【博士就活】最終面接で評価してもらえたこと|博士学生のアピールポイントはココだ!

こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生のかめ (D2)です。D1の1月中旬より就活を始め、それからおよそ一か月後に某大企業へ内定しました。

この記事では、最終面接後のフィードバックメールにて評価していただけた項目について記します。

  • 何をアピールすれば内定に近付くか知りたい博士学生の方
  • アピールすべく能力を学生生活の間に育てておきたい方

こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

課題発見力

面接の際、技術部長から『研究で最も困難だったことは何か?』と問われた時、「研究課題を設定することが最も難しかった」と答えました。研究を進める過程より、そもそも何を研究すればいいかを見つける方が遥かに大変だったのです。実験なんて簡単なんですよ。数をこなせば上手くなってくるし、手を動かしているうちに何をすべきか徐々に分かって来るからです。しかし、研究の本質は、高い質を持ち、まだ誰も気づいていない課題を見つけ出し、それを解決することにあります。単なる平凡な課題ではなく、解決することで文明を一歩前進させるような”価値ある課題”を見つけ出すことが必要です。

課題発見力は、修士課程では十分には培えません。博士課程に進み、長い時間をかけて研究に取り組み、多くの困難を乗り越えてようやくこの能力が身につくのです。日常の業務に追われる忙しい企業生活では、この能力を身につけるのが難しいみたい。しかし、課題発見力は、企業が新規事業を立ち上げる際に非常に役立ちます。そのため、企業はこの能力を持つ人材を非常に求めているのです。フィードバックメールで「自ら課題を見つけ、それを解決しようとする力」を高く評価されたことはこの能力の重要性を示しています。

コンセプチュアルスキル(抽象的思考能力)

次に、技術部長から『どのようにしてその難局を乗り越えましたか?』と尋ねられました。その際、本能的にあわや「気合で乗り越えました✊」と答えそうになりました。しかし、こうした直感的で単純な回答では思考力を疑われ、選考から落とされかねないと感じ、その言葉を飲み込んだのです。少し考えたのち「専門分野(専門分野)から一歩踏み出し、他分野(流体力学)の知見を取り入れて課題を整理して見晴らしを良くしました」と回答しました。即興で拵えたこのお返事がどうも面接官の琴線に触れたらしい。『コンセプチュアルスキル(物事の本質を見極め、要素ごとに分解し、問題解決に向けて戦略的に思考できる力)のある人材だ』と高く評価していただけました。

コンセプチュアルスキルは、日々の業務遂行はもちろん、企業の将来を見据えた戦略的な意思決定にも必要不可欠です。この能力は博士課程での研究活動を通じて自然と養われるため、就職活動を控えている博士学生は、このスキルを積極的にアピールすることをお勧めします。

人当たりの良さ

技術部長と研究に関するディスカッションをした際、かなり細かい、突っ込んだ質問をされました。答えられなかった質問が一つだけあったものの、それ以外は自分の専門知識の範疇で答えられました。たとえどのような形であれ、”質問に答え切った”との事実が面接ではプラス評価に繋がります。モゴモゴと誤魔化して答える人よりも、堂々と答える方が相手に与える印象が良いんですよね。直接的で堂々とした回答は、相手に良い印象を与え、結果として自分の能力がより高く評価されるようです。私は「電池分野における高い専門性を持つ人材」と評価されました。

私はまだまだ未熟者。メーカーの第一線で活躍するには専門性が不足している自覚があります。専門性に限らず、世界情勢や業界全般の動静に関する知識も不足気味。内定を頂けたとはいえ、入社までに勉強しておかなくてはならない知識が山ほどあるのです。こうした私の専門性不足を補ったのは、小4から高3までやっていた乗馬で培われた人当たりの良さ。乗馬クラブには老若男女問わず様々な会員さんが居りますけれども、その人たちと摩擦を起こさず仲良く付き合う手法を学んできたのです。私、人当たりの良さにはけっこう自信があります。私と出会った人に対し、自分へ悪い印象を抱かせないスキルがあるのです。人との距離感のとり方が上手なのでしょうか?面接官さんに悪い印象を抱かせず、かつ間合いを測って懐に飛び込む器用さが面接で役立った形。

大学院の研究室生活でも、指導教員との付き合い方を工夫すれば人当たりの良さや人との距離の詰め方/置き方を会得可能。社会で円滑な人間関係を築くためには、このスキルを研究室での生活の中で身につけておくことが有益です。

失敗から学ぶ謙虚さ

人事の方から失敗・挫折経験と、それらから学んだ教訓について問われました。そこでは大学受験浪人にまつわるエピソードを思い付くままに挙げて喋りました。

  • 【何をやらかしたか】一年を棒に振るような手痛い失敗をした
  • 【何故やらかしたか】敗因を分析→注意力や基礎力の欠如が問題だった
  • 【再びやらかさぬために】浪人時代の前期は弱点の克服に努め、後期は実践力アップに向けて問題集を解きまくった
  • 【成功体験】その結果、一浪はしちゃったけれども、北大に合格することができた
  • 【教訓】何かへ挑むにあたり、石橋を叩いて叩き割るぐらいの用心さが必要。石橋を渡りたいなら、ヒビが割れていないかよく確認してから渡ることが大事。橋から落ちた時のためにライフジャケットを着てから渡る。それぐらい気を付けないと、猪突猛進型の自分がやらかした際、命取りになる可能性がある

上で挙げた事柄を頭の中でゆっくりと整理しながら喋りました。上手く伝えられたかは不明瞭ですが、面接時、人事の方は納得しておられたので、おそらくちゃんと伝えられたのかなと存じます。

人間、誰しも完璧ではありません。時には失敗する事だってあるし、同じ失敗を再度やらかしてしまうケースもあります。失敗したときに重要となるのが『なぜやらかしたのか?』と分析する姿勢。顧みなければ人はサルも同然。失敗を失敗と認め、敗因をきちんと分析する謙虚さを保持するからこそ、ヒトは吉田沙保里さんを頂点とする霊長類最強の生き物でいられるのです。企業の部長は”私がサルでなく人間である”と認めて下さりました。失敗を顧みる力は研究室で行った数多の実験でいつの間にか身につき、伸ばされたのでしょう。

ヴァイタリティ―(活力)

最後は私の持って生まれた気質です。

M1の3月に受けた企業の最終面接でもそうだったのですが、私はどうやら相手に自身の類まれなる活力(ヴァイタリティ―)を感じさせることが多いようです。実際、私は少し変わった所があるかもしれません。だって私、何か変ですもの。沖縄へ100kmマラソンを走りに行ったり、5時から18時までぶっ通しでデスクワークを続けても全く疲れない体力があったりします。もしも自分の周りに自分と同じタイプの人間が居たらきっとドン引きしますね。「お前、どんだけ元気やねん…(苦笑)」と。”ちょっと元気を分けてくれないか”とダメ元で頼んでみるかもしれません。

ヴァイタリティ―は、企業やその部署を活性化したり、仕事を猛烈な勢いで処理したりする際に有効。元気に会社へ勤め続ける健康さを維持するのにも使えます。私の内定した企業の業界はいま、大変革期を迎えているみたい。時代の荒波に呑まれず、乗り越えていくには、私のような活力あふれる人材が不可欠なのだそう。今後企業へ就職しても、趣味でランニングを続けてヴァイタリティ―の維持・向上に努めたいです。元気があったら大概のことは乗り越えて行けますからね。元気があれば何でもできる👍

最後に

最終面接で評価していただけた項目は以上。博士就活のアピールポイントでお悩みの方に参考になれば幸いです。

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