大学入試を通じて培われた4つの能力

北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2) です。2017年3月に北大総合理系へ合格し、学部・修士・博士と北大へ八年間お世話になりました。一浪の末に北大へと進学。二度の大学受験を通じて人間的に大きく成長できました。受験で培った様々な力は学生生活で大役立ち。受験へ本気で挑んだからこそ得られたスキルではないかと感じます。

この記事では、大学受験を通じて培われた4つの能力について解説します。

  • 「受験勉強なんて何の役に立つの?」」とお考えの受験生
  • 大学受験の意義を振り返ってみてもいまいちピンとこなかった大学生

こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

自己分析力&反省力

受験で勝利をつかみ取るには、現状と志望校合格ラインとの差を冷静に捉える必要が。願望交じりの主観的な分析ではダメ。第三者目線で客観的かつドライにギャップを見つめねばなりません。

自分を客観視するのって難しいんです。人間の心は弱いですから、負の側面には目を背けたくなってしまいます。良い面ばかりに目を向けたくなってしまいがちに。弱点の補強をおざなりにした結果、毎年多くの浪人生が輩出されているのです。自分の現状についてなるべく深く分析できると良いですね。今後何をどのように勉強すべきかを考えるために。

二度の大学受験を通じ、自己分析力がものすごく伸びました。長所に限らず、ウィークポイントにも目を向け、自分がいま有している力を客観的に捉えられるようになったのです。自己分析力は特に浪人期間中にパワーアップ。浪人生にはもう後がありません。「受験で失敗する確率をなるべく下げるにはどうすれば良いか」と自問し続ける日々を経て、いつの間にか自己分析力が飛躍的に伸びていたようです。

また、反省力も培われました。模試の結果が返ってくるたびに「何が悪かったのか」「どこをどうすればもっと点数を伸ばせるのか」などと反省を繰り返しました。自分の学力を向上させるヒントを探る過程で謙虚に内省する力が高まったのです。

自己分析力や反省力は就職活動や趣味のランニングで役立っています。如何なる分野で成果を出すにあたっても自己分析力は不可欠。大学受験勉強が役に立たないということは決してありません。

持続的な集中力

浪人生だと現状に甘んじられません。落ちたが最後、人生が半ば終わってしまうからです。少しでも学力を向上させて入試へ挑む必要がある。尋常ならざる危機感を覚えながら日々を過ごして来る本番に備えていきます。「もう落ちられないから頑張るしかないな」と否が応でもやる気が掻き立てられるのです。翌春の合格を勝ち取るために勉強していく過程で持続的な集中力を得られました。1~2時間程度勉強したぐらいでは疲れません。連続で3時間ぐらいならば余裕で可能。夏休みは一日122時間(朝4時間ー昼5時間ー夜3時間)の猛勉強。それでも疲れを感じませんでした。”今度こそは受かってやるからな”と気持ちが燃え滾っていたからです。

受験生時代から年齢を9歳重ねました。気力が落ち、今ではもはや一日10時間以上の勉強は無理です。10時間の勉強なんて無理。出来てもせいぜい5時間程度。5時間もやれば思考回路が燃え尽きて使い物にならなくなるでしょう。体に悪影響を及ぼさないラインは3時間ぐらいかな。

昔のような長時間勉強は行えませんが、大学入学後、毎日最低2時間は家で勉強するようにしています。英語や化学、専門科目について、少なくとも2時間は家で勉強するようにしているのです。受験時代の勉強習慣を継続したおかげで大学で好成績を取れました。研究室でも日々の論文執筆にて安定して長時間作業を行えています。

最後までやり抜く力

現役時代、京大にA判定からの大逆転不合格を喫しました。原因は色々とありますが、A判定を取って油断し、勉強の手を緩めてしまったのが敗因の一つ。本当のゴールは二次試験本番。A判定獲得は通過点にすぎません。フィニッシュ地点まで走り抜けられませんでした。A判定をモチベーションに更なる追い込みをかけられれば良かったのだけれども、逆に油断して他の学生から追い抜かれる失態を犯したのです。

現役時代の愚行を反省し、浪人時代は「最後までやり抜こう」と決意。大学別模試でA判定を取っても喜ばず、伸びしろがないか分析して学力向上のヒントを探り続けました。その甲斐があって北大へと合格。一度は失敗してしまったけれども『やり抜く力』を養えたかなと思います。

世間の大抵の勝負ごとは、地頭の良さよりも『やり抜く力』の高低で勝敗が決します。ポテンシャルの有無よりも努力次第でどうにかなる領域の方が広いように感じるのです。受験では内容を理解しながら最後まで手を止めず勉強し続けた奴が勝つ。スポーツなら厳しい練習を継続的にやり抜いたか否かで勝負が決まる。自らの才能にあぐらをかいて努力を怠る連中を捲れる大チャンス。最後までやり切る力さえあれば何をやっても上手くいくかもしれません。

勉強習慣&勉強に楽しみを見出す技術

二年に渡る受験生期間中、【勉強するのが当たり前】という状態で長く過ごしてきました。勉強内容の好き・嫌いなどは無関係。受験生にとって勉強は仕事。何が何でもやらねばなりません。不得意科目の勉強から逃げれば逃げるほど志望校合格が遠のいていくでしょう。合格したけりゃ逃げるわけにはいきません。頑張るしかない。勉強するしかない。

半強制的に勉強態勢を作られたおかげで体へ勉強習慣が根付きました。勉強していないと気持ちが悪いです。ゲームしたりYouTubeを観ていたりするより勉強していた方が落ち着く境地。99%の受験生は、大学に合格した瞬間、勉強習慣が体から抜け落ちるようです。私からはなぜか抜け落ちませんでした。北大入学後も受験生時代と同様、勉強を続け、博士課程に入った今でも論文と専門書を読んで勉強する毎日。勉強に楽しさを見出したからかもしれません。新しい知識や考え方を習得すれば世界がまるで違って見えるのです。受験生時代の勉強を通じ、勉強から楽しみを抽出する技術まで培われました。今後も死ぬまで永遠に勉強を続けていくのだろうなと感じます。

最後に:何を勉強するかが大事なのではない

SNSで時々「サイン、コサイン、タンジェントなんて勉強しても無駄!」との説を見ることがあります。数千ものリツイート、万単位のいいねなど、ネットユーザーから共感の声が多く寄せられているようです。

こうした意見を見るたびにガッカリします。受験では”何を”勉強するかはそこまで大事ではないんですよ。本当に大事なのは【”どう”勉強するか】。受験に対してどのような姿勢で挑むか、物事をどのようして考えていくか、自分の現状をどう捉えるか、最後までどうやってやり切るか、、などなど。サインやコサインといった表面的なものに囚われてはダメ。訳の分からぬ三角関数を題材に如何なる学びを得るかを考えねばなりません。

ちなみに、三角関数はめちゃくちゃ役に立ちます。工学分野では必需品といっても過言ではありません。三角関数を理解していなければ仕事にならないでしょう。電気回路設計にも、工場プラント設計にも、自動車や建設機械設計にも使いますから。私の電池材料研究にも時々使うぐらい。「三角関数なんか役に立たない!無駄!」といった恥ずかしいことを言わずに済むよう勉強して教養をつけねばなりません。

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