こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2)です。D1の1月中旬から就活を始め、それから約1か月で某大企業に内定しました。
修士までの就活と違い、博士学生の就活に関する情報をネットであまり見つけられません。そもそも新卒扱い/中途扱いのいずれなのか、いつから就活を始めたら良いのかなど、肝心なところが何も分からず私自身、就活時にかなり困らされました。特に困ったのが面接対策。何を聞かれるか一切分からぬままスタートした面接はもはや恐怖でしたね笑。
この記事では、博士就活の中でも特に重要な最終面接対策について述べます。
- 面接で何を聞かれるのか知りたい方
- バッチリ対策を施し、万全の態勢で最終面接に臨みたい方
こうした方々にピッタリな内容なのでぜひ最後までご覧ください。

それでは早速始めましょう!
研究関連
何を研究しているの?


ウォーミングアップがてら最初に聞かれたのが研究概要。”何を研究しているのか簡単に教えて下さい”といったもの。ここで役に立ったのがスライド資料。「画面共有しても良いですか?」と許可を取り、研究背景や研究内容を簡単にまとめたスライドを映しました。口で説明しても相手に深く理解していただけるとは限りません。1分ベラベラと喋り続けるより、10秒程度でサクッと「ココとココに着目して研究をしております」と伝えた方が分かりやすいです。スライドの準備は”任意”とされていました。念のため作成しておいて本当に良かったと思います。
研究概要の伝え方のポイント!学会発表のように”相手が何でも知っている”前提で話すのではなく、中学・高校生にも分かる程度にまで抽象度を落とし、かつなるべく平易な言葉で伝えて下さい。面接官は我々の難しい話を分かりやすく話す能力の有無を注視しています。得意満面で難しい話をしても、(コイツ、さっきから何を言ってんねん…)と呆れられて一巻の終わり。アピールポイントを踏み外さぬように。相手に訴えかけるのは研究の難易度や重要性でなく、物事を平易な言葉で端的に伝え切るコミュニケーション能力です。
研究の最終的なゴールは?研究で味わった困難、およびそれを乗り越えるために用いた方法は?


研究に関連して、自分の研究の目的や最終目標(何を目指しているのか)をも問われました。ある現象の起因を調べるのか、現象の包括的な分析を試みるのか、またはその現象が起こらないよう対策を考えるのか、などといったこと。私はリチウム (Li) 金属を電池の負極に適用するのが最終目標。そこには到達しないかもしれないけれども、充放電反応で生じるLiデンドライトの生成理由を突き止めるのが目的。
研究で味わった困難やそれを乗り越えた方法も聞かれました。”大学での研究で培った能力が会社でも役立つ普遍的な能力かどうか”と本質的なものを見定める質問ですね。私の場合、
- 困難:Liデンドライト析出現象を解決するための方策が思い浮かばなかった
- 解決策:論文や専門書を読みこんだ。それでもサッパリ分からなかったので図書館へ行き、関連のありそうな分野の入門書を次々と開いて読んでみた。すると、専門分野 (電気化学)へ新たに別分野 (流体力学)の知見を取り入れることで課題解決の見通しが良くなった。今は流体力学を勉強しつつ、デンドライト析出の問題解決に向けて動いている
と答えました。研究は困難だらけです。一番簡潔に答えられそうなエピソードを引っ張り出して喋ればOK。
どうして大学で研究を続けないの?


博士就活では定番の質問。「アカデミアで研究を続けるのではなく、どうしてわざわざ企業へ行こうと思ったの?」と素朴な疑問をぶつけられるのです。大学と企業とでは目指す方向性が幾らか異なります。大学は利益度外視で知的好奇心を解決できるのに対し、企業はお金を稼ぐのが第一。知的好奇心の探求は二の次なのです。「研究がやりたくて博士に行ったんでしょ?どうして企業?基礎研究できなくなるかもしれないよ?」と。ここで間違っても「アカデミアに未来が無いから」とか「給料が安すぎるから」と言ってはダメ。面接ではなるべくポジティヴな理由で答えた方が印象を上げられます。
私の場合、自分の将来を考えてみたとき、電池の本質に迫るよりも、電池を載せた製品を作り、それを見ている方がやり甲斐に繋がるのではないだろうかと感じました。仮に基礎研究を続けるにしても、早晩(オレの作った電池を載せて車を走らせたい!ショベルカーを動かしたい!)といった欲求が浮かび上がって来るのではないだろうか、と。私の企業への答えはシンプルなもの。「”基礎研究よりモノ作りがしたい自分が居る”と気付かされたから」。大学に入って研究に打ち込んでみて、『根本原理の発見』よりも『根本原理に則った応用例を操り、新しいものを創り出したくなった』というのが本心。当然ながら、(日本の劣悪なアカデミア環境を飛び出したい)という強い想いはありました。しかし、そんなことを企業の方に言ったって「知らんがな」の一言でお仕舞いなんですよね。
研究以外
研究関連の質問だけで終わりなのかと思っていたら、研究以外の質問も全面接時間の半分程度の時間を使って行われました。
強みは?弱みは?


まず、自分の強みと弱みを問われました。強みよりも弱みの方をググっと深掘りされた形。時間にして、強み:弱み=1:4ぐらいでしょうか?まぁ、そりゃ当然です。給料を支払う側に立ってみると、自分のことを多角的にしっかりと捉えられている人間を採用したいですものね。強みだけアピールされても逆に(この人を採っても大丈夫なのかなぁ…?)と訝しんでしまいます。弱みも率直に教えてくれる応募者の方がよっぽど誠実に見える。
私の強みは飽くなき向上心。成果を出しても慢心せず、更なる高みに向かって突き進められる。”自分の最善を常に尽くそう”と志すイメージ。最善を尽くすには努力が必要だし、周囲からのアドバイスにも率直に耳を傾け、取り入れる柔軟さを持っています。弱みは猪突猛進な所。最善手を突き詰めようとした結果、ついつい周りが見えなくなって沼にハマったり心身を害したりするのです。猪突猛進な性格の自覚があるため、物事に取り組む時はなるべく肩の力を抜くよう意識しています。それでもたまにやりすぎてしまう。現に、昨年の10月から始めたオックスフォード大学留学では気負い過ぎて体を壊してしまいました。同じ失敗は二度とはしません。今回の留学で犯した過ちを繰り返さぬよう今後は用心して参ります…
いま述べたようなことを纏めてサラっと回答しました。強みと裏返しな弱みの回答例を事前に作っておくと本番でスムーズです。
学生時代に頑張ってきたことは?(ガクチカ)


いわゆるガクチカも問われました。中途採用扱いなので学生時代のことは聞かれないだろう、、、と油断していたらガクチカを聞かれましたね。ガクチカにはマラソンの話をしました。ブログの話をしようかと迷ったけれども、話の流れ的に泥臭さを伝えた方がウケが良さそうだったのでマラソンを選びました。話したのは以下のような内容⇩
父親の影響で学部一年次にランニングを始めました。とはいうものの、何をどう練習したらタイムが上がるのやらサッパリ分かりませんでした。シューズの選び方さえ知らなかったのです。やる気だけはあるこの丈夫な体をどう鍛えていくか考えました。そこでまず駅前の書店や大学の図書館に行き、陸上競技の練習法が記されている本を入手し読み込みました。次に自分の体を実験台とし、年単位で練習に打ち込み、どの方法が自分に合っているのか試しました。膝をケガし、一か月程度走れなかった辛い時期もあります。そんな時は懸垂で上半身を鍛え、足が治るまでグッと耐え忍びました。ケガをしては治って走り、またケガをしては…を何べんも繰り返しました。練習の結果、B3の11月にはマラソンで2時間59分、その2年後には2時間47分で走れるようになりました。現在進行形で頑張っているランニングを通じ、諦めないことの大切さ、および頑張って報われることの気持ち良さを学びました。御社に入社後もランニングを続け、自分を鍛えつつ業務に有用な力を養い続けたいと思って言います。
最後の方を除き、面接で喋ったガクチカは学振DC1の申請書に記した内容とほぼ同じです。一生懸命頭を使って申請書を作っておいて良かったなぁ、と。
後輩の指導経験はあるか?指導するとき、何を心掛けているか?


コレも博士就活定番の質問だそう。
博士学生は研究室でも上の方の年次になります。後輩の面倒を見たりアドバイスを送ったりする場面も多い。企業はそこで培われた『人材育成力』を大いに期待しています。博士学生は企業へ入社してから数年後、研究室と同様、後輩の面倒を見る役割をアテにされているのです。将来のリーダーたる博士学生がちゃんと面倒を見られる人材かどうか?もし見られたとして、それは問題のない、適切な見方なのだろうか、と確認するための質問。私が回答したのは以下のような内容⇩
私の場合、直属の後輩は居りません。ただ、研究室のゼミで後輩に対してアドバイスを送ったり、普段、研究にまつわる素朴な疑問に答えてあげたりしてあげています。私は研究室で4年ほど過ごしてきました。彼らの抱える問題の大半は私にとっては経験・解決済みです。彼らに何か助言するときは、彼らが試行錯誤する余地を奪わぬよう注意しています。質問に答える時にも100%疑問を解消してあげるのではなく、疑問を解消する足掛かりを作ってあげる程度にとどめています。もし私が100%解決してしまったらどうなるか?彼らが創意工夫力を養成する機会が奪われ、彼らの研究能力向上のチャンスが損なわれてしまうのです。自分が研究室で若輩だった時、何でもかんでも教えてくれる先輩でなく、問題解決への道筋をほのめかしてくれる先輩の方が好きでした。理想的な先輩になれているかどうか正直分かりませんが、後輩の成長の邪魔をしない、遠くでそっと見守るスタンスの先輩で居たいと考えています。
自分より下の世代とうまく付き合うには、付かず離れずの関係性を保つことが重要です。何でもかんでも教えてあげていたら後輩が(どうせ先輩に頼ったら何でも解決してくれるし♪)と甘えてくるし、かといって「全部自分でやりなさい!」と突き放したら(あの人は何も教えてくれないし…)と求心力の低下に繋がるでしょう。均衡のとれる、両者の中間を狙って人付き合いするのが重要なのです。研究室で後輩と日々過ごしていくうちにこのバランス感覚が何となく分かってきました。
挫折経験は?それをどう乗り越えたか?


”仕事を簡単に投げ出さない人間か”と見定めるための『挫折経験』にまつわる質問をされました。成功ばかりの人間はキラキラと輝いて見えますが、一度挫折すると立ち直れず、連勝街道に復帰できぬ可能性があります。意外と脆いんです、成功続きの人の方が。挫折経験のある、それも人生が変わるほどの挫折を経て立ち直ってきた人の方がしなやかで打たれ強い。
私の場合、乗馬の大会での大失敗@中二、および大学受験浪人@高三について語りました。乗馬では全国大会で派手にやらかして関係各所に大迷惑をかけたのです。(次はこの人たちを笑顔にしたい)と考え、中二から中三にかけて猛練習を重ねました。ただやみくもに練習しても同じ失敗をするでしょう。そこで上手い選手の乗り方を真似たり、どういうことを考えて馬に乗っているのかを分析しました。自分に合った乗り方・考え方を模索し、あるとき”コレだ!”という騎乗方法を発見しました。中三の夏、その良い感覚を一日十時間もの猛練習で研ぎ澄まし、10月の岐阜国体での優勝に繋げました。
また高三の3月、第一志望の大学に落ちてしまいました。中三の頃から志望していただけに落胆も相当なものがありました。しかし、”来年こそは合格してみせるぞ!”と気持ちを切り替え、勉強に励むことを決意したのです。いつまでも悲しんでいては永遠に合格を手繰り寄せられませんからね。大学受験での敗因を分析してみると、ケアレスミスや基礎力の低さの2つが問題点として見つかりました。浪人時代の前半期はそれらの解決に充て、夏休みの模試でA判定&成績優秀者として冊子掲載という成果に繋げられました。後期は応用力や実戦力の向上に充てました。油断なく勉強を続けた結果、北大への合格を成し遂げられたのです。
私が挫折を乗り越える方法は『分析と努力』、この二本槍です。双方を有効に使い、これまで失敗を乗り越えてきました。
運は強い方か?


面接の一番最後に問われたのが自分の運気にまつわる質問。完全に予想外の質問だったので冷や汗をかき、面食らってしまいました。企業的としても運気の強い人間に来て欲しいですよね。一人一人の運気が社運を作り、ひいては地域の行く末を左右するのですから。ただ面接中、私はあまりに動転し、あまりスムーズに答えられませんでした。(もう少し落ち着いて答えればよかったなぁ…)と深く反省している次第です。話した内容は以下の通り⇩
運気は、、あると思います。普段、その運気を感じることはありませんが、勝負事のとき、特に絶対に失敗してはいけない時の運気は相当強いです。中三から高三にかけて四年連続で出場した国体では、毎年優勝・入賞といった成績をもぎ取って広島に帰ってきました。大学受験でも現役時代は失敗してしまったものの、もう後がない浪人時代にはちゃんと合格できております。また、大学では一度も単位を落としたことがありません(一同、笑)。マラソン大会でも”ここで結果を残す!”と決めた大会で必ず自己ベストを叩き出しています。
勝負がかかっていない時の運気は正直、あまり強くありません。むしろ弱いと思います。”トコトンついていないな”と落ち込む場面も多々ありますから。ただそれは、”いざ”という事態に備え、良い結果を得るため運気を積み立てているのではないかなぁ、と。運を使わなくても構わぬ日常的な出来事では運気を節約し、ここぞという時に運気を一極集中させてゴリ押しで成果をもぎ取るイメージですかね。
皆さんは運気が強い方ですか、弱い方ですか?面接前に少し考えておくと良いかもしれません。
最後に
某大企業の博士就活・最終面接で聞かれた内容はこれで以上になります。皆さんの就活に役立てて頂けると幸いです^ ^
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