札幌と筑波で電池材料を研究している北大化学系大学院生かめ (D2)です。
修士学生なら一度は考えたことのある問題、それが博士進学でしょう。D進しようか、就職しようか、と頭を悩ませるのがM1後期の恒例行事です。私自身、迷いに迷ってD進を決意した身ですから、悩む皆さんの気持ちは痛いほどよく分かります。
D進にせよ就職にせよ、人生を左右するほどの重要な決断です。どちらにすべきか本当に迷いますよね。
とはいえ、いつまでも進路で迷っているわけにもいきません。早く決めなければ、いずれを選ぶにしても手遅れになりかねませんから。
そこでこの記事では、私自身の経験を背景に、D進するか否かをいつまでに決めればよいのかを解説していきます。D進しようか否か考えていらっしゃるM1の方、将来的に進学を視野に入れている学部生の方には、ぴったりな内容のはず。ぜひ最後までお付き合いください。
かめそれでは早速始めましょう!
【大前提】決めるのは早ければ早いほど良い


まず大前提として、D進を決める時期は早ければ早いほど良いです。早く決めれば決めるほど、博士進学後の生活資金を確保できる学振DC1に通る確率を高められるから。
DC1の内定を安牌にするにあたって、
- 化学系分野では少なくとも査読付き筆頭英語論文を一報以上
- 国際学会での発表歴を一回以上
- 学会での受賞歴を一回以上
これらすべての業績が必要になってきます。
当記事では、これらの業績をすべて備えた人間を三冠王と呼ぶことにしましょう。DC1申請までに三冠王になるには、相当な作業量が必要なのですよ。
並の修士学生にとって、学術論文とは、書くものではなく”読むもの”ではないでしょうか。D進を志していない限り、英語論文を書こうとさえ思わないはずですね。漫然と過ごしているだけでは、論文執筆とは無縁の生活が続いてしまいます。「D進するぞ」と決めて、ようやく論文執筆との縁ができ始めるのです。
国際学会で発表したり、国内学会で受賞したりするのにも、内容の充実した発表が欠かせません。発表内容をまとめれば論文にできるぐらい、研究完成度の高さが求められます。当然、発表スキルも欠かせません。色々な人からフィードバックを受けながら、地道にスキルを高めていくほかないでしょう。このように、業績獲得には途方もない努力が求められます。
生成AIの出現と発展もあって、研究成果はますますアウトプットしやすくなっています。よって、学振DCに内定できる研究業績の水準は、今後どんどん上がっていく一方でしょう。だから、なるべく早くD進を決断し、研究業績を集め始めなければいけません。 決断を下すのが早ければ早いほど、DC1申請時にたくさんの実績でもって勝負できるのです。おのずと勝率も上がっていきます。
どれだけ遅くともM1の2月までに決めよう


おそらくこの記事をご覧の皆さんは、D進を決意するのは早い方が良い、なんて百も承知だと思うんですよ。それを承知でD進を決めかねているからこそ、私の記事に辿り着いたわけでして。
そこで、私なりのD進デッドラインを発表しておきます。デッドラインはM1の2月初旬。 どれだけ遅くとも、この時期までには決めてください。
では、なぜ2月初旬なのか。D進ではなく就職を選んだ場合、修士学生の採用活動に乗り遅れずに済むギリギリのタイミングが2月初旬だからです。
3月には企業の採用面接が始まります。企業に応募するには、履歴書やエントリーシート(ES)を書かねばなりません。就職関連書類の用意には、莫大な時間が必要なんですよね。ESなんて一社ごとに問われる内容や文字数制限が違うので、一社ごとに頭を使って書類を準備するハメになります。
就活開始時期が遅すぎた場合、既に応募を締め切って、採用活動を終了している企業もチラホラ。第一志望の企業に行きたくても応募さえ叶わなかったとしたら、相当ショックを受けるはずですよ。そんなの嫌ですよね。就活前に書類準備の時間を確保でき、なおかつ大半の企業の応募可能時期を逃さずに済むギリギリのタイミングが、M1の2月初旬というわけです。
大学推薦で企業への就活を決めるなら、2月下旬くらいまでなら間に合います。ただし、推薦応募で内定を掴んでしまえば内定辞退は難しく、D進も不可能になるので、難しいところですね。
【私の場合】考え始めたのはM1の4月。決めたのはM1の9月


最後に、私自身のケースをお話ししましょう。
私がD進を考え始めたのはM1の4月でした。卒論用に行った実験で運良く成果が出て、B4の3月に筆頭論文を出せたのを機にD進を検討し始めたんですよ。あの頃、研究という行為そのものに面白みを見出していました。これまで誰も分からなかったことが、実験によって少しずつ解明されていく。自らの手で人類の未解決問題を一つずつ解決していくのって凄いな、面白いな、と研究にすっかり魅了されてしまった形です。
とはいえ、D進となると、やはりハードルが上がります。博士課程に入った後、ちゃんと成果を出し、無事に修了までこぎつけられるのだろうか、と。所属研究室の博士学生在籍数が、過去10年以上にわたってゼロだったのも、不安要素の一つでした。博士学生を育てる能力のない研究室で進学して大丈夫かな、と。前人未到の道を走破する力が、自分に備わっているのだろうか。
D進を最終決定したのは、M1の9月でした。主な理由は2つ。一つは、修士課程までで研究を終えるのが何だか物足りないと感じたこと。もう一つは、自分はまだ自分の限界を見ていない、博士課程で限界を垣間見えるほど徹底的に追い込んでみたい、と思ったこと。博士課程を修了できるか否かは自分の頑張りに懸かっている、と開き直りました。
学振DC1内定に向けて、M1の4月から既に本格的に動いていました。出られそうな学会には全部出たし、発表スキルを高めるために本を購入してプレゼン術やスライド作成術を自主勉強したりしました。その結果、M1の3月には、目論見通り三冠王になれました。三冠王の状態でDC1に申請できたので、正直なところ、落ちる気はしなかったですね。
最後に
博士課程へ進学するか否かをいつ決めたら良いか、というテーマについては以上です。
デッドラインはM1の2月初旬。それまでに進路を決めて、各々の進むべき道へと駆け出してください。迷っている時間も、大切な時間ではあります。それでも、迷い続けるうちに選択肢のほうが先に消えていくのが、進路選択の残酷なところ。早めの決断が、未来の自分を救ってくれますよ。























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