研究室生活春夏秋冬vol.12 B4・2月 卒論発表失敗。新四年生に向けて研究室紹介

目次

初旬:卒論発表でド緊張。舌がフリーズして動かなくなる

学会発表と発表練習を経て課題を見出し、自主練習を重ねてきた私は、少しずつ自信を持ち始めていた。これまでプレゼンが苦手だと思い込んでいたのは、単なる練習不足と経験不足だったのではないか。むしろプレゼンは得意分野かもしれないという、新たな認識が芽生えていた。

ブログ運営からも分かるように、私は人に何かを伝えることが本来好きな性質だった。コミュニケーションが苦手で上手く伝えられないことも数多くあったが、自分の想いや考えを言葉にしたいという情熱は一度も消えたことがなかった。研究発表においても、自分の研究の面白さを伝え、聴衆をワクワクさせたいという思いで臨めば、生き生きと楽しくプレゼンできるはずだった。

そんな前向きな気持ちで卒論発表に臨んだものの、現実は厳しかった。発表時間が近づくにつれ、笑顔は強張り、緊張が増していった。「大丈夫、楽しもう」と何度も自分に言い聞かせたが、緊張は少しも和らがなかった。

プレゼン本編は何とか無事に終えた。その後の質疑応答で完全に崩壊した。電気化学分野の先生から基本的な質問を優しく投げかけられたにも関わらず、脳が停止してしまい、まともな返答ができなかった。「落ち着け、冷静になって」と自分に言い聞かせて深呼吸を試みる。どこかへ飛んでしまった意識を取り戻すことはできなかった。

パソコンの画面を閉じた瞬間、「この一年、自分は何をやってきたんだ」という思いと共に涙が溢れた。普段なら簡単に答えられるはずの質問にも対応できず、一年間の努力を水泡に帰してしまった悔しさ。しかし、それ以上に、お世話になった指導教員やM2の先輩への申し訳なさが胸を締め付けた。

「同じ失敗は二度としない」。この誓いを胸に、1ヶ月後の全国学会を名誉挽回の機会と定め、春休み中は徹底的に発表練習に打ち込んだ。ました。

下旬:新たな仲間を迎える準備

2月末、新四年生向けの研究室紹介が行われた。これは各研究室が15分の持ち時間で研究内容や日常生活を紹介し、興味を持った学生をリクルートするイベントだ。多くの学生は既に志望研究室を2~3つに絞っている。、このプレゼンの主な目的は「この研究室は大丈夫な場所だ」と安心感を与えることにある。

M1の女性先輩が作成したプレゼン資料を使用し、先輩と私、そして研究室のボスの3名で紹介を行った。反響は平均的。翌年度に配属された新四年生からも「特に印象に残っていない」との感想があった。しかし、「問題のない研究室」というメッセージは確実に伝わったようだ。当初の目的は達成された。

3月には英語論文のアクセプトと全国学会での発表という新たな挑戦が待っていた。一歩ずつではあるが、研究者としての成長を実感できる日々が続いていた。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

カテゴリー

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次