【小賢しく】研究室をドロップアウトせず生き抜くためのメンタル防衛戦術

北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2)です。B4で研究室に配属されて以来、喀血をはじめ、幾たびもの精神崩壊の危機を乗り越えて研究室生活最終年度を迎えられました。今まで何度「研究室をやめたい…」と思ったか分かりません。助けを求めても指導教員を筆頭に無視されてきたし、余計に頑張りを求められたせいで本当に潰れてしまいそうに。辛くて長い研究室生活の終幕が待ち遠しくてたまりません。博士号の学位記を手にするまでの日々をカウントダウンしています。

この記事では、研究室でドロップアウトせずに済むためのメンタル防衛戦術4つご紹介します。

  • メンタルが弱い or 弱めの方
  • 研究室をドロップアウトしてしまいそうな方

こうした方々にピッタリな内容なので是非最後までご覧ください。

メンタル防衛大臣かめ

それでは早速始めましょう!

目次

仕事が早く終わったとしても、納期の寸前まで成果物を誰にも見せるな

アカデミアの世界は『早く仕事を終えたら早く帰れる』という価値観がほとんど通用しません。一つ仕事を終えたと思ったら目の前には新しい別の仕事が待っている。仕事の報酬はさらなる仕事。学費を”払って”仕事の無限ループに巻き込まれます。仕事をやれどもやれども終わりません。研究室を離れるまでの間、To Doリストへ仕事が追加されていくのをどうすることもできないのです。

真面目な方ほど真面目に頑張り、仕事を早く終わらせてしまう傾向が。研究の性質上、やればやるほど仕事が増えるため、指導教員から『じゃあ次はコレねっ♪』と最高のスマイルで仕事が追加されます。私のような模範生は「コレを終えたら今度こそは休めるだろう」と一縷の望みに賭けて仕事を片付ける。当然、終わりません。また仕事が追加されます。自分が潰れるか、研究室を離れるまで延々と仕事量が増え続けるのです。岩手名物・わんこそばをイメージしてください。手元のお椀 (To Doリスト)が空になった次の瞬間、給仕の方 (指導教員)がそば (仕事)をお椀に勢いよく滑り込ませます。わんこそばの場合、お椀が空になったとき、ふたを閉めたらチャレンジは終わるでしょう。研究室生活の場合、ふたを閉めても無理やりこじ開けられて『はい、じゃんじゃん!』とチャレンジが継続されるのです。文字通り、【恐怖】のひと言に尽きる。こんなシステムに真面目に付き合っていれば誰だって不調に陥りますよ。

メンタルを防衛する戦術の一つ目は、たとえ仕事が早く終わったとしても締め切りギリギリまで誰にも見せるな!というもの。見せたが最後、仕事を増やされ、余計に心を消耗する要因になりかねません。”誰にも”という所が肝心。指導教員は言うに及ばず、同期や先輩にも見せてはいけません。同部屋の学生に仕事が済んだのを察知されると、『アイツ、いま暇そうにしていますよ』と教員に密告される可能性が。せっかく頑張って仕事を早く終わらせて休憩時間を確保したにもかかわらず、ひょんなことから憩いの時間を台無しにされるのは嫌でしょう?暇ですアピールをするよりも、忙しいですアピールをしておく方が得策。仕事が済んでもすぐには成果物を見せず、納期ギリギリになってからブツを担当者へ渡すよう心掛けてください。

頑張ったらダメ。マイペースで巡航しよう

長い長い研究室生活を健康に完走しようと思えば、スタートダッシュやペースアップはなるべく行わない方が吉。すぐ息切れします。長くもちません。疲れてペースを落としたが最後、どこまでもペースが落ちて大学のドロップアウトへと真っ逆さまに。前項のように、研究室では頑張れば頑張るほど仕事が追加されてしまいます。膨れ上がった大量の仕事をこなすためヒーヒー言いながら速度を維持する羽目に。

私はかつて、猪突猛進でクソ真面目な生一本の性格でした。馬鹿正直に仕事をこなし、指導教員におだてられるがまま気持ち良くなってしまったのです。作業のペースは加速する一方。けれども、与えられた仕事の量が多すぎるがあまり、土日まで使わないと片付かなくなりました。その結果、ストレスが体のキャパシティを上回ってしまった。M2の8月に限界を迎え、家のトイレで喀血してぶっ倒れたのです。そこで初めて気が付きました。健康を損ねてまで頑張るべき仕事なんてないよな、と。果たして自分は何のために頑張っていたのか?限界寸前で巡航なんてできないのに、後先考えずフルスロットルで突っ走る愚を犯したらダメじゃないか、と。

メンタルを防衛する2つ目の戦術は、何があっても絶対に頑張らないというもの。自分の有する100%の力を出し尽くしてはいけません。たとえダメージから立ち直られたとしても、蓄積されたダメージが体を蝕み、いつか私のようにバタリと倒れてしまいます。悲しいかな、たとえ学生が倒れても教員は一切責任を取ってくれません。教員にとって学生は駒の一つ。いくらでも替えのきく人材である以上、学生の一人や二人が倒れても特に気になりません。いくら教員にこき使われたとしても、切り捨てられる時は無情にも一瞬。教員の学生に対する愛情は、学生の持つ”労働力”に注がれているのを覚えておくように。無理のない、息切れしないマイペースを貫き通しましょう。疲れたら休んで。無理は禁物。土日は休め。休日に大学へ行ってはいけません。

自分が否定されているんじゃない。自分の行為や作品が否定されているんだ

ゼミやミーティングで怒られたとき、メンタルにグッとくるものがありますよね。激しく怒鳴られれば怒鳴られるほど「もう研究室に行きたくないなぁ…」と落ち込んでしまう。人格を否定されている気がしてくるのです。一生懸命作った成果物に対してワーワー言われていくうちに、怒りの鋭い矛先が自分のメンタルを貫き通してしまいます。一度メンタルを傷つけられたが最後、傷つけてきた相手の姿を垣間見るだけで傷が疼いて痛くなる。研究室に行く足取りが鉛のように重くなり、やがて大学へ行けなくなってしまうのです。

メンタルを防衛する3つ目の戦術は、何が指摘されているのかを冷静に見定めようというもの。成果物なのか、発表の態度なのか、それとも己の人格なのか?自分が説教されている最中にこれ等を冷静に分析して怒りの矛先をハッキリさせておきましょう。よほど狂った教員でなければ人格否定にまでは至りません。大概のまともな教員の場合、研究や発表の至らなさや論理の不整合性を突いています。我々が否定されているんじゃない。成果物が否定されているのです。自身の成果物と自分自身を重ね合わせてはいけません。自分と創作物とを切り分けて考えられれば心がグッと軽くなりますよ。

サボるが勝ち。疲れたら休もう

休むスキルは本当に大切。疲れた時にちゃんと休めるか否かが研究室生活の行く末を決定付けると言っても過言ではありません。私はかつて、休むのが本当に苦手でした。回復できるレベルの負荷を軽く超え、倒れるまで頑張っていましたもの。休むと不安になってしまうのです。世界のライバル学生が頑張っている時に自分だけ休むとあっという間に置いて行かれるんじゃないかな、、と。頑張りすぎて潰れたらそっちの方が余程良くありません。そうと分かっていながら休めなかった。血を吐くほど追い込み、自分で自分を壊したかつての自分は本当にバカでした。

メンタルを防衛する4つ目の戦術は、サボるが勝ち。疲れたら休めというもの。長い研究室生活だもの、少し手を抜きサボっても挽回する時間は十分残されています。真面目にやって体を壊して動けなくなる方がいけません。壊れるぐらいなら休んでください。休めばまた頑張れるけれども、壊れたらもう頑張れないのですから。休み休みじっくり仕事をやっていけば、努力が積もりに積もって大きな成果として結実するに違いありません。もちろん、サボり過ぎは禁物。頑張り過ぎを防ぐために適度に手を抜くのが肝心です。

最後に

メンタル防衛大臣による【研究室をドロップアウトせずに済むメンタル防衛戦術】はコレで以上です。皆様の健やかな研究室ライフを祈念して記事を締めくくります。

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