【30日目・リア幸-40】10/31 (火):ハロウィン
今年は渋谷でハロウィンにかこつけた集会が規制されたらしい。そりゃそうだ。仮装してそこら中にゴミと騒音をまき散らして帰る群衆になど来て欲しくはなかろう。そもそもハロウィンとは如何なるものか?騒いでいる日本人の大半はきっと知らずに騒ぎまくっているのではないか。実のところ、私自身もあまりよく存じ上げない。せっかくイギリスへ留学するのだから本場のハロウィンを見てみたかった。
夜、ラボからCity Centreへバスに乗って無事帰還。TESCOで夕飯と明日の昼食を買って外に出てみると、お面や衣装をまとった大人が至る所で徘徊していた。決して騒ぎ立てはしない。静かに、静かに徘徊している。大人の周りを子供たちが取り巻く。「Trick or treat! (お菓子をくれなきゃぶっ飛ばすぞ!イタズラするぞ♪)」と無邪気な笑顔でスキップしながら駆け回る。大人も随分と慣れたものだ。「分かったよ」と背中からお菓子を取り出す。しゃがんで目線を子供に合わせる。「どうぞ♪」とお菓子をプレゼントする。ちびっ子らは気を良くしたのだろうか、近くに居を構える個人営業店へ次々果敢に突撃していく。店へ入るたび大量のお菓子を得られて満面の笑みを浮かべる。私も子供に交じって一緒に「お菓子をよこさんかい!」と言ってみようかと思った。25歳のPh.D. candidateにお菓子を恵んでくれるほど世の中は甘くない。
住宅街まで歩くと中心地で聞いたのと同様の声が。「Trick or treat!」と近所の家を襲撃し子供がお菓子を巻き上げて去る。もしハロウィンだと知らずにこの光景を見ればきっと強盗じゃないかと思うはず。ハロウィンだからこそ許されている犯罪スレスレの営みである。ちなみに翌日、同じことをやったら、「もう (お菓子を) あげないよーだ」と断られてしまうらしい。こうしてイギリスの子供は大人の世界の厳しさを肌で感じていくのだろう。
子供たちの微笑ましい様子を垣間見て自分のハロウィンを思い出してみた。まだ幼稚園児の頃、一度だけ親に「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ…!」と決戦を挑んでみた経験がある。父も母もハロウィン文化にあまり明るくなかったせいだろうか。母には「歯が悪くなるからお菓子なんて食べちゃいけません!」と本気で説教され、父には「は?お前シバくぞ」と頭をしこたまドツかれお菓子を貰えず仕舞いに終わった。我が家ではハロウィンにかこつけた行事は何ひとつ行われなかった。小学生になってからクリスマスだけは毎年プレゼントをきちんともらえたのには感謝。
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