ブロガーの私が論文を書いたらどうなるか【イライラ大爆発】

北大と国研で研究している化学系大学大学院生かめ (D2)です。当ブログ『札幌デンドライト』を運営する傍ら、大学や国研にて実験をしたり論文を書いたりしています。

”文章を書く”という意味ではブログも論文も同じ。しかし、両者は似ているようで実は趣が全く異なっています。その性質の違いがブロガーとしての私を日々悶え苦しませているのです。

この記事では、大学院生ブロガーとして論文執筆へ取り組んだらどうなるかを解説します。

  • 私と同じ学生ブロガーの方
  • ブログと論文の違いに興味がある方

こうした方々にピッタリな内容なのでぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

文書を自分のスタイルで自由に書けない

論文執筆はものすごく不自由。章立てがあらかじめ定められており、その順にしか物事を記してはいけないというのですから。

一般的な学術論文は、研究背景&目的→実験方法→結果と考察→結論といった順。背景の次は必ず方法。結論から述べてはダメ。私のブログでは書く順番などありません。背景や方法、結果と結論を全てごちゃまぜにして記しています。そちらの方が記しやすいのです。出来事を話すたびに背景知識を導入される方が読み手側にとっても読みやすいでしょう。私のブロガーとしてのスタイルを論文へ適用することは出来ません。定められた枠組みの中で文章を書く不自由さを甘受し、学術雑誌の定めた順に記して論文を完成させるというワケです。

ちなみに私の指導教員は「書く順番が決まっている方が書きやすくない?」と言っていました。学術論文を書きなれている側の方からすればそちらの方が書きやすいのでしょう。 私にとっては論文よりもブログの方が何倍も多く書いてきています。執筆経験の多さの都合上、論文よりもブログの方が記しやすいのです。書く順番ぐらい自分で決めさせてほしいわ。論文執筆がスタートするたびに憂鬱な気分にさせられて辛い。

せっかく書いても雑誌側からリジェクトされる

エディターズキーーック!!

一番イヤなのがリジェクト。一生懸命実験し、頑張って論文を記したとしても、学術雑誌側の求める水準に達していなければ無慈悲に不受理されてしまいます。

投稿=公開ではありません。投稿後、雑誌の編集者や研究者らによる査読を経て公開されるか否かが決まるのです。学術雑誌の査読は通常、1か月程度かかります。論文公開までに要する期間は最短でも2か月。長ければ一年以上かかる場合も。論文の査読期間中はイライラが募って仕方がない。「はよ査読終われ!まだか、まだか…!!」と査読完了の通知が来るまで頭をかきむしりっぱなし。リジェクトなんか食らった日には発狂もの。こっちが一生懸命作った論文をリジェクトするってどういうことだ、と。

ブログで作った文章は、完成してから直ちに世の中へと公開可能。論文の公開速度と比べてスピード感が全然違うのです。自分のブログであればリジェクトなどない。たとえどれだけヘタクソな文章だろうが公開できます。ブログでは投稿=公開。公開するか・しないかの匙加減は、運営者である自分自身に100%委ねられている。ブログの自由さに慣れてしまっている身として、論文の執筆や投稿後の手続きが煩わしくて仕方がありません。論文なんて書かなくて済むなら一報も書きたくないほど嫌いです。

掲載してもらうために掲載料を払わねばならない

知っていましたか?論文を学術雑誌に掲載してもらうには掲載料を「払わねばならぬ」ということを。書き間違えではありませんからね。掲載料を”貰う”んじゃありません、コチラの側から”払わ”ねばならない。

…なんで?研究や論文執筆を頑張ったのはコチラ側ですよ?成果を出したのは私たち。装置を買ったり施設利用料を負担したのも論文執筆チーム。お金をくれるのなら分かりますよ。成果を出してくれたお礼として幾らか報奨金をいただけるのならば分かる。どうして逆にお金を払わねばならぬのでしょうか。本当に意味が分かりません。

しかもこの掲載料、結構高価なんですよね。雑誌によってまちまちですが、化学系雑誌の場合は日本円で論文一報あたり40~60万円ぐらいかかります。最高額のNature Communicationsの掲載には一報100万円以上の掲載料が必要。掲載料だけで破産してしまう額。科研費の基盤Cや若手研究者枠でも払い切られるかどうか定かではありません。

ブログの場合、記事の投稿へお金など一銭もかかりません。はてなブログやアメーバブログなどといった無料ブログなら、ブログ運営費用ゼロ円で色々な人へ文章を届けられます。私のように自分でサーバーを契約するプロブロガーでも月々800円程度の出費。サイトを飾る有料テーマの導入費にせいぜい2万円程度かかるぐらいでしょう。当サイト『札幌デンドライト』では、これまでに400個弱の記事を公開してきました。サーバー代より収入の方が多いので幾らか儲けになっているのです。論文掲載するたびに数十万円払うって本当に意味が分からないんですよね。文章を読んでもらいたいならブログだけで十分。論文関係でお金がかかりすぎることがアカデミアから離れた主要因のひとつです。

論文執筆は全く楽しくありません

自分のせっかちな性格的には、論文執筆よりブログ運営をしている時の方が遥かに楽しいです。自分のスタイルで自由に記せる。書いた文章を自分の裁量で直ちに公開できる。しかも安価に執筆できる。こんなのブログの方が楽しいに決まっています。博士課程を修了するには何報か学術論文を記す必要が。論文執筆なんかちっとも楽しくありません。しかhし、博士号を得て修了するにあたり、この苦痛をどうしても受け入れねばならないのです。

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