【ミソフォニア・HSP】音に敏感な受験生専用の集中力を高める勉強法

札幌とつくばで研究している北大化学系大学院生かめです。2017年、一年の浪人生活を経て北海道大学の総合理系に入学しました。現在は最先端の材料研究に携わる一方で、受験期に直面した特異な困難とその克服方法について、改めて考察を深めています。

受験勉強において、集中力の維持は極めて重要な要素です。図書館や自習室で静かに学習できる環境を確保できればそれに越したことはありません。しかし、教室での授業や試験会場など、必ずしも理想的な環境が得られるとは限りません。特に、他者の発する音に対して強い過敏性を持つ場合、その困難は計り知れないものとなります。私自身、特定の音に対して生理的な不快感を覚える体質を持っていました。難関大学に合格するには当然ながら相応の努力が必要です。しかしそれ以上に、通常の受験生とは異なる「音との闘い」を強いられました。

この記事では、音への過敏性を抱えながら、いかにして北大合格レベルの学力を獲得できたのかについて詳しく解説します。教室や自習室での対処法、試験本番での心構えなど、実践的な内容を中心に展開していくつもりです。同様の悩みを抱える受験生の方々に、私の経験が少しでも参考になれば幸いです。また、教育に携わる方々にとっても、音に敏感な生徒への理解を深める一助となることを願っています。

それでは早速始めましょう!

私の症例

私が直面していた聴覚的な困難について説明します。特に強い不快感を覚えたのは、以下の二種類の音でした。

  1. 鼻をすする際の「スンッ」「ズーッ」という音
  2. 咳払いの際の「ゴホッ」という音

これらの音に対して、私は生理的とも言える強い嫌悪感を抱いていました。その程度は尋常ではありません。胸に穴が開くような激しい不快感を感じました。完全な集中状態でない限り、これらの音が耳に入った瞬間、全ての思考が停止してしまいます。特に鼻水をすする音は、聞いただけで背筋が凍りつきました。至近距離で発せられた場合には吐き気を催すほどです。また、誰かが継続的に咳き込んでいる場合、たとえそれが親しい友人や家族であっても、その場から即座に離れたくなりました。

このような症状は高校2年生の時期から顕在化し、人が密集する空間、特に教室や映画館などの閉鎖的な環境に強い不安を感じるようになりました。その結果、社交的な活動を制限せざるを得なくなり、大学入学後も研究室旅行やサークル活動への参加をためらう日々が続いたのです。

音に敏感なのは精神疾患ではなかった

高校2年生の終わり頃まで、この症状について誰にも相談できず、一人で悩み続けていました。高校3年生になり、聴覚過敏の症状に耐えきれなくなった私は、思い切ってインターネットで「鼻水をすする音が気になる」と検索してみました。

すると、予想以上に多くの人が同じ悩みを抱えていることが分かりました。「職場の隣席が頻繁に鼻水をすすり、毎日音を我慢してグッタリしている」「その音を聞くと、腸が煮えくり返る」など、私と同じように、あるいはそれ以上に苦しんでいる方々の声が見つかりました。さらに調査を進めると、特定の音に対して激しい怒りや嫌悪感を覚えるのは、ミソフォニア(音嫌悪症)という脳の機能障害であることが判明。精神疾患ではなく、脳が生来的に特定の音を適切に処理できない状態だったのです。

病気ではないと分かって安堵はしました。けれども、勉強中に特定の音へ強いストレスを感じる状況は変わりませんでした。そこで、勉強の効率を上げるため、私なりの騒音対策を実践することにしました。

音に敏感な受験生のための勉強法

体中に湿疹が出始めるほどのストレスに耐えかね、どうにかして不快な音を遮断する方法はないかと考えました。その結果、以下の場面ごとに効果的な対処法を見出すことができました。

学校での対策

学校は私にとって最大のストレス空間でした。一教室に約40名の同級生がいて、誰かが常に鼻をすすり、少なくとも一人は咳払いを繰り返していました。この環境は耐え難く、時には学校を欠席することも。

しかし、この問題は意外にも簡単に解決できました。席替えの際、最前列の席だけは生徒の希望が通る制度を活用し、常に窓際の最前列を確保したのです。窓を少し開けることで、教室内の不快な音を外の音でマスキングすることができました。一度だけ、頻繁に鼻をすする生徒が私の後ろの席になったことがありました。その時は勇気を出して「申し訳ないけど、鼻すすらないでくれる?その音が苦手なんです」と伝えました。幸いにもその生徒は理解を示してくれ、問題は円満に解決しました。

実は、人前で鼻水をすすることは日本特有の習慣です。欧米諸国ではマナー違反とされ、ティッシュで適切に処理することが常識とされています。そのため、音に敏感な方にとって、海外留学は一つの選択肢となるかもしれません。

自宅学習環境の整備

家庭内での最大の課題は、専業主婦である母の存在でした。母は家での滞在時間が長く、常に鼻をすすったり、せわしなく動き回ったりしていました。「鼻水はティッシュでかんでほしい」とお願いしても、「もっと寛容になりなさい」と逆に叱責される始末。足音による勉強の中断は数え切れないほどでした。

この困難な状況に対して、以下の四つの対策を講じました:

  1. 耳栓の活用で物理的に音を遮断
  2. 音読中心の学習方法への転換
  3. 窓を開けて外の音で室内の音を相殺
  4. 早朝の静寂な時間帯での学習

特に音読による学習は効果的でした。自分の声で教材を読み上げることで、外部の音が気にならなくなったのです。英語や日本史などの暗記科目だけでなく、数学や物理といった思考系科目でも、解法の手順を声に出して確認することで、より深い理解につながりました。また、早朝4時という誰もが活動を始める前の時間帯に起床し、母が起きる6時までの約2時間を集中的な学習時間に充てました。この静寂な時間帯での学習は、驚くほどの効率の良さで学力を高めてくれたのです。

予備校での対応策

浪人時代を過ごした河合塾でも、新たな困難に直面しました。

浪人生は生活リズムが乱れがちで鼻づまりになりやすく、教室内では常に誰かが鼻をすする状況でした。予備校では自殺防止のため窓が開かない設計。学校時代の窓開け戦略が使えません。

苦渋の決断として、私は通常の授業参加を大幅に制限することにしました。授業時間中は塾の屋上にある静かな自習室で独学を進め、自習室が混雑する時間帯にはエレベーターホール前の机で学習を続けたのです。エレベーターホール前は人通りが絶えず、一見すると学習には不向きな場所に思えます。しかし、その環境音が逆に特定の不快な音を打ち消す効果をもたらし、むしろ集中しやすい環境となりました。授業には4回に1回程度の頻度で出席し、チューターの懸念を避けるよう配慮しました。

高額な授業料を支払ってくれた両親には申し訳ない選択でした。しかし、授業でストレスを溜めて自主学習に支障をきたすよりも、独自の学習環境を確立する方が得策だと判断しました。予備校にかかった68万円については、就職後に返済する所存です。

試験中

最後に残された課題が、試験中の対策でした。試験会場では耳栓の使用が認められず、席の移動も「うるさいから」という理由では許可されません。この問題は、北大に合格するまで有効な解決策を見出せませんでした。

しかし、大学入学後の経験から、重要な気づきを得ることができました。必修科目の中に、落第すれば即座に留年が確定する厳しい講義がありました。その試験中、驚くべきことに周囲の音が全く気にならなかったのです。単位を落とせば留年は避けられない―その切迫感が、完全な集中状態をもたらしたのでした。この経験を活かし、以降の試験では意識的に「この試験に落ちたら大学を退学」という極限状態を想定することで、最高レベルの集中力を引き出すことに成功しました。実際、大学院進学後に受けた資格試験の際も、この方法で周囲の音を気にせず受験できました。

極度の緊張感を伴う状況下では、通常なら気になる雑音も意識から消え去るのです。日常の学習においてこのような極限状態を維持することは現実的ではありませんが、試験本番ではこの特性を活用することで、症状を一時的に抑制できます。

最後に

音に敏感な受験生のための学習方法について、私の経験を詳しく紹介してきました。

音への過敏性は、他の受験生には存在しないハンデとなります。中には、意図的に大きな音を立てて妨害する不届き者もいるでしょう。しかし、そうした逆境に屈することなく、独自の対策を講じることで十分に戦えます。効果的な学習環境を整え、必要な時には非常手段も辞さない覚悟を持って、目標に向かって邁進することが重要です。圧倒的な実力を身につければ、多少の外乱があっても合格ラインを突破できるはずです。

本稿で紹介した方法はあくまでも一例。音に敏感な受験生の皆さんには、これらを参考に自分に合った学習方法を確立し、最強の学力を身につけた上で試験に臨んでいただければと思います。

以上です。

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