大学院生こそ『イワシ缶』を食べるべき理由を、缶詰愛好歴9年の偏食博士が語る

突然ですが、皆さんは今日、何を食べましたか。私はイワシ缶を食べました。昨日も食べました。一昨日も食べました。先週も食べましたし、先月も食べましたし、去年も食べました。明日も明後日も明々後日も食べるでしょう。

大学に入った翌日から食べ始め、博士課程を経て、会社員になっても食べ続けています。私の食卓には常にイワシ缶が鎮座し続けてきたのです。累計で何缶食べたかはもう数えていませんが、控えめに見積もっても3,000缶は下らないでしょう。空き缶を全部積み上げたら、東京タワーくらいにはなるんじゃないでしょうか。

偏食と言われればそれまでなのですが、私はこれを「食の最適化」と呼んでいます。過酷な大学生活を乗り越えるため、試行錯誤の末に編み出したベストアンサーがイワシ缶だったのです。

今日は、イワシ缶への感謝と愛を込めて、イワシ缶の魅力を語らせてください。

目次

料理時間を大幅カットできる

大学院生は忙しい。全国どこに行ってもみな忙しそう。彼らは朝から晩まで仕事に追われています。講義、ゼミ、就活、実験、論文執筆、指導教員からの突発的な依頼と、やるべきことが次から次へと降ってきます。残念ながら、今日の夕飯どうしようかな~だなんて考えている余裕はありません。

かといって、食事を抜くわけにもいかないんですよね。人間は夢だけでは生きていけません。どうやったってカロリーが必要になります。どれだけやせ我慢を重ねようと、いつか必ず燃料を補給しなければならない。でも、料理する時間がない。料理に取り掛かる気力もない。スーパーに行くのも面倒くさい。そんなあなたに、イワシ缶をご提案します。

イワシ缶の調理工程をご説明しましょう。

まず、両手で缶を持ちます。次に、プルタブに指をかけてください。そして、憎らしい指導教員 例のあの人の顔を思い浮かべつつ、「アバタ・ケタブラァ!!!!!」と叫んでひと思いに引き抜きましょう。あら不思議、パカッと開きました。皆さんの手元には料理が待っています。スーパー・ハイパー・ウルトラ・超・どんだけ・デリシャス・フィッシュアンドチップス(SHUCDDF)がお目見えです。所要時間、およそ3秒。太陽から地球に光が届くよりも速く本格料理にありつけます。

料理に包丁なんて要りません。まな板も鯉も必要ありません。フライパンも鍋も、菜箸も、フライ返しも、何ひとつ必要ない。求められるのは4N [ニュートン]の握力だけ。プルタブを引っ張り上げられさえすれば、圧倒的スピード感でもってSHUCDDFを食べられるのです。

論文のリジェクトで打ちひしがれた日も4N。実験が失敗して心が折れかけた日も4N。指先にほんの少しの力を加えるだけで食事にありつける。どれだけ研究で酷い目に遭っても、家に帰ればイワシ缶が待っている。なんという安心感でしょうか。イワシ缶のバックアップさえあれば、Natureにだって論文を載せられる気がしてきますね。

イワシ缶の地味に嬉しいポイントは、洗い物が一切発生しないという点。昼食に研究室でイワシ缶をいただいたなら、空き缶はそのまま大学のゴミ箱へポイ。夜、自宅でしみじみ味わったなら、空き缶をビニール袋に入れて封をしておき、翌朝の通学時に大学で捨てればいい。大学をゴミ箱に使えばいいのです。大学はゴミ箱です(違います)。

ここで、真面目な読者の方から「はてさて、缶詰を食事と呼んでいいものか」と哲学的な問いが飛んできそうです。安心してください、ちゃんと履いてますよ。それは料理です。私の過去九年間のイワシ缶摂取歴をもって断言します。あれを料理と呼んでも問題ありません。だって、食べればちゃんとお腹いっぱいになるじゃないですか。無理して高度でアクロバティックなものを作ろうとして、自炊のハードルを上げすぎないように注意しましょう。

必要十分量のたんぱく質を摂取できる

研究が忙しくなっていくにつれ、運動量がガクンと減ります。家と大学のあいだを単振動する生活になり、運動といっても階段の昇降ぐらいになるのではないでしょうか。

運動しなければ筋力が衰えます。筋力が衰えれば体力が落ちます。体力が落ちれば風邪を引きやすくなり、研究が滞ってしまうでしょう。研究が滞れば焦りが募り、焦れば焦るほど机にかじりつき、さらに運動しなくなる。ほら、負の山手線が出来上がりました。

我々は怠惰な生き物です。忙しいときに限って、料理する手間を惜しんで、手軽に食べられるものに手を伸ばしがちに。疲れて料理する気が起こらないとき、カップ麺やコンビニのおにぎりが輝いて見えますよね。分かります。私も大学時代は何度も構内のセイコーマートでHot Chefのおにぎりをいただきました。

おにぎりもカップ麺も、確かに便利ではあります。しかし、そうしたものばかり食べる生活を続けていると、栄養バランスがゲシュタルト崩壊していきます。カップ麺ばかり食べてい人は、肌がサバンナのように荒れ、鼻腔が詰まって呼吸まで苦しくなるものです。

ここでイワシ缶の話に戻りましょう。イワシ缶はひとつで20〜30gものたんぱく質を含んでいます。これ、成人に必要なタンパク質量のほぼ半分に匹敵するんですよ。缶を開けてイワシを愛でるだけで、一日の仕事を半分終わらせられてしまう。

タンパク質の恩恵は筋肉だけにとどまりません。タンパク質は、肌や髪の毛の材料にもなってくれます。大学生の頃まではまだ気にならないでしょうが、修士課程に入ったあたりから薄毛が目立ち始める方もおられるでしょう。髪の毛のケアを疎かにして枝毛だらけな方もいるかもしれません。

皆さん、悪いことは言いません。症状が深刻化する前に特効薬を注入しておくのです。トリートメントや育毛剤なんかよりもイワシ缶の方がよほど効果がありますから。身体は内側から手入れしてこそ効果を見込めます。皆さんの毛髪をイワシの力でこっそり蘇らせてください。

良質な脂が頭を良くする

イワシ缶にはDHAやEPAが豊富に含まれています。DHAやEPAは、脳機能を改善し、記憶力や洞察力を高めてくれると言われています。大学院生にとって、この上なく心強い味方ですね。

マルクスが資本論の中で言っていた通り、頭脳は我々にとって資本です。論文を読み書きしたり、ミーティングにて実験進捗遅れの言い訳を考えたりする際、脳を全速力で稼働させなければなりません。頭脳労働者たる私たちにとって、脳のパフォーマンスを底上げしてくれる食べ物は『戦略物資』と呼んでも差し支えないでしょう。

ここで読者諸賢から「でも、脂って身体に悪いんじゃないの?」という声が聞こえてきそうですね。分かりますよ、その気持ち。脂と聞くと、カロリーが高いとか、太るとか、血管が詰まるとか、健康診断の数値が悪化するとかいったネガティブなイメージが頭をよぎりがち。私もかつてはそう思っていました。

しかしですね、脂にも色々あるんです。脂は脂でも、質の良い脂そうでない脂があります。

揚げ物やスナック菓子に含まれる脂は悪い脂です。摂ればとるほど身体が壊れてメタボに近づいていきます。一方で、魚に含まれる脂は、むしろ積極的に摂りたい良質な脂なのです。血管をしなやかに保ち、身体全体に潤いをもたらしてくれる存在です。避けるどころか、歓迎すべき客人なんですよ。

とはいえ、イワシ缶を毎日食べたら脂の摂りすぎになるんじゃないかと心配される方がおられるかもしれません。ご安心ください。大丈夫です。私が太鼓判を押します。私は過去9年間、ほぼ毎日イワシ缶を食べ続けてきましたが、今日もこうしてピンピンしています。健康診断の数値も毎年オールグリーン。健康的すぎて毎月献血に行っているぐらいです。

魚の缶詰は伊藤食品がオススメ

さて、ここまで読んでくださった皆さんは、きっとイワシ缶を食べたくて食べたくて仕方がなくなってきているはず。そうですよね? え、そうですよね? ありがとうございます。私もです。

では、どのイワシ缶を選べばいいのか。スーパーにもネットにも数多く売られているなかで、どれを選べば最も幸せになれるか。ここは私にお任せください。私は最高の魚缶と出会うため、スーパーのものはもちろん、ネットショッピングで買えるほぼすべての青魚缶を食べてきました。海外製品にも手を出し、散々痛い目に遭ってきました。自称・イワシ缶のスペシャリストたるこの私が、ベストバイの商品をご提案します。

スーパーの缶詰コーナーには、様々なメーカーのイワシ缶が並んでいます。正直なところ、どれを選んでもそこまで大きな失敗はありません。イワシ缶を選んだ時点で、すでに正解の道を歩んでいますから。

ただ、その中でも頭ひとつ抜けているのが、伊藤食品の『あいこちゃん』シリーズなのです。あいこちゃんだけは別格ですね。二番手を寄せ付けない圧倒的王者です。一度あいこちゃんの缶詰を食べてしまえば、もう他のブランドの缶詰を食べられなくなってしまうほど凄い。あいこちゃんと他ブランドは、ウニと ドラえもん ぐらい違いますよ。

何がそんなに違うのか。

まず、使われている魚の質が高い。缶を開けた瞬間に立ち上る香りが、他とはまるで違います。生臭さがなく、食欲をそそるフワッとした品の良い香り。私は趣味でランニングをします。何十キロも走って返ってきて、胃がムカムカしているときにイワシ缶を食べても、全然気持ち悪くなりません。あいこちゃんのイワシ缶の脂はくどくない。身体がどのようなコンディションであってもスッキリ気持ち良く食べられます。

次に、味付けがマイルドですね。水煮は塩辛すぎず、味噌煮は甘すぎず、イワシ本来の旨味を絶妙にサポートしてくれます。味が缶の隅々まできめ細かく計算し尽くされているのです。イワシ缶を頬張っているうちに、夢の中でイワシ缶を食べているのか、イワシ缶の中で夢を見ているのか分からなくなってきます。これが胡蝶の夢というヤツでしょうか。南米文学にみられるようなマジック・リアリズム的世界観が違和感なく表現されています。

皆さんもあいこちゃんを食べたくなってきましたよね。もしかしたら、記事を読み終えるのを待ちきれず、スーパーへ駆け出しちゃった人が居るかもしれません。

ただ残念なことに、あいこちゃんは普通のスーパーに置いていないことが多いです。超大型スーパーでたまに見かける程度で、街中にある小規模なお店ではまず置かれていません。私はあいこちゃんをAmazonで見つけました。初めて味わって虜になって以来、箱買いするようになりました。24缶セットを2箱、10,000円弱で購入する。実は昨日も買ったんですよ。早く届いてくれないかなと禁断症状を催しています。

ちなみに、あいこちゃんの缶詰は単価が250円ほどします。普通の缶詰が200円以下で買えるなか、250円も出すのは気が引けるかもしれません。しかし、あいこちゃんシリーズの品質を考えれば、むしろ安すぎるぐらい。私は一缶300円でも買いますね。仕事で疲れきった身体に、あいこちゃんのやさしい脂が沁みて元気になれるんですわ^ ^

大学院生の皆さん、騙されたと思って一度手に取ってみてください。プルタブを引いて、ひとくち食べれば、きっとあなたもイワシ缶の沼の住人になること間違いなしです。

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