48. 学会に安く参加できる
にゃん学会って、お金かかるんだよね



参加費がかかるよ。学生料金を設定している学会が多いから、博士学生なら安く参加できる



また学生証が活躍するのか



20代後半になっても現役です。先生が一般料金を払っている隣で、我々は学生料金を払うんだ。お得ですねぇ!!



先生より長く大学にいるのに?



それはないよ



そのうちありそうじゃん



早く修了させてくれ
49. プレゼン技術を高められる



学会では、自分の研究を発表するんでしょ



するよ。学会で発表するとなると、つい、話したいことを全部スライドに詰め込みたくなる。せっかく研究したんだから全部聞いてくれ、と



聞く側は大変そう



そうなんよ。学会発表を重ねると、初見の聴衆でも話について来られる構成を考えるようになる。スライド一枚に何分使うかとか、何をどれだけ盛り込むかも考える



博士課程を修了する頃には、話も上手くなってそうだね



少なくとも、修了前よりはうまくなる
学生の間はプレゼンのフィードバックを受けられるから、研究室に居るうちに上手くなれるだけなっておくといいよ。会社に入ったら誰も何も指摘してくれないから。失敗するなら、今のうちだよ
50. 質疑応答が上手くなる



ぼく、学会発表って、講演よりもそのあとの質疑応答の方が怖いんよね。何を聞かれるか分からないから、ビクビクする



分かるよ~
発表は予行演習できても、質疑はそうはいかないからな



頭が真っ白になったら、どうしよう



いっそ、白髪染めしたらいい



そうじゃなくてさ、



ごめん
博士課程で何度も質問を受けるうちに、まず相手が何を聞いているのか確認するようになる。質問が長かったら、自分の理解が合っているか確かめてから答えたらいい。自分たちも博士課程まで研究経験を積んできて、答えられる質問も増えているから、自信を持って答えたらいいんだよ



質問者が三分ぐらい喋って、最後に「どう思いますか?」って言ったら?



知らんわって返してやればいい



ダメでしょ



だいたい、何について答えるの?



こっちも知りたいんだよ…
51. 素人質問にも対処できるようになる



博士学生に限らず、一番怖いのが素人質問



出た、素人質問で恐縮ですが、みたいなヤツだよね



そうそう、あれ、結構怖いんだよ。物事の前提をズバッと尋ねてくる。専門分野を極めていくと、つい先端に意識が傾くから、そもそもコレってなんでこう考えるんだっけみたいな前提の理解が疎かになりやすい。質問を受けて、そういえば、なんでなんだろうって考え込む。で、分からない笑



笑いごとじゃないよ



本人は軽い気持ちで尋ねているはずなのに、質問を受けたこっちは壇上で悶絶している。恥ずかしいんだよ



最悪じゃん



その点、博士課程では基礎の理解に割く時間がたっぷりある。研究で考えていくにつれ、素人質問を自問できるようにもなる。私は博士課程で学会発表して、何個か素人じゃない人から素人質問を受けたけど、全部ちゃんと答えられたわ



すごいじゃん!



すごいでしょ!



うるさいわ



にゃん…
52. 納得させる力が培われる



研究では、自分が正しいと思ったら押し通せばいいの?



相手も強いから、そう簡単には押せないよ。相手が疑っているところをひとつずつ説明する必要がある



口が達者なら勝てる?



データがなかったら、打ちのめされる
査読なんかまさにそうで、こっちが論理で説明して査読者を納得させられなければ、追加実験して再提出する。前に指摘された点はこれで説明できます、と丁寧に返すんだよ



研究って、意外と泥くさいんだね



泥だったらいい方で、ヘドロや底なし沼なこともある。相手を納得させてようやく成果として認められるから、コミュニケーション能力が鍛えられるよ。意外と営業マン適性があるんじゃないかな



ヘドロから出てきた博士って、臭そう



臭くないわボケ
53. 「何の役に立つの?」に答えられるようになる



研究をしていたら、普段から「このテーマって何の役に立つのかな」って考えるものなの?



考えるよ。そもそも学振の申請書で研究の波及効果を書くし、学会で企業の方とお話しする時にも聞かれるから、嫌でも考える。研究の意義は、家族にも聞かれるし、就活で会社の人にも尋ねられた



なんて答えるの?
潔く、「分かりません!」って?



税金返せって言われるから、ちゃんと答えるよ
この研究で何が分かるかを話して、得られた知見が将来どの分野で使えるのか語る。自分の場合は電池材料の基礎研究をしていたから、次世代蓄電池実現のために不可欠な研究なんですよ~って言っていた



納得してくれた?



分かったような、分かっとらんような感じ



アカンやん
博士課程、もう一度やり直して来たら?



もう無理です勘弁してください大変申し訳ありませんでした誠に遺憾であります許してちょうだい
54. 学問の奥深さを知る



学問ってどこまで深く勉強するの?



いつまでも
最初は教科書を読んで、なるほどこういう現象なんだなと思う。研究を始めると、その説明にも例外が見つかる。さらに論文を読むと、研究者によって説明が食い違っていたりする



あんなに分厚い教科書も、あくまで学問の入り口に過ぎないのね…



博士課程まで行くと地下何階まであるのか分からなくなる。ひとつ疑問を解いたら、その答えから次の疑問が出てくる。何十年も研究されている分野に、まだ分からないことが残っているってすごいなと思う



博士課程で数年間、ひとつの分野を掘ると、学問ってこんなに奥深いんだなぁと身をもって分かる



で、底は見えた?



さらに下へと続く階段を見つけました



もう地上に帰ろうよ…



先に帰っておいて。あとで追いつくから



あとって、いつ?



ん? そのうち
55. 国際学会で発表できる



国内学会に慣れてきたら、海外でも発表するのかな



機会があれば行けるよ。ポスター発表の方がチャンスは多いけど、口頭発表できる人もいる。英語で研究の説明をして、海外の研究者から英語で質問を受けるんだ



怖っ。日本語でも質疑応答イヤなのに、英語でやるの? 無理だわ~



自分も初めての海外ポスター発表は緊張したなぁ。とはいえ、これまで何年も研究してきたテーマだし、論文を読んで専門英語は大丈夫なはずだから、多少たどたどしくても話せるものだよ。相手だってこちらの研究内容を聞きたいから、ちゃんと待ってくれる



どうせ日本人は英語がヘタだろうから、みたいな寛大な気持ちを持って聞いてくれるのかな



そうそう。だから気楽にね



終わったら、観光もできる?



日程次第ではね。講演後の夕方とか、帰国便に乗る日とかは街を好きに見て回れるよ



やったー!
研究費で海外旅行♪



マジで怒られるからやめろ
56. 海外留学に行く時間がある



博士課程の途中で、海外の研究室にも行けるんだよね



行く人もいる。学振なり研究室のお金なりを使って海外で研究するんだ。自分もD1の秋から冬にかけてイギリス留学した



数か月も海外の研究室にいたら、日本との違いが見えそうだね。英語力も伸びる?



そりゃ、伸びるよ。英語ができなきゃ人間扱いされないから、必死で勉強して英語ができるようになる。自分も留学先が決まってから一生懸命勉強して、現地でも勉強して、どうにか現地生活できる程度には成長したよ



英語力もそうだけど、生活力も伸びそうだね。逞しくなりそう



そうだね。イギリスって現地民も多いんだけど、中華系の人たちがたくさんいる。研究機関に限っては、中国人が一番多いんじゃないかな。どこに行っても中国語が聞こえるもん



そうなんだ…



圧倒的アウェイのなか、スーパーで食料を買って料理したり、洗濯してちゃんと服を着たり、



ちゃんと服は着るでしょ



日本でできたことを外国でもやるのは大変だった。だから、日本に帰ってきてから日本で暮らすのがすごく楽に感じた



海外から帰ってきた人がよく「日本の素晴らしさがよく分かった」と言うけど、あなたも分かった?

















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