論文が査読に回った
1月20日にCell PressのIF42ジャーナルへ投稿した論文が、2月初旬に思いがけない展開を見せた。論文のステータスが「受け取り済み」から「査読中」へと変更されたのだ。これは第一関門、エディターズリジェクトを突破したことを意味していた。
超ハイインパクトジャーナルでは、90〜95%の論文がこの段階で跳ね返されるという。我々の研究チームの誰もが、この壁を越えられるとは予想だにしていなかった。当初の想定では、ここで現実を突きつけられ、IF20クラスのジャーナルへの投稿を余儀なくされるはずだった。しかし予想に反して査読プロセスに進み、チーム全体が高揚感に包まれた。人の性というものか、この段階に至ると欲が頭をもたげてくる。アクセプトへの期待を胸に、私たちはCell Pressからの査読コメントを心待ちにした。
一度目の就職活動
春期休暇に入り、時間的な余裕が生まれた私は、突如として就職活動に着手した。D進への意志は固いままだった。修士在学中に就活を経験しておけばD進後の就職活動がより円滑になるのではないか、と。また、様々な業界の動向を把握しておくことで、博士課程在学中により良いキャリアプランを描けるとも思った。
2月1日、マイナビとTECH OFFERにアカウントを作成し、プロフィールを丁寧に記入した。企業検索を始めると、これまで知らなかった企業や業種の多さに圧倒された。大学の研究室という小さな世界の外に、こんなにも広大な可能性が広がっているのかと、新鮮な驚きを覚えた。
2月中に8社の会社説明会に参加した。コロナ禍でのオンライン開催により、札幌に居ながら全国の企業の話を聞くことができた。当初は地元・広島のマツダへの就職を漠然と考えていた。北大OBとの対話を通じて、理想と現実のギャップを痛感した。社員寮や給与面での現実的な課題が浮き彫りとなり、キャリアプランの見直しを迫られた。
意外にも、当初は視野に入れていなかった中小企業に強く惹かれていった。大きな裁量を持って仕事に取り組める環境に、私は大きな魅力を感じた。「鶏口牛後」という言葉の通り、大組織の歯車となるより、自身の働きが直接的に組織に影響を与える中小企業の方が、私の志向に合っていた。最終的に、説明会参加企業の一社にエントリーシートと履歴書を提出した。この時は、その企業との縁が後々まで続くことになるとは、夢にも思わなかった。
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