【研究室】忙しい先生に投稿予定の論文を確実に読んでもらう3つの技術

目次

イントロ

先輩「どうも〜、研究室漫才の時間でございます」

後輩「よろしくお願いします」

先輩「いや〜、僕ね、最近すごいことに気づいたんですよ」

後輩「何に気づいたの?」

先輩「大学の先生って、めちゃくちゃ忙しいんですね」

後輩「まあ、そうらしいね」

先輩「講義があって、会議があって、学会があって、科研費の申請があって」

後輩「うん、たくさんあるね」

先輩「出張があって、査読があって、学生の指導があって」

後輩「本当に忙しいんだね」

先輩「でね、学生の論文を読む時間がないらしいんですよ」

後輩「まあ、そうなるよね」

先輩「いやいやいや、おかしいでしょ。学生の論文を読むのも仕事でしょ! 俺の論文読めよ!」

後輩「急に本音出たね」

先輩「僕の先輩なんかね、論文を先生に渡して4ヶ月待ったらしいですよ」

後輩「4ヶ月!?」

先輩「4ヶ月待って、先生から返ってきた言葉が『あれ、これ何の話だっけ?』」

後輩「忘れてる! 完全に忘れてる!」

先輩「しかもね、先生、論文の1ページ目に付箋が貼ってあったらしいんですけど」

後輩「うん」

先輩「その付箋に『後で読む』って書いてあったらしいですよ」

後輩「『後で』が4ヶ月かかってる!」

先輩「先生の『後で』、四季をまたいでる」

後輩「季節が変わってるじゃん」

先輩「渡した時は夏だったのに、返ってきた時は冬ですよ」

後輩「論文が越冬してる」

先輩「渡した時は半袖だったのに、返ってきた時はダウンジャケットですよ」

後輩「人間の服装で季節を表すな」

先輩「先輩ね、論文の内容より先に、自分の服装の変化に驚いたらしいですよ」

後輩「本末転倒だよ」

先輩「でね、もっとすごい先輩もいるんですよ」

後輩「まだいるの?」

先輩「木村先輩っていうんですけどね」

後輩「うん」

先輩「先生に論文渡したら、『来週読むから』って言われたんですって」

後輩「うん、いい返事じゃん」

先輩「1年経ったらしいですよ」

後輩「『来週』どこ行った!?」

先輩「先生の『来週』、52週あったらしいですよ」

後輩「それもう来年だよ!」

先輩「木村先輩ね、先生に言ったらしいですよ。『先生、1年経ちました』って」

後輩「うん」

先輩「そしたら先生、なんて言ったと思います?」

後輩「なんて言ったの」

先輩「『え、もう1年? 早いね〜、ハハハ』」

後輩「笑い事じゃねえだろ!!」

先輩「先生ね、時間の流れを楽しんでたらしいですよ」

後輩「楽しむな! 論文読め!」

先輩「で、木村先輩が『論文、読んでいただけましたか?』って聞いたら」

後輩「うん」

先輩「先生、『あ〜、あれね。読んだ読んだ』って」

後輩「お、読んだんだ」

先輩「『面白かったよ。あれ、なんの論文だったっけ』」

後輩「読んでない!! それ絶対読んでない!!」

先輩「先生ね、論文読んだ記憶だけ残ってるらしいですよ」

後輩「記憶だけあっても意味ないだろ」

先輩「内容は消えて、『読んだ』というラベルだけが残ってる」

後輩「空のフォルダじゃん」

先輩「で、木村先輩がね、『じゃあ、修正点とか教えてください』って言ったら」

後輩「うん」

先輩「先生、『もう一回読むわ』って」

後輩「一回目の意味!!」

先輩「先輩ね、『二回目の来週、いつですか?』って聞いたらしいですよ」

後輩「聞き方がもう達観してるな」

先輩「そしたら先生、『再来週かな』って」

後輩「再来週!? 前回より早いじゃん!」

先輩「成長してるんですよ、先生」

後輩「成長のスピードおかしいだろ」

先輩「でね、その再来週が来て、木村先輩がまた聞いたらしいですよ」

後輩「うん」

先輩「『先生、読んでいただけましたか?』って」

後輩「うん」

先輩「先生ね、真顔で言ったらしいですよ。『何を?』」

後輩「リセットされてる!! 記憶が工場出荷状態に戻ってる!!」

先輩「先生の脳ね、定期的に初期化されるらしいですよ」

後輩「システムアップデートか何か?」

先輩「アップデートじゃなくてダウングレードですよ」

後輩「データ消えてるからね」

先輩「木村先輩ね、このやりとりを7回繰り返したらしいですよ」

後輩「7回!?」

先輩「7回目でようやく先生が『じゃあ、一緒に読もうか』って」

後輩「一緒に読む!? 指導放棄してるじゃん!」

先輩「先輩ね、その時泣いたらしいですよ」

後輩「そりゃ泣くわ」

先輩「嬉し泣きですよ。『先生と一緒に読める……!』って」

後輩「感動のハードル下がりすぎだろ」

先輩「でね、もっとすごい話があるんですけど」

後輩「まだあるの?」

先輩「佐藤先輩っていうんですけどね」

後輩「うん」

先輩「先生に論文渡したら、『明日読むから机に置いといて』って言われたんですって」

後輩「うん」

先輩「で、机に置いたんですよ」

後輩「うん」

先輩「2年後に発掘されたらしいですよ」

後輩「発掘!? 考古学!?」

先輩「先生の机でね、地層になってたんですって」

後輩「地層って何だよ」

先輩「一番下に佐藤先輩の論文があって、その上に科研費の書類、その上に学会のプログラム、その上に年賀状、その上にお中元のカタログ、その上にクリスマスカード」

後輩「季節のイベントが積み重なってる!」

先輩「論文の上にね、1年分のイベントが降り積もってたらしいですよ」

後輩「もはや年輪だよそれ」

先輩「で、発掘された時にね、先生が言ったんですって」

後輩「何て?」

先輩「『懐かしいね、この論文』」

後輩「懐かしがるな!! 読め!!」

先輩「先輩ね、その時すでに卒業してたらしいですよ」

後輩「遅すぎるわ!!」

先輩「先生ね、論文読んで、よし、じゃあ修正しようかって言ったらしいんですけど」

後輩「うん」

先輩「先輩ね、『僕、もう社会人なんですけど』って」

後輩「人生進んじゃってるじゃん」

先輩「しかも、『研究と全然関係ない仕事してます』って」

後輩「完全に離れてるじゃん」

先輩「先生ね、『じゃあ週末とか空いてない?』って」

後輩「週末!? 社会人の週末を使わせるな!」

先輩「先輩ね、断ったらしいですよ。すみません、週末はゴルフなんでって」

後輩「社会人満喫してるな」

先輩「で、論文はお蔵入りになったんですって」

後輩「お蔵入り!?」

先輩「先生ね、その論文、また机の上に置いたらしいですよ」

後輩「また地層に戻すな!」

先輩「いま、新しい地層の最下層になってるらしいですよ」

後輩「永久凍土じゃん」

先輩「あと300年くらいしたら、また発掘されるかもしれないですね」

後輩「その頃には人類滅亡してるかもしれないだろ」

先輩「でね、こういう悲劇を繰り返さないために、今日は忙しい先生に論文を読んでもらう方法を紹介したいと思います」

後輩「お、ちゃんとした話もするんだ」

先輩「ポイントは3つあります」

後輩「うん」

先輩「1つ目、言えば、優先順位を上げてもらえる

後輩「ふむふむ」

先輩「2つ目、3日おきに”読んで”とつつく

後輩「催促するってことね」

先輩「3つ目、先生の確認活性化エネルギーを下げる

後輩「急に化学っぽいね」

先輩「俺、化学系なんで」

後輩「そうなんだ」

先輩「嘘ですけど」

後輩「嘘なのかよ!」

先輩「まあね、細かいことはさておいて、始めましょうか」

言えば、優先順位を上げてもらえる

先輩「じゃあまず1つ目。言えば、優先順位を上げてもらえる

後輩「これは当たり前のことじゃない?」

先輩「当たり前だと思うでしょ? でもね、これができない人が多いんですよ」

後輩「なんで?」

先輩「みんなね、遠慮するんですよ。先生、忙しそうだしな~って」

後輩「まあ、気持ちはわかるけど」

先輩「でもね、それ大きな間違いなんですよ」

後輩「間違い?」

先輩「いいですか。先生の頭の中にはね、タスクリストがあるんですよ」

後輩「うん」

先輩「でね、そのタスクリスト、どういう順番で並んでると思います?」

後輩「締め切りが近い順?」

先輩「そう! 正解! 100点!」

後輩「普通のことだね」

先輩「でね、学生の論文ってどうなってると思います?」

後輩「下のほう?」

先輩「違う。載ってないんですよ」

後輩「載ってない!?」

先輩「だって、締め切りがないでしょ」

後輩「あ、確かに」

先輩「締め切りがないタスクはね、リストに載らないんですよ

後輩「存在してないのと同じってこと?」

先輩「そう。先生の脳内でね、学生の論文は『未確認飛行物体』なんですよ」

後輩「UFO?」

先輩「時々目撃されるけど、存在が確認されてない」

後輩「論文がUFO扱い」

先輩「たまに先生が『あ、そういえば論文……』って思い出すんですけど」

後輩「うん」

先輩「次の瞬間、メールが来て、忘れるんですよ」

後輩「記憶が上書きされる」

先輩「論文の記憶ね、先生の脳のRAMに一瞬だけ読み込まれて、すぐ解放されるんですよ」

後輩「パソコンみたいに言うな」

先輩「だからね、こっちから締め切りを作ってあげるんですよ」

後輩「作ってあげる?」

先輩「そう。『先生、この論文、来月15日までに投稿したいんですけど』って言うんですよ」

後輩「なるほど」

先輩「そうするとね、先生のタスクリストに載るんですよ」

後輩「締め切りができるから」

先輩「『田中の論文を確認する、締め切り来月15日』って」

後輩「リストに追加される」

先輩「で、来月15日が近づいてくると、どんどん順位が上がっていくんですよ」

後輩「自動的に浮上してくる」

先輩「これね、僕は『タスク浮上の法則』って呼んでるんですけど」

後輩「かっこいい名前つけたね」

先輩「嘘ですけど」

後輩「嘘なのかよ」

先輩「でね、この『締め切りを作る』っていうのがポイントなんですけど」

後輩「うん」

先輩「言い方が大事なんですよ」

後輩「言い方?」

先輩「ダメな例からいきますね」

後輩「うん」

先輩「『先生、来月15日に投稿したいんですけど、、、いいですか?』」

後輩「何がダメなの?」

先輩「『いいですか?』がダメ」

後輩「なんで?」

先輩「許可を求めるとね、先生、考えちゃうんですよ」

後輩「考えることの何がダメなの」

先輩「考えた結果ね、『う〜ん、今忙しいから再来月にしよう』ってなるんですよ」

後輩「先延ばしにされる」

先輩「先生ね、考える時間を与えると、必ず先延ばしを選ぶんですよ」

後輩「そういうもんなの?」

先輩「人間の脳はね、『今やる』より『後でやる』を好むようにできてるんですよ」

後輩「怠惰な設計だな」

先輩「だからね、こう言うんですよ。『先生、来月15日に投稿します。それまでにご確認いただけると助かります』

後輩「おお、断定形になった」

先輩「許可を求めるんじゃなくて、報告するんですよ

後輩「なるほど」

先輩「『投稿します』って言い切ると、先生も『あ、そうなんだ。じゃあ読まなきゃ』ってなるんですよ」

後輩「既成事実を作るわけだ」

先輩「そう。これね、僕は『宣言の法則』って呼んでるんですけど」

後輩「また名前つけた」

先輩「嘘ですけど」

後輩「だから嘘つくなよ!」

先輩「でね、もうひとつ大事なことがあって」

後輩「何?」

先輩「『なぜその日なのか』を説明するんですよ

後輩「理由をつける?」

先輩「そう。例えば、『来月15日に投稿したいんです。なぜなら、学振の申請書に論文リストを書きたいからです』」

後輩「具体的だね」

先輩「『学振の締め切りが来月末なので、それまでに投稿済みにしておきたいんです』」

後輩「なるほど」

先輩「こう言うとね、先生も『なるほど、それなら急がなきゃ』ってなるんですよ」

後輩「理由があると説得力増すもんね」

先輩「逆にね、理由なしで『来月15日に投稿したいです』だけだと」

後輩「うん」

先輩「先生ね、『なんで? 別に再来月でもいいじゃん』って思うんですよ」

後輩「根拠がないと弱いんだ」

先輩「でね、理由はなんでもいいんですよ」

後輩「なんでもいいの?」

先輩「学振でもいいし、就活でもいいし、学会発表でもいいし」

後輩「うん」

先輩「『彼女に論文通ったら結婚しようって言われてるんです』でもいいんですよ」

後輩「それ研究関係ないじゃん!」

先輩「でもね、意外とこれが一番効くんですよ」

後輩「マジで?」

先輩「先生ね、人情に弱いんですよ」

後輩「そうなの?」

先輩「僕の先輩でね、実際にこれやった人いるんですよ」

後輩「いるんだ」

先輩「『先生、この論文が通ったら、彼女にプロポーズするんです』って」

後輩「すごい賭けに出たね」

先輩「そしたら先生ね、目がキラキラし始めて」

後輩「反応した」

先輩「『よし、わかった。俺も本気出す』って」

後輩「先生のやる気スイッチ入った」

先輩「で、2日で読んでくれたらしいですよ」

後輩「2日!? 普段何ヶ月もかかるのに!?」

先輩「先生ね、赤ペンびっしり入れて返してくれたんですって」

後輩「すごい熱量」

先輩「しかもね、コメントに『頑張れ! 幸せになれよ!』って書いてあったらしいですよ」

後輩「先生、完全に感情移入してる」

先輩「で、論文、無事に通ったんですよ」

後輩「おお、よかったじゃん!」

先輩「先輩、彼女にプロポーズしたんですよ」

後輩「うんうん」

先輩「断られたらしいですよ」

後輩「えええ!?」

先輩「『論文通っても年収上がらないじゃん』って」

後輩「彼女シビアすぎる!!」

先輩「先輩ね、先生に報告しに行ったらしいですよ」

後輩「うん」

先輩「『先生、プロポーズ断られました』って」

後輩「うん」

先輩「先生ね、泣いたらしいですよ」

後輩「先生が泣いた!?」

先輩「『俺の赤ペンは何だったんだ……』って」

後輩「先生の労力……」

先輩「『俺、お前の幸せのために本気出したのに……』って」

後輩「先生のほうがダメージ受けてる」

先輩「で、先生、先輩に言ったらしいですよ」

後輩「何て?」

先輩「『お前、次の彼女できたら教えろ。また本気出すから』って」

後輩「やる気の出し方おかしいだろ!」

先輩「先輩ね、以後、彼女ができるたびに先生に報告してるらしいですよ」

後輩「論文のために彼女作ってるじゃん」

先輩「先生もね、『お、新しい彼女か。よし、論文読むか』って」

後輩「完全にシステム化してる」

先輩「今ね、先輩、5本目の論文書いてるらしいですよ」

後輩「5人目!? 彼女何人いるんだよ!」

先輩「歴代彼女の数だけ論文がある」

後輩「論文リストがマッチングアプリの履歴みたいになってるじゃん」

先輩「でもね、これは極端な例であって」

後輩「極端すぎるよ」

先輩「普通はね、学振とか就活とか、真っ当な理由を言えばいいんですよ」

後輩「そうだね、普通の理由でいいよね」

先輩「大事なのはね、『黙ってても先生は動いてくれない』ってことなんですよ

後輩「言わなきゃ伝わらない」

先輩「先生はエスパーじゃないんですよ」

後輩「まあ、そうだね」

先輩「だからね、ちゃんと言葉で伝えるんですよ。『いつまでに』『なぜ』投稿したいのか

後輩「具体的に伝えることが大事なんだね」

先輩「そう。それだけで、先生の中での優先順位が変わるんですよ」

後輩「シンプルだけど効果的だね」

先輩「でもね、これだけじゃダメな場合もあるんですよ」

後輩「え、ダメな場合もあるの?」

先輩「それが次のポイントにつながるんですよ」

後輩「お、展開がうまいね」

3日おきに「読んで!」とつつく

先輩「はい、2つ目。3日おきに読んでとつつく

後輩「催促するってことね」

先輩「そうなんですよ。でもね、この『つつく』っていうのがミソなんですよ」

後輩「つつく?」

先輩「強く押すんじゃなくて、軽く つつく んですよ」

後輩「ニュアンスがあるんだ」

先輩「いいですか。さっき言ったでしょ。『来月15日に投稿します』って宣言したと」

後輩「うん」

先輩「先生、その場では『わかった』って言うんですよ」

後輩「うん」

先輩「3日後には忘れてるんですよ」

後輩「忘れてる!?」

先輩「先生の記憶ね、金魚より短いんですよ」

後輩「金魚の記憶って3秒とかじゃないの?」

先輩「先生は3日」

後輩「金魚より長いじゃん」

先輩「でも人間としては短いでしょ」

後輩「まあ、そうだね」

先輩「先生の脳ね、毎日新しい情報が入ってくるから、古い情報から消えていくんですよ」

後輩「上書きされちゃう」

先輩「月曜日に『田中の論文読む』って記憶しても、火曜に会議、水曜に出張、木曜に査読締め切り」

後輩「予定がびっしり」

先輩「で、金曜には『田中って誰?』ですよ」

後輩「存在から消えてる!」

先輩「だからね、3日おきにリマインドするんですよ」

後輩「3日おき」

先輩「これね、僕、実験したんですよ」

後輩「実験?」

先輩「1日おき、3日おき、1週間おき、どれが一番効果的か」

後輩「科学的だね」

先輩「結果ね、3日おきがベストだったんですよ」

後輩「へえ、なんで?」

先輩「1日おきだとね、先生に嫌われるんですよ

後輩「うざがられる?」

先輩「『またかよ…』ってなる」

後輩「まあ、毎日は多いよね」

先輩「で、1週間おきだとね、先生、リマインドされる前に忘れるんですよ

後輩「記憶が持たない」

先輩「リマインドした時にはもう、論文の存在を忘れてるから、毎回一から説明し直し」

後輩「効率悪いな」

先輩「でも3日おきだとね、ギリギリ記憶が残ってるんですよ」

後輩「ちょうどいい間隔なんだ」

先輩「先生ね、『あ、そういえば!!』ってなる」

後輩「思い出せるギリギリのライン」

先輩「これね、僕は『3日リマインドの法則』って呼んでるんですけど」

後輩「また名前つけた」

先輩「嘘ですけど」

後輩「だから嘘つくなよ!」

先輩「でね、リマインドの仕方も大事なんですよ」

後輩「言い方ってこと?」

先輩「そう。ダメな例からいきますね」

後輩「うん」

先輩「『先生、まだ読んでないんですか?』」

後輩「あー、これは良くないね」

先輩「これね、責めてるように聞こえるんですよ」

後輩「確かに」

先輩「先生、カチンとくるんですよ」

後輩「逆効果だ」

先輩「そんな言い方されたら、読む気なくなるわって」

後輩「拗ねちゃう」

先輩「先生ね、意外とメンタル繊細なんですよ」

後輩「そうなの?」

先輩「論文リジェクトされたりすると、3日くらい落ち込んでますからね」

後輩「それは普通じゃない?」

先輩「でもね、落ち込んでる時にリマインドすると、さらに落ち込むんですよ」

後輩「タイミングも大事なんだ」

先輩「『俺の論文は落ちたのに、お前の論文読まなきゃいけないのか…』って」

後輩「逆恨みじゃん」

先輩「だからね、責めない言い方をするんですよ」

後輩「どう言えばいいの?」

先輩「『先生、先日お渡しした論文ですが、何かご不明点があればいつでもお聞きください』

後輩「おお、柔らかい」

先輩「これね、全然責めてないでしょ」

後輩「うん、むしろ親切」

先輩「でもね、言外に『読んでね』って言ってるんですよ」

後輩「なるほど、含みがある」

先輩「先生もね、『あ、そういえばまだ読んでなかった…』って気づくんですよ」

後輩「リマインドになってる」

先輩「しかもね、責められてる感じがしないから、素直に『あ、ごめん。今週中に読むわ』って言いやすい」

後輩「心理的なハードルが下がるんだね」

先輩「これね、僕は『柔らかリマインド』って呼んでるんですけど」

後輩「また名前」

先輩「嘘ですけど」

後輩「毎回嘘つくなよ! 信用できないわ!」

先輩「他にもね、柔らかリマインドの例があって」

後輩「うん」

先輩「『先生、論文の件、急ぎませんのでお時間ある時にお願いします』

後輩「これも柔らかいね」

先輩「でもね、これ、嘘なんですよ」

後輩「嘘!? また嘘!?」

先輩「急いでるんですよ、本当は」

後輩「急いでるのに急がないって言うの?」

先輩「そう。『急ぎません』って言うと、先生、安心するんですよ」

後輩「プレッシャーがなくなる」

先輩「で、安心すると、意外と早く読んでくれるんですよ

後輩「へえ、逆説的だね」

先輩「人間ね、『急いで!』って言われると、逆にやりたくなくなるんですよ」

後輩「わかる」

先輩「でも『急がなくていいよ』って言われると、『じゃあ今やっちゃおうかな』ってなる」

後輩「天邪鬼だな人間って」

先輩「だからね、『急ぎません』は魔法の言葉なんですよ」

後輩「本当は急いでるけど」

先輩「超急いでるんですよ。心の中では『早く読め!!』って叫んでる」

後輩「腹黒いな」

先輩「腹黒いんじゃなくて、コミュニケーションの技術ですよ」

後輩「まあ、そうか」

先輩「あとね、リマインドする時に、進捗を報告するのも効果的なんですよ」

後輩「進捗報告?」

先輩「『先生、先日の論文ですが、その後、図を修正しました。新しいバージョンをお送りしますね』」

後輩「おお、具体的」

先輩「こうするとね、先生も『お、こいつ頑張ってるな』って思うんですよ」

後輩「印象が良くなる」

先輩「で、『じゃあ俺も読まなきゃな』って気持ちになる」

後輩「相乗効果だね」

先輩「逆にね、ただ『まだですか?』だけだと」

後輩「うん」

先輩「先生ね、『お前、何もしてないくせに催促するなよ』って思うんですよ」

後輩「まあ、そういう気持ちにもなるか」

先輩「だからね、自分も何かやってることをアピールする」

後輩「一方的じゃないってことを示す」

先輩「そう。『俺も頑張ってるから、先生も頑張ってね』っていう無言のメッセージ」

後輩「フェアな関係を作るんだね」

先輩「でね、もうひとつ大事なことがあって」

後輩「まだあるの?」

先輩「リマインドの手段を変えるんですよ」

後輩「手段?」

先輩「メール、Slack、対面、LINE」

後輩「いろいろあるね」

先輩「これね、同じ手段で何回もリマインドすると、先生、慣れちゃうんですよ」

後輩「慣れる?」

先輩「メールで3回リマインドしたら、先生ね、メールを見なくなるんですよ」

後輩「避けてる」

先輩「『あ、田中からまたメール来てる。後で読も』って」

後輩「後回しにされてる」

先輩「でもね、4回目をSlackで送ると、先生びっくりするんですよ」

後輩「なんで?」

先輩「『え、Slackにも来た!?』って」

後輩「意表を突かれる」

先輩「で、『これはヤバい、読まなきゃ』ってなる」

後輩「包囲網が狭まってる感じがするんだ」

先輩「そう。これね、僕は『マルチチャネル攻撃』って呼んでるんですけど」

後輩「物騒な名前だな」

先輩「嘘ですけど」

後輩「いい加減にしろ!」

先輩「でね、最終手段があって」

後輩「最終手段?」

先輩「対面で言うんですよ」

後輩「対面」

先輩「先生の部屋に行って、目を見て、『先生、論文お願いします』って」

後輩「シンプルだね」

先輩「これね、最強なんですよ」

後輩「なんで?」

先輩「メールは無視できるでしょ。Slackも既読スルーできる」

後輩「できるね」

先輩「でもね、目の前に立たれると、無視できないんですよ」

後輩「確かに」

先輩「先生ね、目を逸らすんですけど」

後輩「逸らすんだ」

先輩「こっちも追いかけるんですよ、視線を」

後輩「怖いな」

先輩「先生が右向いたら、こっちも右に。左向いたら、左に」

後輩「ストーカーじゃん」

先輩「ストーカーじゃないですよ、研究指導をお願いしてるだけですよ」

後輩「やり方がストーカー」

先輩「で、最終的に先生ね、『わかったわかった、読むから!』ってなるんですよ」

後輩「根負けする」

先輩「これが対面の力ですよ」

後輩「でも、やりすぎると嫌われるんじゃない?」

先輩「だからね、対面は最終手段なんですよ」

後輩「ここぞという時に使う」

先輩「普段はメールやSlackで軽くつついて、どうしても動かない時だけ対面」

後輩「使い分けが大事なんだね」

先輩「でね、僕の後輩でね、対面を使いすぎたヤツがいて」

後輩「いるんだ」

先輩「毎日、先生の部屋に行ったんですよ」

後輩「毎日!?」

先輩「『先生、論文どうですか?』『先生、論文どうですか?』『先生、論文どうですか?』」

後輩「壊れたロボットみたい」

先輩「先生ね、ついに部屋に鍵かけたらしいですよ」

後輩「避けられてる!」

先輩「でもね、後輩、諦めなかったんですよ」

後輩「諦めないんだ」

先輩「ドアの下の隙間からね、メモを差し入れたんですって」

後輩「怖い! 怖いわ!」

先輩「”先生、論文お願いします”って書いたメモを、シュッシュッシュッって」

後輩「ホラー映画じゃん」

先輩「先生ね、メモ見て震えたらしいですよ」

後輩「そりゃ震えるわ」

先輩「でもね、結果的に論文読んでくれたんですよ」

後輩「恐怖で動いた」

先輩「後輩ね、『恐怖は最大のモチベーションなんだ』って、目を輝かせて言ってましたよ」

後輩「方法論として間違ってるからな!」

先輩「まあ、やりすぎはダメですけどね」

後輩「やりすぎだよ」

先輩「とにかくね、3日おきに、手段を変えながら、優しくつつく

後輩「それが大事なんだね」

先輩「でもね、これでも動かない先生がいるんですよ」

後輩「まだ動かないの!?」

先輩「そういう先生にはね、次のポイントが効くんですよ」

後輩「次で最後だね」

論文確認活性化エネルギーを下げる

先輩「はい、3つ目。先生の論文確認活性化エネルギーを下げる

後輩「化学っぽいね」

先輩「活性化エネルギーって知ってます?」

後輩「化学反応が起こるのに必要なエネルギーでしょ」

先輩「おお、知ってるじゃん」

後輩「高校で習ったよ」

先輩「でね、先生が論文を読むのもね、一種の化学反応なんですよ」

後輩「化学反応?」

先輩「先生がね、『よし、論文読むか』って腰を上げるまでに、エネルギーが必要なんですよ」

後輩「まあ、確かに億劫な作業ってあるもんね」

先輩「で、そのエネルギーが高いと、反応が起こらない

後輩「つまり、読んでもらえない」

先輩「そう。だからね、こっちで活性化エネルギーを下げてあげるんですよ」

後輩「どうやって?」

先輩「まずね、論文を渡す時の形式が大事なんですよ」

後輩「形式?」

先輩「先生によって、好みが違うんですよ」

後輩「どういうこと?」

先輩「紙で読みたい先生と、PDFで読みたい先生がいるんですよ」

後輩「あー、いるいる」

先輩「紙派の先生にPDFで渡すとね、活性化エネルギーが上がるんですよ」

後輩「なんで?」

先輩「先生ね、『まずこのPDF、印刷しなきゃ…』って思うんですよ」

後輩「ワンステップ増える」

先輩「で、『印刷めんどくさいな、後でいいか』ってなる」

後輩「先延ばしにされる」

先輩「逆に、PDF派の先生に紙で渡すと」

後輩「うん」

先輩「先生ね、『この紙、どこに置いたっけ…』ってなるんですよ」

後輩「紛失する」

先輩「で、見つからなくて、『まあいいか』ってなる」

後輩「諦められてる!」

先輩「だからね、先生の好みを把握して、それに合わせるのが大事なんですよ」

後輩「先生研究が必要だね」

先輩「うちの先生はね、iPad派なんですよ」

後輩「ハイテクだね」

先輩「GoodNotesっていうアプリで読むんですよ」

後輩「具体的だね」

先輩「だからね、PDFで渡して、ファイル名も工夫するんですよ」

後輩「ファイル名?」

先輩「『20251201_田中_論文原稿_v3.pdf』みたいに」

後輩「日付とバージョンがわかるね」

先輩「こうするとね、先生もファイルを見つけやすいし、どれが最新かわかりやすい」

後輩「親切だね」

先輩「逆にね、ダメなファイル名があって」

後輩「ダメなの?」

先輩「『最終稿.pdf』」

後輩「あー、よくあるやつ」

先輩「これね、先生のフォルダに5個くらいあるんですよ」

後輩「え?」

先輩「『最終稿.pdf』『最終稿(修正).pdf』『最終稿(最新).pdf』『最終稿(本当に最終).pdf』『最終稿(マジで最終).pdf』」

後輩「全部最終じゃないじゃん!」

先輩「で、先生ね、どれが本当の最終かわからなくなって」

後輩「そりゃそうだ」

先輩「『もういいや、全部読まない』ってなるんですよ」

後輩「投げやりになってる」

先輩「だからね、ファイル名は日付とバージョンをつけるんですよ」

後輩「基本だね」

先輩「あとね、もうひとつ大事なことがあって」

後輩「何?」

先輩「先生がどこを読めばいいかを明示するんですよ」

後輩「どういうこと?」

先輩「論文渡す時にね、全部読んでくださいって言うのと、3ページ目の図2を特に見てくださいって言うの、どっちが読みやすいと思います?」

後輩「後者かな」

先輩「そう。全部読んでくださいって言われるとね、先生、うわ、大変そうって思うんですよ」

後輩「確かに、重く感じる」

先輩「で、活性化エネルギーが上がって、後回しにする」

後輩「なるほど」

先輩「でもね、3ページ目の図2を特に見てくださいって言われると」

後輩「うん」

先輩「先生ね、3ページ目だけ見ればいいのか。じゃあちょっと見てみるかってなるんですよ」

後輩「ハードル下がる」

先輩「で、3ページ目見てるうちに、他のページも気になってきて」

後輩「ついでに見ちゃう」

先輩「そう。人間ね、最初の一歩が一番重いんですよ」

後輩「確かに」

先輩「一回始めちゃえば、続けられる」

後輩「慣性の法則みたいだね」

先輩「だからね、最初の一歩を軽くしてあげるのが大事なんですよ」

後輩「親切だね」

先輩「僕の後輩でね、これを極限まで突き詰めたやつがいて」

後輩「極限?」

先輩「先生に論文渡す時にね、『先生、今日は1文字目だけ見てください』って言ったらしいですよ」

後輩「1文字目だけ!?」

先輩「タイトルの最初の1文字だけ」

後輩「それ何もわからないでしょ」

先輩「先生ね、笑ったらしいですよ。1文字でいいの?って」

後輩「そりゃ笑うわ」

先輩「後輩ね、『はい、今日は1文字目だけで大丈夫です。明日は2文字目お願いします』って」

後輩「いつ終わるんだよ!」

先輩「タイトルが20文字あったらしいんですよ」

後輩「20日かかるじゃん! タイトルだけで!」

先輩「本文入れたら、3年くらいかかる計算ですね」

後輩「卒業できないよ!」

先輩「先生ね、さすがに怒ったらしいです。『ふざけんな、全部読むわ!』って」

後輩「逆ギレで解決した」

先輩「後輩ね、『作戦成功です👍』って言ってましたよ」

後輩「作戦だったのかよ!」

先輩「でもまあ、これは極端な例であって」

後輩「極端すぎるよ」

先輩「普通はね、ここを特に見てくださいって言うだけでいいんですよ」

後輩「うん」

先輩「あとね、口頭で概要を説明するのも効果的なんですよ」

後輩「概要?」

先輩「論文渡す時にね、1分くらいで説明するんですよ」

後輩「なるほど」

先輩「『先生、この論文は〇〇について書きました。結論は△△です。ポイントは3つあって……』みたいに」

後輩「要点を先に伝える」

先輩「こうするとね、先生の頭の中に地図ができるんですよ」

後輩「地図?」

先輩「ここにこういう話があって、ここにこういう図があってっていう全体像」

後輩「なるほど」

先輩「その地図があるとね、読むのが楽になるんですよ」

後輩「予備知識があると読みやすいもんね」

先輩「逆にね、概要説明なしで論文だけ渡すと」

後輩「うん」

先輩「先生ね、これ何の話だっけって、最初から考えなきゃいけない」

後輩「エネルギー使うよね」

先輩「で、面倒になって後回し」

後輩「わかりやすいパターンだね」

先輩「だからね、先に口頭で説明しておくのが大事なんですよ」

後輩「親切だね」

先輩「僕の後輩でね、これをやりすぎたやつもいて」

後輩「やりすぎ?」

先輩「口頭で説明するって言って、パワポ作ってきたんですよ」

後輩「パワポ?」

先輩「50枚の」

後輩「50枚!? 論文の説明に!?」

先輩「論文の説明のために、論文より長いプレゼン資料を作った」

後輩「本末転倒だろ!」

先輩「先生ね、『パワポ読むのに時間かかるから、論文だけ渡してくれ』って」

後輩「逆効果じゃん」

先輩「活性化エネルギー、爆上がりですよ」

後輩「触媒どころか阻害剤だよ」

先輩「化学っぽく言うね」

後輩「アンタが化学の話始めたんだろ」

先輩「あとね、論文の形式を整えるのも大事なんですよ」

後輩「形式?」

先輩「行間を広めにするとか、フォントを読みやすくするとか」

後輩「見た目の問題?」

先輩「そう。先生ね、老眼の人多いから」

後輩「あー、確かに」

先輩「行間が詰まってるとね、うわ、読みづらそうって思うんですよ」

後輩「見た瞬間に萎える」

先輩「で、活性化エネルギーが上がって、後回し」

後輩「同じパターンだね」

先輩「だからね、行間は1.5倍以上、フォントは11pt以上にするんですよ」

後輩「読みやすさは大事だね」

先輩「僕の後輩でね、先生が老眼だって知らなかったやつがいて」

後輩「知らなかった?」

先輩「8ptで論文書いたんですよ」

後輩「8pt!? 小さすぎるだろ!」

先輩「先生ね、論文受け取って、一言」

後輩「何て言ったの」

先輩「『これ、暗号?』」

後輩「読めてない!!」

先輩「後輩ね、いえ、論文ですって言ったらしいんですけど」

後輩「うん」

先輩「先生ね、『俺をバカにしてるのか?』って」

後輩「怒られた」

先輩「読ませる気がないだろ、これって」

後輩「まあ、そう思うよね」

先輩「後輩ね、悪気なかったんですけど、先生との関係が悪化したらしいですよ」

後輩「フォントサイズで人間関係壊れるんだ」

先輩「だからね、読みやすさは大事なんですよ」

後輩「基本的なことだけど、大事だね」

先輩「あとね、最後にひとつ」

後輩「まだあるの?」

先輩「先生の時間割を把握するんですよ」

後輩「時間割?」

先輩「先生がね、いつ時間があるかを知っておくんですよ」

後輩「どうやって?」

先輩「Googleカレンダーをチラ見したり、秘書さんに聞いたり」

後輩「調査するんだ」

先輩「で、先生が比較的暇そうな時に、論文を渡すんですよ」

後輩「タイミングを狙う」

先輩「忙しい時に渡すとね、今それどころじゃない!ってなるでしょ」

後輩「まあ、そうなるよね」

先輩「でも、ちょっと余裕がある時に渡すと、お、じゃあ今読んじゃおうかなってなる可能性がある」

後輩「確かに」

先輩「これね、僕は『タイミングの法則』って呼んでるんですけど」

後輩「また名前つけた」

先輩「……」

後輩「嘘なの?」

先輩「いや、これは本当」

後輩「どっちだよ!」

先輩「まあでもね、とにかく、先生が論文を読む時のハードルを下げてあげるのが大事なんですよ」

後輩「相手の立場に立って考えるってことだね」

先輩「そう。先生も人間だから、楽なほうがいいに決まってる」

後輩「確かに」

先輩「だから、こっちでできることはやってあげる」

後輩「配慮が大事なんだね」

最後に

先輩「というわけで、3つのポイントをまとめると」

後輩「うん」

先輩「1つ目、言えば、優先順位を上げてもらえる。締め切りを作って、理由を伝える」

後輩「黙ってても伝わらない」

先輩「2つ目、3日おきに「読んで」とつつく。優しく、手段を変えながらリマインドする」

後輩「しつこすぎず、忘れられない程度に」

先輩「3つ目、先生の確認活性化エネルギーを下げる。読みやすい形式で、要点を先に伝える」

後輩「相手の立場に立って考える」

先輩「この3つを実践すればね、先生も論文読んでくれるようになりますよ」

後輩「いい話だったね」

先輩「でもね、最後に大事なことがあって」

後輩「何?」

先輩「先生を責めちゃダメなんですよ

後輩「責めちゃダメ?」

先輩「先生もね、本当は読みたいんですよ。でも、時間がないんです」

後輩「うん」

先輩「会議があって、出張があって、査読があって、科研費の申請があって」

後輩「忙しいんだね」

先輩「だからね、『先生が悪い』じゃなくて、『どうすれば先生が動きやすくなるか』を考えるんですよ」

後輩「建設的だね」

先輩「学生の側がちょっと工夫すれば、先生も動きやすくなる」

後輩「お互いのためになるね」

先輩「そう。研究室はね、チームなんですよ」

後輩「いいこと言うね」

先輩「先生と学生が協力して、いい研究を作っていく」

後輩「うん」

先輩「だから、先生を敵視するんじゃなくて、味方として、どうすればチームがうまく機能するかを考える」

後輩「大人だね」

先輩「僕も大人になりました」

後輩「そうだね」

先輩「嘘ですけど」

後輩「最後まで嘘つくな!」

先輩「まあでもね、この記事を読んでくれた人がね、少しでも論文を早く投稿できるようになったら嬉しいですね」

後輩「そうだね」

先輩「先生との関係も良くなって、研究室生活も楽しくなって」

後輩「いいことだね」

先輩「で、無事に卒業して、社会に出て」

後輩「うん」

先輩「彼女もできて」

後輩「論文関係ないだろ」

先輩「プロポーズして」

後輩「だから関係ないって」

先輩「断られて」

後輩「さっきの先輩の話繰り返すな!」

先輩「でもね、また次の彼女ができて」

後輩「ループしてる」

先輩「論文も書けて」

後輩「もういいよ」

先輩「というわけで、以上、『忙しくて時間のない先生に投稿予定の論文を確認してもらう方法』でした」

後輩「ありがとうございました」

先輩「どうもありがとうございました〜」

~おしまい~

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