大学受験浪人時代に辛かった4つのエピソード

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。高校時代、京大農学部に不合格となり、一浪のすえ北大の総合入試理系に合格しました。不合格から合格までの一年間は今まで生きてきた中で一番辛い期間でした。ストレスのあまり嘔吐したり、何の前触れもなく涙が出たりと体に変調をきたしていたほど。

この記事では、大学受験浪人時代に特に辛かった4つのことについて記します。現役生の方は浪人の悲惨な実態を知るため、浪人生の方はもう一年浪人しなくて済むように本記事をお役立てください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

【5月】「無職はちょっと…」とスポーツショップで会員証を作らせてもらえなかった (辛み80/100)

浪人によるストレスを発散するため週に3日ほどランニングしていました。一回でおおよそ30分ほど走行。近所の神社へ小銭を持って「努力が報われますように…」と参拝をしに。京大に落ちた3月から走り始めます。ウェアは高校時代の体操服、シューズはランナーの父から貰ったお古。定期的に走っているとシューズの裏が摩耗してくるのです。かかとやつま先、母指球あたりの消耗が特に激しかった。

シューズに限界が訪れました。つま先に穴が開いたのです。アウトソールの摩耗も酷い。「こりゃ買い替え時だな」と新しいシューズを購入することに。向かった先は広島・JR天神川駅最寄りのイオン。大型ショッピングセンターの中の”スポーツオーソリティ―”に行きました。壁いっぱいに屹立するシューズを見て「どれにしようかなぁ…」と悩む。ジョギング用に永く使うものだから頑丈そうなシューズが良さそう。

30分ほど悩んだ末に新しい相棒を決めました。カッコいい。見るからに速く走れそう。週3どころか週4、週5で走るようになっちゃうかもな。勉強に支障をきたさないかが心配になってきちゃうほどだ。シューズと一緒にレジへ行ってお金を払おうとした時のこと。可愛い女性店員さんから「会員証はお持ちですか?」と何気なく聴かれたんですね。会員証を提示すれば何パーセントか割引となるから。高3までは持っていました。学生用のカードを作ってお得に商品を手に入れていたのです。高校卒業と同時に期限が切れた。浪人生となった今では前の会員証を使えません。「新しい会員証を作りたいです」と伝えました。すると店員さん、ニコニコ笑って「ではコチラの用紙に必要事項を書き込んでください^^」と仰りました。嗚呼、浪人生。人の笑顔を見ると涙が出そうに。泣きそうになるのをグッと堪えて「分かりました」と応じました。

一か所以外はスムーズに書けた。”職業欄”の箇所以外は。自分の職業って何なのだろう? 学生?ニート?それとも…無職?どのように書いたらいいか皆目見当がつかなかった。そこで店員さんを呼んで「浪人生って書いても良いですか?」と聞きました。店員さん、ちょっと困ってベテラン店員を呼びに行きます。やってきた強面の店員さんに「”浪人生”って何なんですか?」と逆に質問されました。何なのですかね…私にも分からない。返事に困って「高校生と大学生の中間種みたいなものです」と答えました。店員さん、「どういうことですか?」と首をかしげて説明を要求。ココでサラっと「学生ですよ」と言っておきゃこの後の悲劇は起こりませんでした。

・・・・・

苦労して10分ほど説明した挙句、私の職業は【無職】と見なされました。「無職の方は会員証を作れないんです」と作成をお断りされたのです。バキッと心の折れる音が。自分は無職。何者でもない。会員証さえ作らせてもらえない境遇。買いたかったランニングシューズを置き去りにして「そうですか…」とうなだれお店を後に。絶対に泣くまいと思っていたものの、イオンを出たら堰を切ったかの如く涙が溢れ出てきたのです。浪人生には何の権利もないのか。生きていたって無意味じゃないのか。逆になんで生きているんだ。辛い。辛い。あぁ、辛い。イオンから家まで1時間ほど号泣しながらトボトボと歩く。本気で死のうと思ったけれども死んだら店員に負けた気がして不愉快だった。

【8月】現役合格した同級生のキラキラした大学生活をSNSで目撃 (辛み30/100)

スマートフォンを手に入れたのは高校3年次の5月だったか。ピカピカのiPhone5を両手でひたすらいじりまくった。ガラケーよりずっとコンパクトながら電池もカメラも高性能。おまけに簡単にネットへ繋がる!調べたい事柄があっても手のひらの中で疑問が解消。高校時代、SNSはLINEのみインストールしていました。Twitter (現・X)やInstagramはやったらハマりそうだからしなかった。

高3の3月、京大に落ち、4月から河合塾の広島校へ。中高一貫男子校から男女比1:1の共学生活がスタート。あまり素直には喜べません。浪人せずに大学へ入ったら予備校と同じく共学生活だったのだから。浪人して困ったことの一つに社会との隔絶がありました。家と予備校の反復横跳びでは見える世界が尋常じゃなく狭い。浪人生と家族の顔しか見なけりゃ身体の認知機能が歪む。ボケまっしぐら。娑婆との何らかの関わりをどうにかして確保できないものか、、、

周囲の浪人生を観察していると、昼休み、何やらみんなスマホをポチポチしているようでした。いったい何をしているのか気になり友人に「お前、なんしよるん?」と聞いてみた。帰ってきたのは「Twitterよ」との言葉。当時、ネット用語に絶望的なほど疎く、「Twitterって何や?」と聞き返したほど。友人のスマホの画面を見ると、様々な人による大量のつぶやきで溢れかえっていたのです。初めて見たとき、私、あまりの情報量の多さに気持ちが悪くなってしまいました。他にもInstagramなる舶来品を使って遊んでいる浪人生もいました。 (いったい何がそんなに面白いのだろう…?)と最初は面白さが分からなかった。

夏休み、受験勉強の気晴らしが欲しくなってきました。勉強ばかりじゃどうしてもしんどい。私の心を癒してくれる存在が身近にないものか… あった。あるじゃん、SNSが。好きなアイドルや女優をフォローすれば癒しが簡単に手に入る。しかも無料。スマホの電池代さえあればOK♪ 初めてインストールしたアプリはInstagramでした。自分で投稿する用ではなく、あくまで観賞用としての使用用途。アカウントを作ってすぐさま乃木坂46をフォロー。乃木坂、大好きだったんですよ。浪人時代、なけなしの貯金をはたいてベストアルバムを購入したぐらい。起床直後と勉強前にInstagramで乃木坂を見る。 (あぁ、可愛いなぁ…)と頬を緩めてリラックスしてから勉強を開始

Instagramの良くない所は、アプリとスマホ内のデータとが勝手に紐づけられてしまう点。私の電話帳やLINEの連絡先に登録した方が私のアカウントの存在に気付くのです。コチラとしては乃木坂さんから癒して貰えるだけでOK。他の人とSNSで繫がるだなんて煩わしい。私の思いをよそに次々と高校の同期や乗馬の友達からフォローされます。フォロー返しをしなかったらしなかったで後で何を言われるか分からない。仕方なくフォローしてくれた方をフォロー。タイムラインが乃木坂色からグチャグチャのモザイク模様になった。

フォローを返した人たちがどのような投稿をしているのか試しに見てみた。いや~、マジで見なけりゃよかった。高校までは同じくドス黒い男子校生活を送っていたのに、今や可愛いガールフレンド (彼女?)と一緒に笑顔で写っていたのですから。あまりにキラキラの度が過ぎちゃって正視することができませんでした。「いいなぁ、羨ましいなぁ…」と灰色の予備校校舎内でつぶやく。かたや大学生、かたや無職。どこでこんなに差がついちゃったのかライフステージを一段、また一段と駆けあがっていく同期の姿を見ては「自分はいったいココで何をしているんだか…」とついつい切なくなってきました

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