広島生活春夏秋冬vol.4 一年目・7月編|訪問営業と七夕肉弾戦! ボーナスを溶かす追徴課税にヤサイニンニクアブラカラメ

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ボーナス

プロンプト:お金がいっぱい出てきそうな銀行ATM(青色を基調に)

久々に銀行通帳アプリを開いた。資金がショートしていないか、念のため確認する。ショートはしていない。セカンドでもサードでもない。どちらかといったらキャッチャーだろうか。お金が増えていた。おかしい、いったい何があった。

資金の出入りを確かめる。弊社の名が給料日以外にも刻まれている。弊社よ、やっていいことと悪いことがあるぞ。どうして勝手にお金を使うんだ。私が何か悪いことでもやったというのか。やったなぁ。うっかり手を洗わずトイレから出たことがある。それはホンマごめん。次からちゃんと手を洗うから。お金、返してよ。

……ん?

残高が、増えている。弊社に手を付けられたと思っていたら、取られたのではなく増えていた。なぜ給料日以外にお金が増えるのか。ひょっとして、弊社は給与振込日を間違えたのか。にしては支給額が少ないけれども。あるいは、経営状況が思わしくないのか。私の素行不良で等級を落とされたのか。

こういうときはAIに尋ねる。

Google Geminiに問うてみた。「人事部へ確認をとった方がいいかもしれませんね」と。誤支給の可能性を指摘してきた。ChatGPT o3にも尋ねる。数十秒もの推論のすえ、「ひょっとして ぼーなす じゃないかにゃん」ときた。ボーナスってなんだよ。茄子の進化版か。いや、暗にNASDAQへ投資しろと言っているのか。

何が何だかサッパリ分からない。誤支給なのか、御支給なのか、あるいはNASDAQなのか。

職場で上司に尋ねてみた。「何か昨日、お金が振り込まれたんですけど…」。『ボーナスよ、ボーナス! おめでとう^ ^』。右手を握まれ、大振幅でフルスイング。最近、肩が外れやすくなった。今までは顎だけだったのに肩まで外れた。「ボーナスったら、なんですか?」『ボーナスはボーナスよ!』会話にならず、真理探究を断念した。顎と右肩を抑え、弊社イントラネットで「ぼーなす」と検索。我が口座残高の増加日が「ボーナス」なるものの支給日になっていた。

驚いた。

どうやら弊社では、給料日以外にも給与をばら撒く習わしがあるらしい。夏と冬にお金をパーッと気前よく配る賞与制度が設けられている。お金をもらえば人は喜ぶ。またお金をもらえるようにと、弊社での労働にますます精を出す。さすがはSHUCDEC。銀河系軍団は、やることなすこと全てスケールが違う。

…冷静に考えてみる。賞与って、嬉しいものだろうか。基本給に賞与分を上乗せして配ってくれた方がよくはないか。ボーナスは支給されるまで使えない。欲しいな、欲しいなと思っていたモノも、ボーナスが配られる頃にはもう欲しくなくなっている。急に大金が舞い込んできたら、金銭感覚が狂って変な使い方をしてしまいかねない。

じゃあボーナス要らないのかと言われたら違う。要ります。ありがたく頂戴します。

追徴課税42,446円

博士課程時代、特別研究員をやっていた。日本学術振興会特別研究員DC1に採用され、国家公務員として研究活動に従事していた。DCにゃんのおかげでお金に不自由なく過ごせた。イギリス留学もできた。日本政府には感謝している。一応、DCにゃんには、毎年700人しかなれない。同世代トップの研究力を有する証を授けられ、ほんの少しだけ自信を持てた。

国家公務員たるDCにゃんからは何の容赦もなく税金が徴収される。所得税、国民年金、国民健康保険。あわせて4万円ほどの控除額。雑費を使いすぎたら赤字になりかねぬ。懐事情と物欲の綱引きを二年間延々と繰り広げてきた。

DCにゃんには「研究遂行経費」なる枠がある。研究に関する支出を年間72万円まで非課税認定してくれる。

我々DCにゃんは、給与とは別に研究費をもらっている。研究関連支出はまず研究費から拠出する。懐から出す研究関連のお金は少ない。したがって、72万円分の枠を使い切れない。使い切れない分はどうなるか。税額10%で追徴課税される。年度明けに請求書が届く。昨年は0.6万円ほどの課税額だった。今年はどうか。ハガキを開けてみようじゃないか。

「42,446円」

驚きすぎて、危うく破り捨ててしまうところだった。そんなに払うの。そんなに使っていなかったっけ。

まぁ、昨年度はそんなに使っていないよな。留学も行っていないし、学会発表は一回だけだし。論文執筆中心の一年だった。お金は全然使っていない。経費枠を使っていない以上、多額の追徴課税は当然の結果。仕方がないね。ウソをついて経費枠を満額充填するよりかは遥かにマシな結末だろう。DCにゃんの追徴課税額ランキングで上位に食い込むのではなかろうか。こんなところで一位を取っても仕方がない。でも二位よりはいいな。せっかくなら一位がいい。

税金の支払期限は今月末だった。請求額の大きさの割に期限が短すぎやしないだろうか。学振って実はドSなのか。一か月で4万円って、なかなかキツいよ。4万もあったら青春18きっぷを3枚は買える。会社員にも青春を味わわせてくれ。そんなにたくさんお金をむしり取らないでくれ。

はて、いきなり4万円も払えるのかな。通帳を見ると、問題なく払えそう。自慢なのか自慢ではないのか、やっぱりちょっと自慢なんだけれども、SHUCDEC勤務のおかげで懐事情に余裕がある。お金だけはある。お金の余裕は気持ちの余裕につながる。気持ちの余裕は、仕事の充実ぶりに、弊社のさらなる繁栄につながる。

弊社からの給与を追徴課税へ。これで学振とのやり取りも終わりだろう。学振さん、二年間ありがとうございました。

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