こんにちは。札幌と筑波で蓄電池材料研究を行う工学系大学院生のかめ (M2)です。
研究室生活春夏秋冬M2・9月編では、四度目の論文投稿と学振DC1に関するお話です。
それでは早速始めましょう!
中旬:四度目の正直なるか?
エディターから受けた再投稿の誘いに乗り、四度目の正直をかけて同じ雑誌へ投稿することになりました。
再投稿をするにあたり、論文の構成をガラリと変え、アピールポイントがより際立つような図表配置に組み替えました。
これまでの図表の配置順だと、我々のチームがあまり重要視していないポイントに焦点が当たってしまっていました。
それゆえ査読者に誤解や論理が不明瞭な印象を与えてしまい、リジェクトを食らう遠因を作ってしまっていたのでした。
私はもう既にエネルギーが完全に切れていたため、ここではつくばの共同研究者さんに作業の大半をお願いしました。
他の仕事でお忙しいなか論文修正をして下さり、共同研究者さんには本当に頭が上がらぬほど感謝いたしました。
9月17日、ゲンを担いで大安の日に四度目の投稿を行いました。
投稿の翌週、『論文が査読に回された』という旨のお知らせが届き、査読結果を今か今かと待ち望む日々を過ごしました。
28日:学振DC1に内定だ!
28日、学振DC1の内定可否が発表されました。
14:41中に以下のようなメールが届き、ついに結果を知る瞬間がやってきました⇩
メールのリンクから電子申請システムへと飛び、結果表示ボタンを押して審査結果を表示しました。
画面が切り替わった瞬間、一度手で目を覆って深呼吸しました。
『採択』か『不採択』か。この結果で私の博士生活が大きく変わります。
もし採択ならDC1の給料と研究費を使って海外留学へ行ける一方、不採択なら留学など行けず、M1のクリスマスイブに内定した月15万円のフェローシップで細々と暮らさねばなりません。
1分ほどかけて呼吸を落ち着かせ、覚悟を決め、目の覆いを離しました⇩
結果は【採用内定】です。2023年4月から3年間、日本学術振興会特別研究員として雇ってもらえることになりました。
私が申請した小区分は応募者44人のうち8人が内定したらしく、内定率は”18%”とかなり狭き門だったようです。
内定が決まった瞬間、あまりの嬉しさに立ち上がり、海老反りでガッツポーズを作りました。
いや~、めちゃくちゃ痺れる結果です。今年は年初からず~っと論文執筆で苦しい思いをしてきただけに、ようやく一つ、努力が形になって感無量といった所でした。
1時間ほど一人で喜びに浸り、それから指導教員やつくばの共同研究者さんに内定の報告と申請書を添削して下さった御礼の連絡を入れました。
指導教員からは「おめでとう!」と言っていただき、共同研究者さんからは「やったね!」と声をかけていただきました。
学振DC1内定までの過程を振り返ってみると、
自分っていろんな人に支えてもらっているんだな。周りに感謝しなくちゃいけないな…
といった思いが内側から沸き上がってきました。
- 指導教員には研究室配属初年度からDC1内定のため実績作りをするチャンスを与えていただき
- つくばの共同研究者さんには研究の相談や論文執筆など様々な点でお世話になり
- 研究室のメンバーにはメンタルが病みそうになった時の気晴らし相手になってもらい
- 研究室やつくばの事務員さんには学会やつくば出張時の旅費交通費の諸手続きをしていただく
など、たくさんサポートしてもらったおかげで”自分だけじゃ何もできないんだ”と強く自覚いたしました。
また、10月以降、(自分が受けてきた恩をどうすれば世に還元できるか?)としきりに考えるようになりました。
”DC1内定者”としてなら博士進学を志す後輩がDC1内定を掴む際に力になってあげられるだろうし、”研究者”としてなら研究成果でもって次世代蓄電池実現の礎を築けるだろうし、自己中心的にならず、利他の精神でもって何かしら貢献したいと考えました。
次回予告
研究室生活春夏秋冬M2・9月編は以上となります。
次回、M2・10月編では
- 新しい共同研究の打ち合わせで早稲田大学へ
- 四度目の正直達成!ついにアクセプトの瞬間が訪れた…!
以上2つの内容でお送りします。
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