生活は学生時代まで。会社員になったらもっとマシなものを食べよう。そう決めて就職しましたが、結局は今も缶詰を食べています。学生時代からの連続缶詰摂取記録は優に3000日を超えているのです。好きで食べています。幸せならOKでしょう。
さて、この記事では、魚の缶詰を八年間毎日食べ続けた記録をお届けします。身体の健康や魚の缶詰へ関心がある方にピッタリな内容です。ぜひ最後までご覧ください。
かめそれでは早速始めましょう!
【学部】お金がなくてサバ缶生活を開始


私が缶詰を食べ始めたのは「あまりにお金が無さすぎた」から。
高校時代までの貯金はわずか。仕送りは家具家電の購入で消えた。バイトしようにも、動いたら余計にお腹が減って食費がかさむから働けない。金欠でもお腹はすいていく。20歳前後の男子大学生なら猶更。
この世の中は資本主義社会。お金がなければ何も手に入れられません。スーパーの肉売り場で売られているお肉は高い。魚売り場に並んでいる魚はもっと高い。北海道は美味しい食材の宝庫と聞いていました。美味しいものって、たいてい高いんですよね。自分みたいな貧乏大学生に手が届く額ではありませんでした。北海道の物価は安いように見えて実は高い。おいしそうな食材を前にしても「食べてみたかったなぁ…」と手を引っ込めざるを得ませんでした。
何か食べなければ死んでしまいます。飢えをしのぐために何らかのエネルギー源が必要です。スーパー内をあてもなく徘徊しました。なるべく安く、なるべく美味しく、なるべく元気が出そうなものを求めて。どうせなら、それを食べるだけで食事が完結するようなものがいい。夢みたいなスーパーフード、どこかに転がっていないかな。並んでいないかなぁ。
あった。
所望のブツはマヨネーズコーナーのすぐ隣にありました。魚の缶詰。単価は200円前後。缶詰にもいろいろあります。貝の缶詰。イカやタコの缶詰。サケの缶詰。そして青魚の缶詰。缶詰のパッケージに記載された栄養価をじっくりと見比べました。カロリー/円が最も高いものを探したのです。下宿の最寄スーパーではサバの缶詰が最もコストパフォーマンスが良かったです。安くお手軽にカロリーを摂取できる主菜としてサバの缶詰に手を出しました。
以降、サバ缶を毎日食べていました。周りからよく「飽きないのか?」と聞かれます。飽きましたよ。三日で飽きた。(学生の間はコレを食べ続けなければならぬのか)と絶望感さえ覚えた。でも仕方がない。なんせ、お金がないのだもの。私はサバ缶を食べる運命なのです。つべこべ言わず、黙って食べる。食事に感情を伴わせない。「これが自分の食べるものなのだ」と脳を納得させていました。
【修士】サバ缶価格高騰につきイワシ缶に乗り換え


修士課程へ進学したころ、市況に異変が生じました。なんとサバ缶の価格が急騰したのです。今までの1.5~2倍もの値段になった。コレはとんでもないことです。これでは食生活を維持できません。
サバ缶価格高騰の要因は海水の温度上昇。サバかよく獲れていた海域で2~3℃もの温度上昇が見られたのです。エルニーニョ現象と関係があるとかないとか。詳しい所はちょっとよく分かりません。とにかく、海水の温度が上がったせいでサバが獲れにくくなり、そのせいで価格が爆上がりしたのです。
最初の1か月はサバ缶で頑張っていました。これまで四年以上サバ缶を食べ続けてきた。サバ缶イーターとしての矜持があります。これしきの困難でサバ常食を諦めるわけにはいかない。値段なんて知るか。自分はサバ缶が食べたい。サバを食べ続けてやる。サバを愛し、サバに愛される男になってみせる。
しかし、1か月で限界を迎えました。あまりに高すぎて手が出せなくなったのです。一日サバ缶を一個食べるとします。サバ缶一個がだいたい350円ぐらいしました。一か月のサバ缶代は、350円×30日分=10,500円。主菜だけで一万円を超えるのはいくらなんでもアンバランスすぎるでしょう。
サバを食べたい。サバに愛されたい。でもサバ缶は高すぎる。敬遠せざるを得ない。サバに代わる魚はないものか。ネットで調べました。二代目・全力サバ缶ブラザーズを求めて。
そこで見つけたのがイワシ。イワシはサバと同じ青魚。サバより身はひと回り小ぶり。しかし、サバと同様、カロリー/円が高く、常食するのにピッタリな缶詰でした。サバの高騰を尻目にイワシは安くなっていたのです。イワシはサバより海水温が高めの海域を好むみたい。サバの不漁と逆相関する形でイワシ漁界が豊漁で湧いていました。
これまで愛着のあったサバ缶を離れてイワシ缶へと乗り換えました。イワシはサバより若干苦め。最初は慣れなくて辛かったです。慣れてからはむしろその苦みを美味しく感じられるように。今ではサバと同じぐらい美味しく楽しめています。
【博士】イギリス留学中はサケ缶を摂取


博士課程一年次の後期に留学へ行きました。場所はイギリス。美食の国 (笑) として世界的に有名な場所です。
イギリスは美食の国 (笑) なので、食べられる食べ物は何でもおいしく (笑) 味わえます。彼らの手にかかれば何でも絶品料理 (笑) に。あんなもの、到底食べられたものではありません。まともに楽しめるのは、ジャガイモとフィッシュアンドチップスぐらい。その他の料理には一切期待しない方がいいです。
さて、美食の国・イギリスへ行ってもお腹は容赦なく空いていきます。腹が減っては研究はできぬ。何らかのものを食べなければなりません。せっかくなら魚の缶詰を食べたい所。サバかイワシ。どちらかの缶詰を食べて元気をつけていきたかったのです。
最初に食べたのはサバの缶詰。イギリスではサバ缶が安く売られていました。200gで£1 (190円)ほど。これなら何の躊躇もなく手を出せます。嬉々としてサバ缶を大量購入。早速開けて食べてみたところ、臭すぎてゲロを吐きました。イギリス人は魚の処理方法をご存じではないようです。さすが、美食の国。どうしてこんなに不味くできるのか分かりません。サバ缶の大量購入を深く後悔しました。スパイスで香りをどうにか誤魔化して涙を浮かべながら完食した次第。
”イワシなら大丈夫だろう”とイワシを探します。ところがイワシの缶詰は見つかりません。サバがよく獲れるということは、海水温が低めということ。イギリス連邦の周りはイワシの好む温暖な海域ではないようです。イワシの缶詰は売っていませんでした。どこのスーパーへ行っても見つけられなかった。
サバは無理。イワシはどこにもない。次に考えたのはツナ缶です。ツナ缶は流石に臭くありませんでした。でも美味しくない。全く味がしない。まるでゴムを噛みしめているみたい。ツナの常食は食の幸福度を下げるでしょう。ツナ缶も断念。他に候補はあるものか。
あった。
スーパーの一角にひっそりと隠れていたのが運命の相手「サケ缶」。サケ缶は重量当たりの価格がサバ缶の1.5倍しました。毎日食べるのに躊躇する額。日本でならまず間違いなく手に取らないでしょう。しかし、ここは美食の国イギリス。お金がどうだとか言っていられません。藁にもすがる思いでサケ缶を買いました。専用の缶切りが必要とのことで、それも併せて買って食べてみたのです。あまりの美味しさに涙が出ました。臭くない。ちゃんとサケの味がする。噛めば噛むほど目尻が下がり、口角が上がっていきました。
イギリスではサケ缶を常食していました。イギリスから帰ってきてからは再びイワシ缶生活へと戻しました。
【会社員】今後も魚の缶詰を食べ続けるはず
博士課程を飛び級修了して、地元の企業で会社員になりました。会社には食堂があります。北大生協とは比にならぬほど綺麗でおしゃれな空間です。しかし、食堂のメニューが微妙に高くて少ない。セットメニューをどれだけしっかりと噛んで食べても空腹を満たせません。おそらく女性向けのボリュームなのでしょう。女性活躍社会、万歳。男性に用は無いようです。
結局、会社員になってからも魚の缶詰を食べています。
学生時代までは昼と夜のどちらかしか缶詰を食べぬケースが多かったです。就職以降は昼も夜もイワシ缶を摂取する生活。傍から見れば修行のように映るでしょう。辛くありませんよ。なんせ、好きでやっているのだから。会社の食堂よりもイワシ缶の方がカロリー/円の観点で見てお得。年収が1,000万円を超え、値段を気にせず何でも食べられるようになるまでは会社で魚の缶詰を食べ続けます。



















コメント
コメント一覧 (2件)
初めまして(^^)
広島の転出超過を憂う、かめサンの母親世代の者です。 うちの息子も、大卒(機械系)で就職したばかり。 くれぐれも、体調に気をつけて お過ごしください。
本題です。
北大の敷地内で、猛毒の『バイカルハナウド』って植物の生息が、確認されたらしいですよ。 国内では未確認、世界一ヤバイ…って気になります。
まずは お知らせまで m(._.)m
コメントいただきありがとうございます。
母校に恐ろしい植物が生えていると知り、戦慄が走りました。
ニュースで「バイカルハナウド」を確認しました。何だか、見たことがあるような、ないような… いずれにせよ、触らずにおいて良かったです。
お知らせいただき、ありがとうございました.息子さんのご活躍をお祈り申し上げております。