札幌と筑波で電池材料を研究している北大化学系大学院生かめ (D1) です。入学直後の新歓シーズンをボーっと過ごした結果、部活やサークルなど学生団体へ入りそびれてしまいました。時間と体力を持て余した挙句、仕方なく一人でランニングを開始。ランニングへ何故かドはまりし、以来、大学院博士課程二年次まで8年間続けました。趣味でやり始めたランニングですが、人生を支えてもらったり、変えてもらったりしました。ランニングとの出会いがなければ大学卒業は危うかったかもしれません。
この記事では、大学生活の趣味にランニングをやって本当に良かったと思う理由を3つ話します。
- 趣味がなくて困っている学生さん
- ランニングに興味がある学生さん
こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
それでは早速始めましょう!
受験で燃え尽きた自分の情熱を蘇らせてくれた
一年間の受験浪人を経て北大へ進学。第一志望の大学ではなかったものの、二年間の受験生活から解放されて安堵しました。特に浪人生時代が辛かった。もう後がないなか受験へ挑む際、背中にのしかかるプレッシャーの重さに押し潰されそうになったのです。受験勉強で追い込みすぎた反動か、大学進学と同時に燃え尽きてしまいました。何に対しても無気力でやる気が湧き上がりません。右耳から入った情報が脳内へ片時もとどまらず左耳から抜けていく状態。キャンプファイヤーが終わった後の焚き木みたいな燃えカスでした。情熱の源泉は枯れ果てていました。せっかくの新生活にも心が躍りません。
ランニングを始めた際、「無目的に走るもの興ざめだしな」と一つだけ目標を定めて挑戦しました。その目標とは、フルマラソン3時間切り (サブスリー) 。3kmでさえまともに走れない私にとってはあまりに不相応な目標。届くか届かぬか分からないほど高い目標へ挑む方が楽しいでしょう。私は猪突猛進タイプ。何か一つの目標を定めたが最後、それを達成するまでひたすら突っ走り続けます。目標達成に対する執念が本能で湧き上がってくるのです。「絶対にサブスリーするぞ。それまでは辞めてたまるか!」と燃えに燃えた。サブスリーを目指す過程で、受験にて失われた情熱が蘇ってきました。気力も、メンタルも、目の輝きも、何もかもが受験生時代レベルに、いや、それ以上のレベルにまで高まってきたのです。
ランニングを始めて三年目のB3・11月、富士山マラソンにてサブスリーを達成。フィニッシュした瞬間、あまりに嬉しくて人目をはばからず泣き崩れました。大きな目標を自らの力で乗り越え、震えんばかりの歓びを味わったのです。なんて気持ちが良いんだろう。頑張るってなんて素晴らしい行為なのだろう… 目標を定め、それを乗り越えるために努力を重ねる日々にも充実感がありました。”またもう一度、この喜びを味わうために頑張ろう”と決め、今日までランニングを続けています。
食事に気を付けるキッカケを与えてくれた
サブスリーを目指す練習によって体質がガラリと変わりました。走り始めるまでは脂っこいものが好きだったにもかかわらず、走り込みを重ねるにつれ、徐々にアッサリとした食べ物を好んで食べるように。ランニングで体の脂肪が落ちたのが関係しているのかも。脂を欲しない身体なのにわざわざ脂を摂取する必要はないでしょう。味付けの濃いものや脂っこい食べ物を受け付けなくなりました。焼肉屋で肉の脂の匂いを嗅ぐだけでもちょっと吐き気を催すぐらい。ラーメン屋さんの前だなんて通れませんよ。お店の周囲10mでは息を止め、歩みを速めてササっと通過しています。
世の中の男子大学生は、カップ麺や総菜など、こってりとした食べ物を好んで食べるようです。外食は二郎系ラーメンやカレー、中華系のレストランへ行っているみたい。私はその何処へへも行けません。行ったとしても自分に食べられるものは何もなさそうですから。自分の口へ入れるものを自分で選び、調理する必要性に迫られました。調達先は最寄りのスーパー。自分に合った食べ物がないか探し、その場で適宜スマホを取り出して検索して調査。食べても良さそうか吟味したのです。食材選びを間違えたが最後、食事が耐えがたいものになってしまいますから。栄養学や調理系の本も何冊か買って勉強しました。おかげで食材に関する十分な知識を得られ、間違いのない食材選びができるように。
サブスリー達成のためには継続的に練習する必要が。頻繁に故障していては練習になりません。丈夫な体を保つための食材選びへ血眼になりました。健康維持も欠かせない要素。免疫力を高めてくれる食材を選んで食べるように。食事は練習を下支えします。食事を疎かにしていては強いランナーになれないのです。ランニングは食事に気を配るきっかけを与えてくれました。ランニングと万全な食事のおかげで、大学進学以来、2回しか体調を崩したことがありません。
就活でガクチカに使えた
暇つぶしのために始めたランニングですが、一生懸命やった結果、サブスリーを達成しました。大学院修士二年次には2時間47分までタイムアップ。大学院博士二年次現在、2時間40分切りを目指して練習中。将来的には2時間30分切り、願わくば2時間20分切りができればなぁ、と。努力の過程で粘り強さや局面打開力、戦略構築力など様々な能力を培えました。ランニングで得た能力はブログ執筆や研究生活へ大いに役立っています。
ランニングは就活で非常に役立ちました。サブスリーを目指して練習した日々のエピソードをガクチカ [学生の間に力を入れて取り組んできたこと] に使えたのです。書ける内容は山ほどあります。何の力をアピールしたいかに応じて書き方を変えればガクチカを無限に製造可能。帰宅部なのにサブスリーを目指して練習している学生など皆無。他の就活生とエピソード被りのない、完全オリジナルなガクチカでアピールできたのです。修士と博士の二度にわたる就活において、ランニングのガクチカは企業へ好印象を与えられました。真面目でコツコツ頑張れる実直な学生だと評価していただけたみたい^ ^
最後に:大学で一生ものの趣味を作れました
ランニングは生涯スポーツ。老若男女を問わず行える運動。私の練習拠点である北大には、毎朝、様々な属性のランナーが走っています。30~40代の男性がボリュームゾーンなものの、10~20代の女性や60歳以上のおじいちゃんも一生懸命走っておられる。自己ベスト更新を目指して走れるのは30代までかもしれません。自分の限界までハードに追い込む精神力を発揮できるのは若いうちだけでしょう。しかし、歳を取った後でもジョギングは楽しめます。考え事をしながら、あるいは体の声を聴きながらゆっくりと走り、気持ち良く汗をかいてスッキリできるのです。
大学時代に意図せず一生ものの趣味に出会えたことを嬉しく思います。大学在籍中はもちろん、就職後もランニングを続けていきたいです。
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