【女尊男卑】女性研究者優遇時代における男性博士学生の生存戦略

こんにちは。化学系大学院生のかめ (D1) です。博士課程修了後、地元の民間企業で車載用蓄電池の開発職を勤めます。

研究者になりたい願望は少なからずありました。「己の研究適性の無さ」と「女性枠の存在」の2つに研究者になる夢を打ち砕かれたのです。研究能力を高められなかったのは自業自得。自分の努力不足なので仕方がありません。けれども、突如出現した女性枠の存在には面食らわされました。なんじゃこりゃ。まるで『男は研究者になるな』『男の研究者なんか要らないよ』と言われているみたいで悲しくなりました。

日本の研究機関には未だかつて男子専用の採用枠など設けられたことがありません。女子専用の奨学金や採用枠はあるけれども、男子を優遇する奨学金や採用枠だなんて一度も見たことがない。アメリカの学術界だと女性枠は違法。実力主義を謳っている以上、片方の性別を優遇するわけにはいきません。そもそも女性枠って、性差別も甚だしいんですよ。女性用の特別採用枠を作ってあげなきゃ女性が可哀そうだ、という論理に基づいて作られているのだから。男にとっては随分と窮屈で生きづらい世の中になりましたね。居場所がどんどん狭くなっていくのをどうにもしようがありません。

私は来年、脱アカして民間企業へ逃走するから女性枠の問題は他人事。しかし、現在博士課程に所属中、またはこれから進学しようとしている男子はこの問題を他人事で済ませられません。数年後、女性枠はもっと拡大されているでしょう。女性枠で大学へ入った女性研究者がアカデミアへさらに同性を呼び込もうとするためです。いわゆるアファーマティヴアクション (是正措置) と呼ばれているもの。男女比是正のために女性枠導入を甘受せねばならぬとはいえ、女性枠に弾き飛ばされる研究者志望の男子学生当人にとってはたまったものではありませんよね。

そこでこの記事では、女性「超」優遇時代における男性博士学生の生存戦略を解説します。

  • 女性枠問題の当事者になる男子博士学生/博士進学予定者
  • 女性枠を男性側がどう捉えているか知っておきたい女性の方

こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

どれだけ多くの研究業績を挙げてきても、女性じゃなければ応募すらできない

女性枠とは、女性だけに与えられる研究ポストのこと。応募資格の第一要件に挙げられているのは『女性』であること。女性じゃなければ応募できません。心だけが女性の方も応募できないでしょう。仮に男性が女性枠へ応募したとしても書類選考でリジェクト。女性だけが書類選考へ、そして本選考と進めるのです。

もちろん、公募が全て女性枠なわけではありません。私の所属学会だと女性枠は2~3割といった所。ここ数年で随分と増えました。私が研究室へ配属された頃は女性枠など見たことがなかったのに。

「男にも応募できるポストが残っているんだ、やった~!」ではありません。男が応募できるポジションが7~8割”しか”残っていないんですよ。まずは女性へ3割の席があてがわれる。その次に残り7割の席を男と女の全員で競う。女性にチャンスは二度訪れます。男性応募者がいない分、女性枠の競争率は普通よりも低め。男性にはチャンスは一度しか訪れません。男性優先レーンなんてありませんから。コレ、どう考えても不平等ですよね。こんなあからさまな性差別、あっていいんですか?

男はアカデミアでポストを得るのが難しい

女性枠の恐ろしい所は二点。

  1. どれだけ卓越した研究業績を挙げてきても「男性」であるというだけでポジション数が限られる点
  2. 女性枠を標榜しておらずとも実質的には女性枠な公募が存在する (*女性が応募してきた瞬間に公募が女性枠へと切り替わる)

男性研究者的には地獄。いくら研究を熱心に頑張って成果を出してもポストにありつけない可能性が。ただでさえアカデミックポジションの獲得競争は苛烈。まして、女性枠なんかが出現したから、その競争がより一段と激しくなる一方でしょう。女性枠は、男性研究者の頑張るモチベーションを少なからず奪い取ってしまいました。これまでは研究を頑張っていれば任期のない定年職に就けていたのが、そもそも生まれてきた瞬間から性別で勝負が決する無理ゲーになってしまいましたから。なんで女だけ?男は要らないの?要らないならなぜ博士進学支援なんてするの?そもそも、どうして公然と男性差別ができるの?

先述の通り、男性研究者が申し込める公募は、女性枠出現後も一定数は設けられています。ですが、大半の公募で優遇されるのは女性側です。同じ能力を持つ男性と女性が選考に残った際、採用されるのは十中八九女性。女性枠ではもちろん女性が、男女共用枠でも女性が優先的に採用されます。女性枠を謳っていない採用枠が、女性応募者が現れた瞬間に事実上の女性枠へと切り替わるえげつないシステムもあるそうです (*SNSで観測しました)。そんなことをされたら男性研究者はどれだけ頑張ってもアカデミアでポストを得られないですよね…

アカデミアで女性研究者がもっと増えるまでは、女性枠が残る、あるいは増えていくでしょう。男性差別が終わる時期は何年後、あるいは何十年後になるやら分かりません。男子の皆さん。残念ながら、アカデミアでポストを掴むのは難しいと思っておいた方がいいかもしれません。今は男よりも女の方が強い時代。我々が女に生まれなかった以上、頑張っても報われない可能性が高いです。もちろん、ポストを得られる確率はゼロではありません。女性枠の公募へ女性が誰一人応募してこなければ、女性枠は男女共用枠へと切り替わりますから。

アカデミアから逃げろ。民間企業へ行こう

男性博士学生&博士進学予定者に提案したいのは脱アカ。博士修了後、日本のアカデミアから離れて下さい。

アカデミアを目指して時間を費やしたとしても、貴重な時間が失われるだけになるかもしれません。政府や学会が「男はアカデミアに必ずしも必要ではない」と態度で示している以上、アカデミアで研究者になろうと志しても希望を叶えるのは至難の業。最初から不利だと分かっている競争に足を突っ込む必要はないでしょう。オレたち男は逆立ちしても女にはなれないし、女性の方から順にポストを得ていくのだから。もうね、構造的に女性へは到底敵わないんですよ。そもそも勝てるわけがない相手と椅子取りゲームを演じるのは資源の無駄遣いにすぎません。

脱アカ後、民間企業へ行きましょう。日本でも海外でもお好きな方をお選び下さい。

企業は今の所、採用時に性差別を行っていません。少なくとも建前上はどの職種へも男女問わず応募できるようになっています。メーカー各社は最近、女性採用者数を増やしたい意図を掲げていらっしゃる。女性の採用者数を増やせば国からの補助金を受け取れるからです。しかし、そんな企業へ男性人材が応募しても選考&採用してもらえます。企業はいま、空前の人手不足。採用者の性別なんて気にしている余裕はないのです。アカデミアのポジションを得られなかった男性若手研究者の居場所は企業にあります。男性差別政策で学術研究者への道を断たれた無念を企業で晴らしましょう。

企業が凄いのではありません。今のアカデミアが狂いに狂っているだけ。アカデミアにも男女平等の未来が訪れるのを外野から切に願っています。

最後に

女性「超」優遇時代における男性博士学生の生存戦略は以上。博士進学前後の男子学生のお役に立てたら幸いです。

かめ

女性枠導入で女性研究者の数が増えればいいのですが、多分、ほとんど変わらない (むしろ減る) 気がします…

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