【家計簿】日本学術振興会特別研究員DC1の懐事情vol.1 D1・4月編

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。日本学術振興会特別研究員DC1 (学振DC1) として、国費から頂戴したお給料と研究費で日々研究活動を営んでいます。

この記事では学振DC1受給者の懐事情を記します。博士進学や学振DC応募を検討している方にピッタリな内容なので是非最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

「学振DCってなんじゃらほい?」という方は以下の記事をご覧ください⇩

目次

収入:25,000円

D1・4月の特別研究員としての収入は0円です。学振DCの手続きを失敗したがゆえに無給になったわけではなく、特別研究員の給与が5月以降から支払われる仕組みのため収入ゼロなのであります。申請時にどこかで読んだ書類に「5月に4月分とまとめて2か月分振り込むよ」と書かれてありました。したがって、今月の収入がゼロ円なのはDC1内定時から把握していたのです。ただ、3月までやっていたバイトの給与として25,000円の収入があります。4月の収入はそのバイト代25,000円のみです。今月分の出費はバイト代のほか、

  • 大学院修士課程在籍中に借りていたJASSO第一種奨学金
  • 株式のデイトレードで稼いで貯めたヘソクリ○○万円

これ等2つで賄います。9月からのオックスフォード留学に向け一円でも多く残すべく、当面は財務省も真っ青になる緊縮財政を敷くつもりです。奨学金の返済減免結果は今年7月明らかに。せめて半額免除 (100万円)、できれば全額返済免除 (200万円)となり当面の生活を楽にしたい…

支出:184,300円

一方で支出の方は184,300円 (端数除く) でした。その内訳について以下で解説します。

内訳

家賃:55,000円 (28%)

まず居住費が共益費込みで55,000円。札幌の相場 (45,000~50,000円/月ほど)より少しだけ高い。学部4年間は共益費込みで5万円程度の家に住んでいました。しかし、騒音や水漏れ、トイレ凍結など問題が相次ぎ、修士課程進学を機に今のアパートへと引っ越したのです (*引っ越しの際は節約のため、業者を使わず一人で全ての荷物を持ち運びしました)。現在の住環境はすごく良い。うるさい住民は一人もおらず、心安らかに読書したり勉強したり睡眠をとったりできるのです。少々割高でも住環境は譲歩不可。給料の”28%”と高い割合を占めていても削れない経費というわけです。

食費:25,000円 (13%)

食費は25,000円に収まりました。ケチろうと思えば月1万円ぐらいにまで削減可能な出費です。今月は小豆とすりゴマと雑穀の備蓄が同時に切れ、それらの補充のため普段より少し多めの出費額となりました。来月はおそらく15,000円ぐらいで収束する見込みです。再来月は玄米20kg (9,300円)の補充時期。出費額は2万円ぐらいになるのかな?

水道光熱費:6,500円 (3%)

ガス代と水道光熱費の合計額は約6,500円。ウクライナ戦争の影響で燃料費が高騰し、電気やガスの節約分を基本料金の値上げが上回ってしまいました。「節電!」や「エコ!」などと言っている国で電気自動車 (EV) など普及するわけがない笑。蓄電池材料研究をしている私が書くのもおかしな話なんですけれども、日本はEVなんて作らず強みのガソリン車やハイブリッド車製造技術を活かしてEVより環境にやさしい車を作ってもらいたいです。

通信費:9,000円 (5%)

スマホと家のネット回線費用を合わせると月9,000円程度。スマホを格安SIMに変えたら月3,000円ぐらいは安くなりそうなので、5月中にスマホを乗り換え通信費の削減に取り掛かるつもり。

交通費:11,200円 (6%)

週末に訪れる書店との往復費用で1,200円かかりました。天気の良い日は書店まで歩いて行くのですが、今月は歩くのが億劫だったり天気が悪かったりとコンディション不良続きのため、ついつい地下鉄に乗ってしまって1,200円も使っちゃいました。その他、6月に出場する岩手の100kmマラソンへの復路交通費を1万円分計上しました。往路分は3月に支払い済み。あとは5月にホテル代を計上すれば今年のマラソン関連の出費は打ち止めです。

研究室新歓代:2,500円 (1%)

研究室に配属された新4年生を迎える歓迎会代参加費として2,500円を計上しました。私が研究室へ入った時にちょうどコロナ騒動が始まってしまい、結局歓迎会なんて一度もやってもらえないまま迎える側になっちゃいましたね…

書籍代:36,000円 (18%)

メルカリで新潮社の『川端康成全集 全37巻』を購入しました。その入手費用は36,000円。”博士課程在籍中に買う全小説代を前払いしたんだ”と思えば左程高くは感じられない。博士在学中に他にも何冊か専門書を買うことになるはず。それ等については給与ではなく科研費 (140万円/年!) で買えるので懐は一切痛みません^ ^

積み立てNISA:33,333円 (17%)

最後に、将来の備えとしてM1の7月から続けてきた『積み立てNISA』の積み立て費を33,333円計上しました。今後の積み立て額については生活の窮乏感から判断します。

来月以降予想される追加出費

来月から給与が振り込まれるため少し生活が楽になります。しかし、来月以降はさらに追加出費があるので生活余裕度は変わりません。

所得税(源泉徴収)

まず、来月から頂ける月20万円のお給料から税金が源泉徴収されます。税率10%だとすれば2万円引っこ抜かれる計算に。結局のところ特別研究員は月18万円でやりくりする必要がある。札幌住みだからこの額でもまだ持ち堪えられるけれども、果たして東京在住の学生さんは18万円で一人暮らしできるのでしょうか…?

国民健康保険料(6月から)

札幌市の国民健康保険料を自動計算できる|札幌市 国民健康保険計算機 (kokuho-keisan.com)

6月からは国民健康保険料が上乗せされます。その保険料は札幌市の場合、月16,841円だそうです。20万円から税金を引き、更に保険料17,000円を引いたら163,000円。なんと今月の生活レベルを維持できないことが明らかに……。実際には低所得者層はもう少し保険料が安くなるらしく、区役所の窓口の方いわく「1万円ぐらい」とのこと。国の将来を担う特別研究員が”低所得者”なんですか……まぁ、給料を貰っている身で贅沢は言っていられませんね。

授業料(減免結果は7月上旬明らかに…)

D1前期の授業料『26万円』の支払いが待ち構えています。いまは授業料減免申請を行っていて、その結果は7月上旬明らかに。せめて半額、願わくば全額免除を希望します。「全額支払ってね♪」だなんて言われてしまうと失神するかもしれません。北大には博士進学者対象のフェローシップ受給者が多く居り、彼らは授業料支払いが全額免除になることがすでに確定しています。授業料減免の枠は限られているため、学振DC受給者は支払い免除枠から弾き出される可能性も。減免申請が不採択だった時に備え、授業料を支払えるよう26万円を今から準備しておきます。博士課程を早期修了していち早く貧困生活から脱したいです。

初月の収入/支出をまとめてみた感想

正直言って「生きて行くのがやっと」”早く大学院を修了したい”との思いが一層固くなりました。苦しい。ひもじい。美味しいものが食べたい…魂の叫び声が日を追うごとに大きくなっていっています。今の研究の最大のモチベーションは知的好奇心ではありません。一刻も早くこの地獄から抜け出すために成果を挙げたいとしか考えていない。信じられぬことにコレでも日本の博士課程学生の中で極めて恵まれている方。ただ「恵まれている」とはいえ所詮”低所得者”だし、日本政府の研究者の扱い方が透けて見えるというものであります。

大学院在学中に余裕があったら婚活でもしてみようかと目論んでいました。ウチの専攻、筆頭著者としてフルペーパーを3本出せば修了要件を満たせますから、今年度中にその3本を出し切り来年度からマッチングアプリを始めるつもりだった。しかしこの調子だと婚活は難しそう。結婚はおろか、彼女を作るのですら無理じゃないかと思っています。日々を生きるのがやっとの20代後半低所得者男性に果たして誰が振り向くだろうか?お金はない、将来は不定、電池内のイオンの動きにやたらと詳しい変人と付き合うだなんてあり得ません。年収条件でスクリーニングすれば彼氏候補にも挙がらないはず。私へ無邪気にすり寄ってきてくれるのはもはや野良猫ぐらいです。もし間違って彼女ができたとしても、彼女の誕生日にご馳走をしたりプレゼントしたりすることもできない。自宅でサッポロビールを片手にイチャイチャするのが関の山やと思います。研究者になればそれなりの収入を得られるからデート代など余裕で捻出できる。しかし、研究者になれば超多忙になるから出会いを見つける時間がない。つまり結婚相手を見つけるなら博士課程在学中しかない。でも前述の理由からそもそもパートナーを得ることすら叶わないというわけです。

せめて月30万円貰えたら研究へ集中できるのにな。月20万円しか給与をもらえないから、そこから税金や学費を引かれてギリギリの生活を強いられるわけです。会社員と学振DC1とだったらDC1の方が苦しいですよ。なぜって”学費”という形でお金を『払って』働いているんですからね笑。私自身、恋人を作って幸せになる未来をスッパリ諦めてしまいました。どう転んだって無理ですよ。明るい未来を想像できない。私は脳の障害者なので幸せになれなくても仕方がないけど、後輩にまで金銭面で辛い思いをして欲しくはありません。特別研究員の給与を始め、日本の研究者の待遇が一刻も早く改善されることを願っています。

最後に

日本学術振興会特別研究員DC1の懐事情については以上となります。来月も厳しい毎日をどうにか生き抜いていきたいです。

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