研究室見学の際に確認すべき5つのこと

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (M2)です。

3年前に自身の研究室配属が行われ、学部生時代からこれから進学する博士課程時代までずっと同じ研究室で過ごしています。

自身の研究室配属を振り返ってみると、指導教員との相性ただ一点だけで決めたような感覚があります。

結果的に自身の研究室選びが大成功だったから良かったものの、もし研究室配属後に(別の研究室にしておけば良かったなぁ…)と後悔が生じればラボライフが苦痛極まりない時間となったでしょう。

この記事では、研究室見学をする時に見学者が研究室メンバーへ確認しておきたい5つのことについて解説します。

「最低限コレだけ確認しておけば大丈夫」という選りすぐりのチェックリストなので、

  • 今後研究室配属を控えていらっしゃる方
  • 少しでも早く研究室選びを始めたい方

こうした方々はぜひ最後までご覧頂きたいと思っています。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

研究室見学時に確認しておきたいことチェックリスト

研究室見学時には以下5つのことを念入りに確認して頂きたいです⇩

  • コアタイムがあるか無いか
  • 研究室にはどのような性格の人が多いか
  • 教員と上手くやっていけそうか否か
  • やりたい実験テーマがやれそうか否か
  • 長期休暇でちゃんと休ませてくれるか否か

それぞれについて一つずつ解説していきます。

コアタイムの有無:コアタイムは最強の強制力。コアタイムが要るか要らないかは自身の性格と要相談

一つ目に確認しておきたいのはコアタイムの有無。コアタイムとは”研究室に居なければならない時間”を指しており、コレがあるか無いかで研究室生活は間違いなく大きく変わります。

コアタイムがある限り、研究室に所属する学生は平日毎日研究室へ行かなくてはなりません。

いくらバイトや恋人とのデートを入れたいと思ったとしても、コアタイムが設けられている場合はコアタイム内を研究室外で過ごせないため自由にバイトやデートができません。

稀に土曜日もコアタイムとして指定されている研究室もありますから、研究室見学時に「この研究室のコアタイムは何時から何時までですか?土日は休みですか?」と入念に確認しておいてください。

なお、コアタイムは完全に悪者なのか?といったら決してそのようなことはありません。

コアタイムがあるおかげで外出強制力が生まれるため家に引きこもってしまうリスクが下がりますし、下級生は研究に関する不明点を上級生や教員へすぐ聞けるので研究をグングン進捗させられます。

外に出る動機付けが必要な方やすぐそばに研究をサポートしてくれる人がいて欲しい方はコアタイム有りの研究室がオススメです

一方で、「好きな時間に研究をやりたい、何かに縛られるのは嫌だ!」というタイプの方はコアタイム無しの研究室がオススメです。

どちらが良いか判断をつけかねた場合、とりあえずコアタイム無しの研究室を選んでおくと後悔しないと思います。

研究室生活歴が長くなるにつれ自然と自分を律せるようになりますから、(コアタイム無しで研究室へ行けるかなぁ…)とご不安な方も安心してコアタイム無し研究室をお選び下さい^ ^

研究室メンバーの性格:メンバーがおとなし目なのか賑やか目なのかを確認する

二つ目に確認しておきたいのが研究室メンバーの大まかな性格。行こうとしている研究室がおとなし目の人が多いのか、それとも賑やかな人が多いのかを実際に肌で感じ取っていただきたいです。

自分の性格と研究室メンバーの性格にミスマッチが生じた場合、研究室へ通ったり居たりするのが少々辛くなってきます。

私自身は割とおとなし目な性格なのですが、もし賑やかなパーティー系研究室へ行っていたとしたら気疲れでクタクタになっていたはず。

メンバーとのおしゃべりタイムはラボライフで気を病まぬための重要な時間。それが辛いとなるとストレスのはけ口が無くなりドロップアウトへとまっしぐらです…

どんな雰囲気の研究室へ行こうか迷った場合、とりあえずおとなし目の研究室へ入っておくのが安牌かなぁと存じます。

元々おとなし目の人が賑やか研究室で賑やかに過ごすのは自分を演じているようで苦労するのに対し、元々賑やかな性格な人がおとなし目の人に囲まれていると自然とおとなしくなりがちだからです (註:もちろん個人差があります)。

人間の性格は十人十色。研究室には様々な性格の先輩がいます。

全員と円滑な関係を築くことはおそらく難しいだろうと思いますが、せめて自分の選ぶ研究テーマ的に直属の先輩になる人とぐらいは仲良くしたいものであります。

研究室配属直後は先輩の言う事に逆らうのではなく、とりあえず黙って従ってみて貰いたいです。

ソレでもし上手くいかなければ先輩の言う事を聞かなければいいのであって、最初から我を張って先輩との間に心の壁を作るのだけは止めておくのが無難ですね。

教員との相性:長く付き合っていけそうか否かを実際に話して確認する

三つ目に確認しておきたいのは教員との相性。自分が”指導教員”と仰ぐことになった際、本当に長く付き合っていけそうか確かめておいて頂きたいです。

先生との相性を判断する際には授業を受けた印象が役に立ちます。その時点で (この先生、嫌い!)と思ったら研究室で一緒にやっていけるわけがありませんので、まずは授業の印象で相性の良さそうな先生を何人かリストアップしてみて下さい。

そののち、気になる先生の元へメールを送り、研究室を見学したい旨をお伝えしましょう。

メールの書き方は「研究室見学 メール 書き方」とでも検索して調べて頂き、日程調整や訪問時に聞きたいことなどを丁寧にしたためて送って下さい。

研究室を訪れた際には先生と研究室配属後の生活について話をし、”先生と長くやっていけるかな?”とじっくりと相性を見定めましょう。

メールだけでは先生の人格を読み解けません。実際に研究室を訪れて対面でお話しすることで見えてくるものがあります (註:ブラックな先生はメールの文面からブラックさが滲み出ていますが笑)。

先生とお話しをする際には研究テーマの将来性についても少し確認しておきましょう。

流行りの研究テーマをあてがわれるとやっている最中は楽しいのですが、配属から1~2年後に廃れ始めてオワコンになっちゃうと就活時に苦労する可能性があるためです。

実験テーマ:本当にやりたい実験ができるかどうか、教員に念を押して確認しておく

四つ目に確認しておきたいのは、先生が「ウチに来たらコレができるよ」の”コレ”を本当にやらせてもらえるのかどうかです。

先生から魅力的な実験計画を聞かされ (コレをやりたい!)と釣られて研究室に入ったとしても、配属後に先生が方針転換した影響で学生の期待が裏切られてしまうケースが多々見受けられるためです。

科研費やプロジェクト予算の都合上、やろうと思っていた実験が出来なくなる場合もあります。

こうした予算ってだいたい年度末 (3月)に当たるか当たらないかが決まりますので、いくら先生がやりたがっていてもお金がなければ実験を始められないわけであります。

研究室登校初日までは、”先生から説明された全ての実験は本当にできるとは限らないもの”と考えておくのが無難です。

私自身、本当は水素系の実験をやりたくて今の研究室へ入ったのに、気が付いたら全く違う実験テーマをあてがわれていて半年間ほど

かめ

つまらないなぁ、やりたくないなぁ…

と悶々とさせられてしまいました。

研究室見学時に「先生がおっしゃるこの実験は本当にやらせていただけるんですね?」と念を押して聞いておけばトラブルを回避できるかと存じます。

先生と一対一でお話しする際にこの点を確認しておいて下さいね♪

長期休暇中の過ごし方:休ませてくれない研究室はブラック確定

五つ目に確認しておきたいのは、長期休暇が本当に”休暇”なのかについてです。

年末年始や春休み、そして夏休みを自由に使わせてもらえるのかどうかは絶対に聞いておくべきです。

まだ研究室に入ったことがない人には想像がつかないかもしれませんが、ブラックな研究室の場合は長期休暇中も強制的に実験をやらされてしまいます。

むしろ、”授業がない長期休暇中の方が集中して実験ができる”という謎の言い訳でもって学期中より酷使されるのです。

研究室見学時、「春休みや夏休みはありますか?」と忘れず聞いておくようにしてください。

大抵の研究室には存在します。コレはあくまでよっぽどヤバい研究室をあぶり出すための質問です。

ちなみに私が所属する研究室の場合、春夏ともに各2か月間の長い自由時間が与えられています。

しかし、私のワーカホリックな性格の故、ほぼ毎日研究室へ登校して論文を読んだり論文を書いたりと研究活動に勤しんでいます。

私みたいな”誰からも強いられていないのに研究室へずっと居る”人が居る研究室は良い研究室である確率が高いです。

コアタイムがないのにそんな人が居る研究室はよっぽど良い研究室です。皆さんの学科内にそんな研究室があればぜひそちらへの配属をオススメします(*≧∀≦*)

最後に

研究室見学時に確認しておきたい5つのことはコレで以上となります。

まとめると、

  • コアタイムがあるか無いか
  • 研究室にはどのような性格の人が多いか
  • 教員と上手くやっていけそうか否か
  • やりたい実験テーマがやれそうか否か
  • 長期休暇でちゃんと休ませてくれるか否か

このような形になります。

個人的に、研究室選びは人生の行く末を左右するほど大きなイベントだと感じます。

皆さんにはくれぐれも慎重に進路を選んでいただき、後悔のない研究室配属にしていただくよう何卒お願い申し上げます。

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