研究室生活春夏秋冬vol.39 D1・5月 論文一報アクセプト!初任給で親にプレゼント

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二回目の査読の結果が返ってきた

投稿した論文の2回目の査読コメントが届いた。査読者2名のうち1名が査読対応に不満を示し、強い口調で修正を要求してきた。納得できる指摘もあったが、論文の論旨を読み違えたためのピント外れなコメントが大半を占めた。文章をいくら丁寧に書いても誤読されることがある。改めて文章執筆の難しさを痛感した。

査読者の意向に沿って原稿を修正し、ピント外れのコメントには論旨を丁寧に説明し直した。3週間かけて査読対応ファイルを作成し、再び雑誌社へ論文を送付した。

論文執筆に全集中したゴールデンウィーク

最長9連休のゴールデンウィークは研究室通いに費やした。下級生が不在の静寂な環境で、論文執筆に没頭できた。休暇を取っても気が休まらない。むしろ作業に没入している時の方が心が安らぐ。

博士課程では、どれほど努力しても博士論文提出要件を満たせなければ修了できない。必要十分な努力量が見えず、恐怖に駆られながら週7日の研究室通いを続けている。

長期休暇を論文執筆に注いだ結果、概ね完成に漕ぎ着けた。前回の超大作は半年を要したが、今回は要領を掴んでいたためか、1ヶ月程度で仕上げることができた。イントロや考察のブラッシュアップにもう1ヶ月ほど必要だろう。その後は英語化へと進む。

今回の論文は、前回の海外ビッグジャーナル掲載時以上のインパクトがある。個人的な自信作だ。電池の知識が乏しい方にも驚いていただける内容となっている。インパクトファクター40以上のNature級は難しいかもしれないが、10台後半から20台半ば、場合によってはIF30付近の一流誌への掲載も視野に入る。

41回目の成分献血へ

札幌駅前の献血ルームで41回目の成分献血を行った。学部一年次から定期的に通い、この回数を積み重ねてきた。私にとって献血は、時間と血液を捧げて承認欲求を満たす最高の営みだ。恋人もいない一人暮らしの博士候補生には生き甲斐を見出すのも難しい。だが献血を通じて、社会への貢献を実感できる。

マスクなしで新鮮な空気を吸えたおかげか、今回は通常より10分早く終了した。コ〇ナの5類移行で、ようやく社会が正常に戻りつつある。3年に及ぶ混乱期では、様々な理不尽な経験をした。健康なのにマスク着用を強要され、ランニング中に非難の声を浴びせられた。

未完成のワ〇チンを躊躇した私は「反ワ〇チン」のレッテルを貼られた。mRNAワ〇チン導入以降、超過死亡が急増しているのは事実。2022年度の超過死亡数は東日本大震災時を上回った。街中を駆け抜ける救急車のサイレンも増加の一途だ。医学界の沈黙を横目に、「専門家とは何か」と献血中に思いを巡らせた。

日常の潤い

イワシ缶の連続摂取に飽き、体が新たなタンパク源を求めていた。焼肉では平凡すぎる。焼き魚も違和感がある。手頃な調理メニューを探し、鶏肉カレーの製作を決意した。数ヶ月ぶりの料理に、全身から力が湧いてきた。

食へのこだわりは薄いが、美味しい物を口にするのは好きだ。普段の質素な食生活は、単に料理が面倒なだけ。もし彼女ができて料理を作ってくれたら、世界一の食欲と感謝の言葉で応えられる自信がある。

久々の料理は大成功を収めた。電気圧力鍋で作った鶏肉カレーは絶品の出来栄え。口の中でホロリと溶ける鶏肉が、イワシ漬けの体に吸収されていく。味覚も歓喜の声を上げた。「うんまいなぁ」と独り言を漏らしながら、アツアツのカレーを完食した。週一回程度は本格的な料理を楽しむのも良いかもしれない。本当はオムライスを作りたい。卵さえ十分にあれば、大学を休んででも即座に調理に取り掛かりたい。

博士修了要件一報目の論文がアクセプト

論文が一報アクセプトされた。投稿から6週間という早期決着だ。査読者との論戦を経て掴んだアクセプトは、格別の清々しさがある。今後、投稿本数を重ねるごとにこの達成感は薄れていくだろう。今のうちに「やったー!」という感動を噛みしめておきたい。

所属専攻の博士論文提出要件は、査読付き原著論文3報以上、うち2報は筆頭著者のフルペーパーとなっている。今回のアクセプトで、あと2報のフルペーパーで博士論文審査会への切符を手に入れられる。現在執筆中の大作に加え、もう1報で早期修了が視野に入る。既存データも揃っており、今年度中の要件達成も夢ではない。

初任給が振り込まれた

学振DC1として待望の初任給を受け取った。通常の振込日である20日が土曜と重なり、翌営業日の受給となった。研究奨励金20万円から所得税2,670円を差し引いた197,330円を2ヶ月分受給。これで極貧生活からの脱却が叶う。授業料減免額が未定のため、支出は慎重に管理したい。

夫婦箸|黒檀 四角 漆塗 箸置付 (21.5, 23.0cm) | 若狭塗 | 箸蔵まつかん |BECOS (thebecos.com)

初任給での親へのプレゼントを決めていた。Bing AIに相談し、お箸を贈ることにした。予算1万円程度で適切な品を選び、受給翌日に実家へ発送した。企業勤めなら温泉旅行やドライブをプレゼントしたかったが、学生身分ゆえお箸での感謝表現とさせていただいた。

スマホを買い替えた

B2のゴールデンウィークから5年間使用したiPhone7の買い替えを決意した。満充電でも3時間しか持たず、電話の受信すら安定しない状況に陥っていた。これまでのキャリアはdocomoだった。M2までは親負担だったスマホ代も、D1からは特別研究員の給与から支出する必要が生じた。

docomoの通信費は自身の家計を圧迫する。そこで楽天モバイルへの乗り換えを決断。iPhoneも7から13 miniへと6世代のジャンプアップを遂げた。契約は完了し、新機種の到着を心待ちにしている。

留学先との音信不通

3月下旬に決まったオックスフォード大学への留学。しかし、それ以降、受け入れ先からの返信が途絶えている。研究室からは定期的に論文が発表されており、活動自体は継続している。メールアドレスの無効化も考えにくい。

2ヶ月に及ぶ音信不通に、留学実現への不安が募る。航空券や現地の住居は早期の確保が望ましいが、留学自体が白紙に戻る可能性もあり、安易な手配も躊躇われる。

博士進学の動機の3割は留学の可能性にあった。留学が実現しなければ研究へのモチベーションも大きく低下するだろう。その場合、博士修了後の民間企業就職も視野に入れざるを得ない。留学実現への期待を捨てきれない日々が続く。

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