総合旅行業務取扱管理者かめです。2017年3月に北大総合理系へ次席合格し、2025年3月、同大学博士課程を一年短縮して飛び級修了します。
私の地元は広島です。広島から北海道大学を受験する人が毎年40~50人います。広島県民に限らず、本州の学生が北海道へ受験に向かう際、移動経路には細心の注意を払わねばなりません。2月の北海道は真冬。飛行機はたびたび欠航になるでしょう。受験は受験できてようやく土俵に上がれるのです。いくら受験勉強を頑張ってきても、受験当日に北海道へたどり着けていなければOUTでしょう。
この記事では、自らの受験生時代や北大合格後の本州との行き来をふまえ、北海道外から札幌へ大学受験に行くときの交通事情をご紹介します。北海道の大学を受ける受験生へピッタリな内容です。ぜひ最後までご覧ください。

それでは早速始めましょう!
【原則】受験日の二日前に北海道へ行こう


北海道の大学を受ける際にはひとつ大原則があります。「受験本番の二日前までに北海道へ入っているべき」というものです。本州の学生が本州の大学を受ける場合は前日の移動でも構いません。新幹線で一時間以内に着く場所だったら当日に移動してもいいぐらい。しかし、北海道の大学を受ける場合に限っては常識が通用しません。前日移動ではちと遅い。前々日までの移動が望ましいでしょう。
イントロでも申し上げました通り、2月の北海道は天候が荒れます。晴れたと思ったらすぐ猛吹雪になり、少し止んでもすぐにまた天気が悪くなる。新千歳空港の航空便は、出発・到着便ともにたびたび欠航します。その数、一日で百便以上。皆さんが搭乗する便もひょっとしたら飛ばないかもしれません。
受験二日前をめどに移動していただきたい理由。それは、降雪にともない航空便が欠航して受験できなくなるリスクを回避するためです。
広島や岡山など地方都市の場合、千歳便は一日一本しか飛んでいないケースが大半。欠航当日中に振替便を確保するのはほとんど不可能でしょう。羽田や伊丹経由の移動でも同様。当日中に北海道まで向かえる便を探すのは困難です。しかし、欠航翌日ならば何とかなります。二日連続の欠航はレアケース。直行便と経由便をくまなく探せば、どこかに何らかの移動手段が見つかるでしょう。
試験前々日に欠航しても慌てる必要はありません。大丈夫。前日に移動できれば問題なく受験できますよ。二日前に移動するプランは、欠航に備えるリスクマネジメント。北海道観光のためではありませんよ。雪で飛行機が飛ばなくなっても北海道へたどり着くための策なのです。学力的に余裕なら観光しても構いません。風邪をひかないようにだけ注意してくださいね♪



北大生協が扱う受験生宿泊プランも二日前移動が基本。前日からしか移動できない方は、欠航のリスクがある旨にご留意ください。
飛行機での移動が基本


先ほどからさも当然のように「飛行機での移動」を前提としてお話しています。飛行機以外を使った移動はダメなのでしょうか?”新幹線やヒッチハイクはどうだろうか”とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
私のオススメは飛行機移動。それは、飛行機での移動が最も早いから。
私の地元から新千歳までは2時間弱で着きます。フライト時間は1.5時間。1,300kmもの旅路を映画一本分に満たぬ時間で結んでしまうのです。広島から札幌まで陸路で向かえば最速でも12.5時間。在来線なら3日かかる。さすがに移動へ3日も 費やせないでしょう。移動に時間を費やすぐらいなら、浮いた時間で最後の追い込みを図っていただきたいです。
また、飛行機は移動疲れを抑えられます。移動時間が短い分だけ身体への負担が小さいのです。皆さんは混雑した乗り物に乗ると疲れませんか?私は疲れます。変な音や視線に気詰まりを感じてヘトヘトになってしまう。最近はインバウンド客が多いです。どの乗り物も人でごった返しています。同じ満席なら移動時間が短い方が楽に移動できるはず。飛行機移動は受験前の疲労を最小限に抑えてくれる移動手段です。
もしも飛行機が欠航したら
この記事をご覧の方は「飛行機が欠航したらどうすればいいのか」とお考えのはず。欠航した当日はもちろん、翌日の航空便も見つけられない可能性があります。
そこで、苦肉の策を二つ伝授しましょう。できれば使って欲しくはありません。移動時間が長すぎて体への負担が大きくなるからです。しかし、背に腹は代えられない。どれだけ消耗しても受験会場へたどり着きたい方に秘策をお伝えします。
函館経由ルート:新幹線+特急
まずは函館経由のルートをご紹介します。
ルートを以下に示しました。推奨ルートを赤色の矢印で、推奨交通手段を太い赤文字で表しています。


函館経由で札幌に向かうルートをふたつご紹介します。
- 東北・北海道新幹線で新函館北斗駅へ。特急 (高速バス) に乗り換えて札幌へ
- 東北新幹線で新青森駅へ。津軽海峡フェリーに乗り換えて函館港へ。バスで函館駅へ。特急 (高速バス) で札幌へ
私のオススメは前者。冬の津軽海峡は荒れます。船酔い必須。酔いに強い自分でも酔ってしまうほどの荒波。その点、新幹線なら快適に移動可能。乗り換え一回で札幌に向かえる点も大きな強みではないでしょうか。
特急と高速バスのいずれを利用するか。オススメは「特急」。理由は、特急の方が所要時間が短いから。新函館北斗から札幌まで、特急なら3.5時間、バスなら少なくとも5時間はかかります。バスは高速道路の状況次第で2~3時間もの遅延も考えられる。受験前にバスの中で缶詰めになるのはなかなかグロッキーでしょう(トイレに行きたくてもいけないし)。特急が運休の場合に限って高速バスをお使いください。高速バスまで運休な絶望的状況でも諦めないで。函館空港から飛行機で札幌・丘珠空港への移動を試みましょう。
【海路】フェリー利用も検討しよう
飛行機も新幹線もダメだったとき、最後に頼れる手段が長距離フェリー。陸路が止まったときは海路も止まっているはず。しかし、もしもフェリーが動いていればご利用の検討を加速してください。


受験者の多い関東からは商船三井フェリーが一日数便運航しています。出発点は茨城県の大洗港。行きつく先は苫小牧西港。苫小牧港からは路線バスと在来線で、または高速バスで札幌まで向かえます。
東北・中部地方の方がご利用になれるのが太平洋フェリー。名古屋から仙台経由で苫小牧西港へと向かいます。名古屋から乗船した場合、苫小牧まで着くのにのべ40時間。よほど時間のある方にのみご利用いただける選択肢。船酔い耐性の強さも欠かせませんね。
関西の受験生は敦賀と舞鶴から、北日本の受験生は秋田と新潟からフェリーに乗られます。ただし、秋田と新潟から北海道へ向かう便は隔日運航なのでご注意ください。
敦賀・新潟・秋田便が着くのは苫小牧東港。この港の周囲は原野です。港からすぐのところにあるJR駅は廃線で利用できません。道外受験生が港から札幌へ向かうには、路線バスで南千歳へ向かい、在来線で札幌まで乗り通すのが最適解。舞鶴・新潟便が着くのは小樽港。港から20分歩いて小樽駅へ。そこからJRで札幌まで30分です。
無事に受験できるようお祈り申し上げます
以上、北海道外から札幌の大学を受験予定の方へ交通事情をお伝えしました。当記事の情報を皆さんの受験へ活かしていただければ幸いです。



フェリー会社のホームページリンクも添付しておきました。飛行機も新幹線も止まってどうしようもなくなった際にお役立てください
コメント