こんにちは。札幌とつくばで蓄電池材料研究を行う工学系大学院生のかめ (M2)です。
現役時に京大農学部に不合格となり、一年の浪人生活を経て2017年4月に北大の総合理系へと入学しました。
難関大の入試の突破にあたり、たくさん勉強する必要があった事は間違いないと思います。
しかし、私は周囲の人間より遥かに音に敏感だったため、一般的な受験生より何倍も消耗しながら戦ってきたと自負しております。
この記事では、音に敏感だった私が北大に合格できるぐらいの学力を身につけられた勉強法についてご紹介します。
周囲の音に悩み煩わされながら合格へ向かい頑張っている過去の私のような受験生を応援したくてこの記事を作成しましたので、同じような悩みをかかえていらっしゃる方はぜひ最後まで見てもらいたいと思っています。
それでは早速始めましょう!
私の症例
まず最初に、私がどういった音に敏感だったかを述べていきたいと思います。
私が昔も今も毛嫌いしているのは以下の2つの音となります⇩
- 他人が鼻をすする際の”スンッ”とか”ズーッ”とかいった音
- 誰かが何度も咳払いをするときに発される”ゴホッ”という音
受験生時代には上記2つの音に対して胸に穴が開きそうなほど大きなストレスを感じており、こうした音に反応してイライラする気質に関しては大学院生になった今でもさして変わっておりません。
とにかくこれらの音はどんな手段を講じても耳に入れたくなかったです。完全集中モードに入っていない限り、これらの音が耳に入ってしまうと全ての作業が手につかなくなってしまうためです。
鼻水をすする音が聞こえるだけで背筋がゾクっとしてしまう上、自分の近く(半径1m以内)で派手に鼻水をすすられたら嫌悪感から吐きそうになってしまいます。
また、誰かが延々と咳き込んでいるとついつい舌打ちをしたくなり、たとえせき込んでいるのが友達であろうと家族であろうと、一刻も早くその空間から離脱したくなっちゃいます。
鼻水をすすったり咳き込んだりする際に発される音は多くの人なら容易にスルーできるみたいですが、私の脳はどうもこれらの音をうまく処理する事が出来ないらしく、そのせいで学校生活に大きな支障をきたしてしまっておりました。
私の親はこんなに音に敏感じゃないみたいです。
(もしかして私は何かの病気なんじゃないか)と何度自分を疑ったことか…
高2の時に自分の気質を自覚して以来、毎日通う学校や偶に行っていた映画館など、人の多く集まる密閉空間へ行くのが怖くなっていきました。
あまりに苦痛すぎて今まで誰とも遊んだことがなかったし、音が怖すぎて大学生になってもサークル旅行や研究室旅行に参加できませんでした……
音に敏感なのは精神病ではなく脳のある種の障害でした
(もしかしたら病気なのかも…)とは思いつつ、私は高2の終了時点まで誰にも相談できないまま一人で悶々と苦しんでいました。
そして、やはり聴覚過敏に悩まされていた高3のある時、とうとう堪えきれずネットで「鼻水をすする音が気になる」と検索してみたのです。
すると、私のようにストレスを抱えていらっしゃる方がたくさんいるという事が分かりました。
職場の隣の席が頻繁に鼻水をすするから、毎日音を我慢してグッタリしているんですよね
あの音を聞くと、腸が煮えくり返ってくるよ
など、私と同等、もしくはそれ以上に騒音と戦っていらっしゃる方がいると分かりました。
更に詳しく調べてみると、私のように特定の音に対して激しい怒りや嫌悪感を覚えるのはミソフォニア (音嫌悪症)という脳の障害であることが分かりました。
精神病というわけではなく、脳に生まれつき障害があってうまく音を処理できないらしいのです。
(あぁ、病気じゃないんだ…)と分かって少々安心はしたものの、勉強する際に特定の音に対して非常に強いストレスを感じる状況には何ら変わりがありませんでした。
という事で、勉強中のストレスを和らげるべく、私は自分専用の騒音対策を施して勉強することにしたのでした。
音に敏感な受験生のための勉強法
ストレスで体中に湿疹ができ始め、(さすがにこれを我慢していたら死んでしまう)と思ったため、どうにかして迷惑な音をシャットアウトする方法はないものかと必死に頭をひねって考えてみました。
そして、
- 学校
- 家
- 予備校
- 試験中
これらの場所・時間において、楽になれる方法をいくつか考案いたしました。
以下ではストレス緩和メソッドを一つずつ皆さんにご紹介します。
学校
まずは学校におけるストレスです。
- 一教室におよそ40名の同級生がおり
- 誰かが1分間に一度は鼻をすすり
- 少なくとも一人は何度も咳払いをして常に物音を生じさせている
このように、学校は私にとって圧倒的なストレス空間だったのです。
あまりにも辛くて学校をサボってしまったことも一度や二度ではありませんでした。
しかし、学校での嫌な音については、席替えの際に席を窓際の最前列にしてもらうことであっけなく解決いたしました。
私のクラス担任は席替えを抽選形式で行う人なのですが、席替えをする前に最前列の席だけは皆の好きに選ばせてくれたのです。
そこで、私はいつも最前列の窓側の席を確保し、常にわずかに窓を開けて教室内の音を外の音でかき消すことで嫌な音から解放されるに至ったのです。
そんなゴールデンシートを確保しても、高3の時、鼻を頻繁にすする癖のある子 (すすラー)が私のすぐ後ろの席に一度だけ座った事がありました。
このときは、
申し訳ないけど、鼻すすらないでくれる?オレ、その音嫌やけん
と頼みこみ、鼻すすりをやめてもらうようにお願いしました。
幸運にもその学生が優しい性格だったので万事円滑に解決し、おかげで高3時代の私は学校にて心を落ち着けて生活できました。
私のように”すすラー”に悩んでいる人も「鼻水すすらないでくれる?」と頼んでみるとトラブルを解決できる場合がありますので、ずっと音を我慢しているぐらいなら勇気を振り絞ってお願いしてみると良いのではないかと思います。
”すすラー”は大概、その音が周囲に嫌な印象をもたらすなど夢にも思わずすすっております。
中には鼻を無自覚のうちにすすっている人もいるようですから、「すすらないでくれる?」と頼めば十中八九すするのをやめてくれるでしょう。
なお、人前で鼻水をすすっても良いのは先進国の中で日本だけみたいです。欧米諸国で鼻水をすするのはゲップと同レベルにマナー違反。だから、”すすラー”にイライラしている方は留学して海外に飛び出しちゃうのも一つの案かもしれません。
家
次に、家の中での嫌な音について解説します。
私には専業主婦の母がいるのですが、家での滞在時間が非常に長く、常に鼻水をすすったりせわしなく動き回ったりしていたため、私の2年間の受験生生活において常に勉強集中を妨げてくる最も厄介な存在でした。
「鼻水をかんでくれ」と何度お願いしても「もっと寛容になりなさいよ!」と逆ギレされて鼻水をかんでくれず、部屋の外から響き渡る”ドスドス”という足音は私の勉強勉強を何万回中断させたか数えきれないほどです。
そんな厄介な騒音でしたが、
- 勉強中は耳栓をする
- 勉強を音読主体に切り替える
- 窓を少し開け、室内の音を室外の音で打ち消してやる
- 誰も起きていない早朝に勉強する
この4つの対策により、どうにか勉強し続けられる程度には環境を整えられました。
まず、耳栓のおかげで耳から入って来る音を物理的にシャットアウトできました。
耳栓のおかげで母が鼻水をすする音はほぼ完全に遮断されて楽になれたし、同じマンションのどこかで飼育されている犬の喚き声もほとんど気にならなくなりました。
次に、音読主体の勉強法にした理由は、手を動かすよりも口を動かした方が集中できたからですね。
口を動かすと自分の声がよく耳に入ってくるため、イライラの源となる雑音があまり聞こえなくなったのです。
英語や日本史などの暗記系科目はもちろん、数学や物理など思考系の教科まで音読主体に切り替えていき、解答の指針やストーリーを頭に刻み込むようにして毎日勉強しておりました。
最終的には口ではなく手を動かして解けるようにするのですが、自分だけの力で解き切る前段階として音読により大まかな指針を掴む勉強法は私の受験生時代の得点力アップに大いに貢献してくれました。
また、窓を開けて勉強する事で家の中の雑音を打ち消すのに成功しました。
ミソフォニアの治療法の一つに”不快になる音よりもっと大きな音を聞き続ける事で不快感を軽減させる”というものがあるらしく、どうやら私はいつの間にかそうした専門的な対処療法にたどり着いていたみたいです。
最後に、そもそも騒音をたてる人が起きていない時間に起床し、おかげで何にも煩わされず深い集中状態でガリガリ勉強できました。
私の母は朝6時に起きるので私は朝4時に起床し、母が活動を開始するまでの約2時間、ぶっ倒れるぐらい集中して勉強していたのです。
予備校(浪人時代)
私は浪人生活の一年間を河合塾にお世話になり、その予備校でも吐きそうになるほど嫌な音に苦しめられておりました。
浪人生は生活リズムが崩れるから鼻が詰まりがちになってしまいます。そんな人たちに360度囲まれて長時間授業を受けるわけだから、常に教室のどこかから発されたズルズル鼻水をすする音が耳に入ってしまうのです。
一般に、予備校では学生の飛び降り自殺を防ぐため、窓が簡単には開かない仕組みとなっています。
だから高校時代のような窓開け戦法は使用できず、途方に暮れた私は”授業に出ない”という非行少年もお顔真っ青になるような最終手段へとうって出ました。
授業時間は塾の屋上の静かな自習室で勉強しました。
そして、授業が終わり、自習室へ学生が集まる時間になると、予備校のエレベーターホール前の机にて太陽が沈むまで勉強した。
エレベーターホールって常に人通りがあるから多少騒がしいんですけれども、その音のおかげでイライラさせられる音を聞かずに済んで逆に集中できました。
さすがに全ての授業に出なかったらチューターさんから(どうしたんだろう)と怪しまれるため4回に1回ぐらいの頻度で授業に出席しておりましたが、予備校内での私の居場所は講義室ではなく、基本的に自習室かエレベーターホールでありました。
授業に出ている学生と差がついてしまう危険性は重々承知の上で出ませんでした。それほどまでに、授業に出てストレスをためて自主勉強に集中できず、テストで成果を発揮できない方がよっぽど怖かったんですよ。
高額な授業料を支払ってくれた親には大変申し訳のない事をしたと思っていますから、浪人時代にかかった予備校代の68万円に関しては就職後にきちんとお返ししようと思っています。
試験中
最後は試験中のストレスです。
いくら集中してテストを受けたいと思っていても、鼻水をすする連中が隣にいると問題が頭に入らず全く解答できないのです。
試験中だからもちろん耳栓を使えませんし、席を移りたくても”うるさいから”という事情じゃ「我慢しなさい」の一言で終わってしまいます。
こればかりは北大に合格するまで全く解決方法が思い浮かばなかったのですが、難しくて意味の分からない大学の試験を受けている最中にその解決法を閃いたのです。
私が大学で受けた授業の一つに
- 必修授業なのに評価が厳しく
- もしその教科を落としてしまったら留年が決まってしまう
という恐ろしい講義がありました。
そして、思い返してみると、その超厳しいテストに臨んでいる最中は周囲の音が全く気にならなかったのです。
点をかき集めなければ単位をとれず留年してしまいますし、留年だけは避けたいから何としても答案に何か書こうともがき続けていたのです。
そうして集中している間は無我の境地に入り、嫌な音どころか物音ひとつ耳に入りませんでした。
この経験を活かし、それ以降のテストでは、“この試験に落ちたら大学をクビになるぞ”と自らを脅すことにより、自分史上最高の集中力を意図的に発揮して試験中のストレスを全て帳消しにすることができたのです。
それこそ文字通り『命懸け』です。体中の力をかき集めてフルパワーで集中状態を形成・維持していきました。
そういえば、留年をかけたテストだけではなく、旧センター試験や現役・浪人時代の国立大二次試験の時も、周囲の音が全く気になりませんでした。
つまり、人生が賭かっていれば多少の雑音は気にならなくなるものなのでしょう。
普段の家での自主勉強から常に命懸けで問題に取り組むのは現実的に不可能だと思います。
しかし、ここ一番の時は誰だって集中する事は可能ですから、鼻水をすする音に敏感な人も試験の時だけは症状が軽減されるので、どうかあまり気にせず試験会場に向かって頂きたいと思います。
最後に
音に敏感な受験生のための勉強法はコレで以上となります。
”音に敏感”というだけで他の受験生にハンデがある学生の気持ちは本当に共感できるのですが、我々聴覚過敏者に遠慮してくれる優しい受験生など実際には誰一人として存在いたしません。
一人でもライバルを減らすため大げさにページをめくって音を立てる人間もおりますし、わざと鼻水をズルズルすすって集中力をかき乱してくる性格の悪い人間の隣に座って試験を受けた経験もあります。
我々がそんな奴らに勝つためには、奴らの何倍も努力して圧倒的な学力を身につける必要があります。
多少集中を乱され実力を発揮できなくても合格ラインを突破できる実力を持っていれば試験本番で何も恐れる事はありませんので、音に敏感な受験生各位には私の勉強法をいろいろアレンジしていただき、最強の学力を身にまとった状態で試験に挑んで頂きたいと思っています。
以上です。
コメント